メルヒェン の商品レビュー
頭を柔軟にして読むべし。そうでないと読みにくい。大人のための童話だと思うが、もしかしたら子供のほうがすんなりと受け止められるかもしれない。気づかされることが多かった。ヘッセらしさが充満している。
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読みにくい短編もあったけど、『アウグスツス』で一気に心惹かれて、凄く面白かった。 『ファルドゥム』と『アヤメ』も好きだったな… 大人の童話って言われているようだが本当にその通りで、宝箱にしまいたいような、温かさのある本だった。
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“Märchen”というドイツ語の範囲は、日本語の「童話」とどこまで重なるのでしょうか。全く子ども向けでないどころか、人間の暗い部分を剥き出しにしていく語り口。若い頃、読めなくて積読にしていたのを、やっと読みました。陰鬱なのは、この本の後半は第一次世界大戦の頃に書かれたことと関係...
“Märchen”というドイツ語の範囲は、日本語の「童話」とどこまで重なるのでしょうか。全く子ども向けでないどころか、人間の暗い部分を剥き出しにしていく語り口。若い頃、読めなくて積読にしていたのを、やっと読みました。陰鬱なのは、この本の後半は第一次世界大戦の頃に書かれたことと関係があるそうです。
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フォロワーさんのお勧めで読みました。大人のための創作童話集ということで、全体的にお伽噺の雰囲気がありつつも扱ってるテーマは「愛し、愛されることの本当の幸福」であり、なかなか深い。どの作品もヘッセらしい幼年期/老年期の対比、または「老いて子供に戻る」といった人生の循環を描いてる。中...
フォロワーさんのお勧めで読みました。大人のための創作童話集ということで、全体的にお伽噺の雰囲気がありつつも扱ってるテーマは「愛し、愛されることの本当の幸福」であり、なかなか深い。どの作品もヘッセらしい幼年期/老年期の対比、または「老いて子供に戻る」といった人生の循環を描いてる。中でも一番感動的だったのは「アウグスツス」。誰からも愛される子にと母から願いをかけられたアウグスツスの生涯を描いた作品で、愛されること、愛することの真の幸福とは?がテーマになっている。印象としては去年読んだ「知と愛」に似ている。「知と愛」も素晴らしい作品なのでお勧めだけれども少し長いので、手始めに短編の「アウグスツス」から読むのがお勧め。「知と愛」では号泣したけれども「アウグスツス」でも泣きました。とても良い作品です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ヘッセの作品は『車輪の下』と、教科書に載ってた『少年の日の思い出』くらいしか読んだことがなかったけど、タイトルに惹かれて手にしてみた。 メルヒェンというのはグリム童話などに代表される口承の昔話のことを言うものだそうだが、それをヘッセが手掛けるとこうなるのか‥という感じだった。 詩のような、様々なメタファを感じさせるものが多かった。 今、この歳で読んでこそ染み入る話もあった。 短編集で、メロディアスライブラリーで取り上げられそうな本だな‥と思ったら、すでに何年か前のリストにあった。小川洋子さん、好きそうな感じがしたんだよな。
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短編集でしかも本が薄いので、すぐに読み終わるかと思いきや、これがなかなか手強かった… 『苦しい道』 『夢から夢へ』 これはもう読んでて訳が分からなくて、頭がおかしくなりそうだった。 ニューエイジミュージックをイヤホンで聴きながら、なんとか読み切った感じ。 …… 感想もい...
短編集でしかも本が薄いので、すぐに読み終わるかと思いきや、これがなかなか手強かった… 『苦しい道』 『夢から夢へ』 これはもう読んでて訳が分からなくて、頭がおかしくなりそうだった。 ニューエイジミュージックをイヤホンで聴きながら、なんとか読み切った感じ。 …… 感想もいつもはすぐに記すのだけど(というか、読みながら感想を考えてる)メルヒェンから離れたいのと反芻したい葛藤があった。 訳された高橋健二さんの解説の中に、ヘッセが精神病を患っていたとあったので、『本当に苦しかったんだ、でも、逃げずに表現したのか…』という思いに今は至りました。 …… 『アウグスツス』 『別な星の奇妙なたより』 不思議な、でも、忘れてはいけない、心に刻んで置かなくてはいけない作品。 言葉に簡単にできなくて、もどかしい。 「アウグスツス」でわかった事は、 充分に誰にでも愛されていれば幸せだとは思えなくなった。誰かの愛すべきところが、どんな状況であっても見出す事が出来たら、それこそ幸せなのかな?と。 「別な星の奇妙なたより」は、戦争の痛ましさで胸が苦しくなった。でも…いつか忘れてしまうものなんだな、と。
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大人向けの創作童話集。8編収録。自然の美しい描写で心が洗われたり、生や死などに関する観念的な語りかけによってその世界にどっぷり浸れたりするような素晴らしい作品たちである。いつの時代でも心に響く内容で、かつ、文体も柔らかいため、子どもから大人まで幅広く楽しめるのではないだうろか。
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今年は毎日読書をしようと決意し、手始めに高校時代に大好きだったヘッセの本の中で、短編集で最も読みやすいこちらを再読です。 物語は、割と共通点があり、 アウグスツス、笛の夢、アヤメ、は人生の歩みを進める中で失っていく悲しみと感慨。 詩人、ファルドゥムは更に大きな時間から人間の営み...
今年は毎日読書をしようと決意し、手始めに高校時代に大好きだったヘッセの本の中で、短編集で最も読みやすいこちらを再読です。 物語は、割と共通点があり、 アウグスツス、笛の夢、アヤメ、は人生の歩みを進める中で失っていく悲しみと感慨。 詩人、ファルドゥムは更に大きな時間から人間の営みを観察しています。 そんな中で「別な星の奇妙なたより」「苦しい道」「夢から夢へ」は不穏な世界に連れていかれます。中でも「夢から夢へ」は全く異様でした。 「ピクトルの返信」は、同じような書き方ながら少し変わっていて、仏教的な雰囲気がありました。("大聖歓喜天"のイメージと重なりました) 言葉がレース編みかガラス細工のように繊細な輝きを持っているのは、ヘッセのみならず高橋健二の翻訳によるもので、改めて感心しました。 「アヤメ」の花の表現を追っていると、写実画の筆のタッチを勉強するような気分でした。
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特別な愛読書。ビーズで飾った、手縫いのブックカバーをつけて、手もとに置いています。 …訳者の高橋健二氏が解説の最後で述べられているように、 ヘッセの書いたものの中で最も美しいものの一つ、だと思います。 短編集。 私は、 別な星の奇妙なたより という物語が、一番好きです。
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個人的にこの手のおとぎ話的なものはあんまり好みでは無いので、少し評価は辛目かも。 でも最初と最後から二番目の作品は、少なくとも当方にとっては現実感が感じられ、なかなかによろしいかと。まぁ若干道徳臭が強すぎて教科書的かもしれませんが、この作家の特徴なんでしょうかね、何かそんな気がす...
個人的にこの手のおとぎ話的なものはあんまり好みでは無いので、少し評価は辛目かも。 でも最初と最後から二番目の作品は、少なくとも当方にとっては現実感が感じられ、なかなかによろしいかと。まぁ若干道徳臭が強すぎて教科書的かもしれませんが、この作家の特徴なんでしょうかね、何かそんな気がする。 そしてそれは日本人好みかなと思います。
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