終末のフール の商品レビュー

伊坂幸太郎(著者)

2022/02/18

ディストピアへのあこがれは誰にでもあるのではないかと思う。常に諦めを孕んだ人生、それを疑似体験できる。諦めと希望、個人ではあらがえない絶対的な存在、自分だったらどの話のように過ごすのか。

2021/08/29

今のコロナ禍という状況にも照らし合わせることができるのではないかと感じた。

一番好きな話が、ボクシングのやつで、自分は今何のために部活をやっているのだろうと考え直すきっかけになった。もし地球が終わるとして、自分はその間も部活動に励み続けられるのか。何をモチベーションにやっているのか。自分でもまだわからない点はたくさんあるが、「何のために」という報酬だけを考えるのはなんかちゃうな。と思ったわ

2021/06/04

小惑星が地球に衝突するまで、残された時を人々はどう過ごすか。

息子を自殺で亡くし、仲違いしたままだった娘と夫が
妻の思惑により再会し、胸に溜めていた想いをぶつけ
誰よりも強い思いを抱く妻の心。

世界が終わりに向かっている矢先に妻の妊娠がわかり
子供を授かるまでの諦めた道のりと未来への決断。

妹と母を自殺に追いやったマスコミを恨み
テレビ司会者を殺すはずだった兄弟だが、
彼ら家族はまさに心中しようとしており
互いに地球滅亡の日まで生きろと決めたこと。

父が残した本をたくさん読み、恋人を得るために
かつての知り合いに会いに行った帰りに
恋愛現場に遭遇した出来事。

未来を絶たれ希望なんて無くなった少年だったが
体を鍛えることだけは忘れず、ジムで再会した
キックボクシング選手のひたむきさに感動したこと。

大学時代の天来オタクの友人と再会して
当時のことや失った家族を思い、自らの死を決める夜。

女優志望だったが夢やぶれ
近所に住む孤独な人の家を回って家族の代わりを演じて
満足していたのだが、いつしか一つの家に
彼らが集まるようになるまで。

レンタルビデオ屋の店主の父は
マンションの屋上に櫓を作っており、
地球最後の日を高い場所から見物するという
父のどんなときも前向きに生きる姿に
勇気づけられること。

最後から2番目の演劇のオールが
面白くてよかったなあ。

世界が滅亡だなんて、またまたぁ！ってなるけれど
今のコロナの状況とかもあるし
決してお話の中で終わる話でもないよなあって。

2021/05/17

あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。
2xxx年。
「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。
犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか?
(アマゾンより引用)

私もこんな死に方がいい。
みんないっぺんにいなくなるならそれが1番いい。

2021/04/10

この人らしい、殺伐としたシュチュエーションなのに何故かほのぼのしているお話。
世界が滅亡するって言われたらどう行動するんだろうな？今時はフェイクニュースもあるし。
でも舞台が仙台で洪水が起きるって話をあの地震の前に書いてたのね。

2022/07/06

数年後に隕石がぶつかって地球が消滅する世界。
死ぬ前にやりたかったことに素直になる登場人物たち。
ある人は仕事を辞めて家族との時間に使う、ある人は死んだ妹の仇取りで人質を取る、ある人は恋愛を経験しようとする。

世界観にイマイチ没入出来ずに、途中で挫折。
伊坂幸太郎さんになかなかハマらない私。

2021/01/13

コロナ禍に再読。状況は違うが、「世界がどうしようもない方向に向かっていくとき、人は日常をどう生きるのか」という問題が通底する短編集。緊急事態だ、Gotoだ、自粛警察だ、政府の責任だ、などとヒステリックになる前に、地球規模の災害下に我々が淡々と日常を過ごす中にある人との関係性や趣味を楽しむことやルーティンをこなすこと、その中にある豊かさを感じられる小説だと思う。１０年ぶりぐらいに読んだが、変わらず好きな作品です。

2020/12/29

物語の設定が、3年後に隕石だかが地球にぶつかって、世界が無くなるという設定です。

それが発表された時はものすごい荒れて、死者も多数出たけど、今は落ち着いている。という感じです。

生き残った人達で、何とか自分たちの生活をしているという状況。

未来が3年しかないということは、遠い未来のことを考えなくてもいいということ。そう思った時、不謹慎かもしれないのですが羨ましく思いました。

いつの間にか未来というものに囚われていた自分に気が付きました。

2020/07/27

世界があと3年で終わる。世界の終わりを目前に生きていく人々の話だった。なんだか切ない気持ちになって、それがすごく心地よかった。

2020/07/11

冬眠のガールと深海のパールがすき。オー！ファザー！にランウェイプリズナーの名台詞が出てきた。楽勝だぜ！！