限りなく透明に近いブルー の商品レビュー
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村上龍先生のデビュー作にして第19回群像新人文学賞受賞作品、第75回芥川賞受賞作品。 ドラッグやセックス、暴力といったショッキングな題材や、それらに溺れ退廃していく若者たちを描いた作品でありながらにして、感情移入の全くない潔癖な文体で描ききった点や、詩的表現で世界を描写している点は読む前に聞いていた本作の優れた点である。実際に読んでみると、確かにそれらの点に圧倒的に引き込まれた。 特に印象的であったのは、70ページ~73ページにかけて語られるリュウの頭の中で作り上げられた宮殿や都市の件であった。この件や感情移入のない語りから、リュウは内向的で現実に対して空虚な人間であると思えた。何のために生きているのかなどといった人生の行先がなく、ただドラッグやセックス、暴力などの刺激に溺れその場しのぎ的に生きている。しかし、歳を取って社会で生きていく以上、そんな生活には限界がある。作中で語られる巨大な「黒い鳥」の正体とは、その「ただ生きる」ことを許さない社会ではないだろうか。それも右肩上がりの社会ではなく、伸びきってしまったパンツのゴムのような、救いようのない社会ではないだろうか。 タイトルでもある「限りなく透明に近いブルー」は正にリュウの社会に生きた証といったところだろうか。空を映しているガラスの破片。そのようになりたいというリュウ。即ち、空(=社会)を透明に(=参画することなく)映す(=ただ存在する)存在になりたいということではないだろうか。しかし、完全な透明(=無)ではなく、ブルーが混じっているのは、それこそがリュウのささやかな存在証明なのあろう。
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別れた恋人から「読め」と言われ、貰ったまま積読状態で手元からなくなり、幾度となく再び手元に来るも、今日まで読まなかった一冊。 昨夜、夢を見たので読むことにした。 なぜ、これを読めと言われたのかわからないまま、読み進めるも、時代と世界観がわからず、ひたすら読み進める。読み進めても状況が読み取れずに、イメージが上手く掴めない。 退廃的な世界。 麻薬とセックス、暴力……焦燥ばかりの描写。 黒い鳥はなんのメタファーだろうか。 快楽をイメージさせない暴力的なセックス、男も女も関係なく、愛情を排除した狂宴。詩的と言えば聞こえはいいが、乱雑に置かれるワードにはあまり魅力を感じない。 わからないワードが多過ぎて、調べてみるも、それらが既に死語であったり、消えてしまったスラングであったりして輪郭がぼやける。 以下ネタバレ含む感想 むずむずとする。 意味深に渡された時に読むべきだったのか、ヨシヤマとケイの別れの場面、似たようなやり取りをしたろうかと考える。俺とあいつの関係は、確かに破綻していたし、そんな二人が重なるところもある。お互いにルーズで、お互いに傷つけあっていた。 手首を切ったのは俺なの? 君なの? それとも、君はやっぱりリュウだったのかな。 リリーは他の人と会話しない。 リリーはいるのか? リュウの外にも存在しているのか? でも、なら、ここで俺に割り当てられた役は……きっと黒い大きな鳥だと気がついたら、ストンと納得できた。 いくつかの場面を思い出して、あの頃の事を思い出して、やっとこの本を俺に読めと言った意味は判った。ヘタレが笑 回りくどいんだよ笑 作品としては、飲み込めない文章のくどさもあって、頑張ったけど、最後まで上手く飲み込めないままだった。 正直、自分には少し難しすぎた。
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2022/02/23 わかるようなわからんような とりあえず気持ち悪い描写が生々しくて想像できてしまうあたりが気持ち悪かったから読むのはなかなか辛かった、ページ数少ないのにめちゃ疲れた… 文庫についてる解説を読まんと、文章は支離滅裂&読みにくく、わかりにくいから大変だー...
2022/02/23 わかるようなわからんような とりあえず気持ち悪い描写が生々しくて想像できてしまうあたりが気持ち悪かったから読むのはなかなか辛かった、ページ数少ないのにめちゃ疲れた… 文庫についてる解説を読まんと、文章は支離滅裂&読みにくく、わかりにくいから大変だー うーん何とも暗くて抽象的な感じだったので、そして文体が読みにくく、わたしには合わんかったなー
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大好きな作品。 一言に感想を集約すると「かなしい」となる、そういう人は多いと思う。 生々しく温度が感じられるような描写と表裏一体の、全く温度が感じられない主人公の視点。 これが読んでいて脳にくる、本当に癖になる文体。 弱くて脆くて、群れないと生存すらできない刹那的な若者た...
大好きな作品。 一言に感想を集約すると「かなしい」となる、そういう人は多いと思う。 生々しく温度が感じられるような描写と表裏一体の、全く温度が感じられない主人公の視点。 これが読んでいて脳にくる、本当に癖になる文体。 弱くて脆くて、群れないと生存すらできない刹那的な若者たちの姿。 23、4歳でこの文章を作った人間のことを想像してしまう、どうしてこんなに繊細で退廃的な言葉の世界を紡げるのだろう。 時間を置いて、また読み返したくなる傑作。
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村上龍のデビュー作 基地周辺で生活をする セックス ドラッグ ロックンロール的な 生活をしてる若者の青春ストーリー 芥川賞を受賞していますが 賛否両論あるようで 内容がエログロナンセンスな ところもあるからか あまりにあっさりした感じだからか 好まない人も結構いますね 時代背...
村上龍のデビュー作 基地周辺で生活をする セックス ドラッグ ロックンロール的な 生活をしてる若者の青春ストーリー 芥川賞を受賞していますが 賛否両論あるようで 内容がエログロナンセンスな ところもあるからか あまりにあっさりした感じだからか 好まない人も結構いますね 時代背景や主人公のリュウは 作者である村上龍本人だと言われているし すごい内容だと思うと同時に あとがきの手紙の内容は ちょっとウルっときてしまった なぜかこの作品よりだいぶ何十年もあとに 書かれた高見沢俊彦の処女作「音叉」の 終盤の主人公の心情を思い出してしまいました
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著者の第一作で、福生の米軍基地の近くに位置する街を舞台に、セックスとドラッグに明け暮れる若者たちのすがたをえがいた作品です。 本作に対しては、江藤淳が厳しい批判をおこなったことが知られています。「サブ・カルチャーを素材にした文学作品が表現になるためには、作者の意識は一点で、その...
著者の第一作で、福生の米軍基地の近くに位置する街を舞台に、セックスとドラッグに明け暮れる若者たちのすがたをえがいた作品です。 本作に対しては、江藤淳が厳しい批判をおこなったことが知られています。「サブ・カルチャーを素材にした文学作品が表現になるためには、作者の意識は一点で、そのサブ・カルチャーを越えていなければならない。その中に埋没していたのでは、ただの反映にしかならないのだ」というのが、江藤の言い分なのですが、わたくし自身はすこし異なる印象をもっています。 リリーがリュウに語っているセリフに、次のようなものがあります。「リュウ、あなた変な人よ、可愛そうな人だわ、目を閉じても浮かんでくるいろんな事を見ようってしてるんじゃないの? うまく言えないけど本当に心からさ楽しんでたら、その最中に何かを捜したり考えたりしないはずよ、違う?」本作では、セックスやヴァイオレンスの場面をたんたんと即物的に描写しており、批評性が欠如しているということもできるのかもしれませんが、むしろ即物的な次元にまで降りていくことで、江藤の想定しているような戦後の言説空間の歪みが生み出す光景がひとしなみに「限りなく透明に近い」まなざしのもとに置かれているといえるのではないでしょうか。 そのようなしかたでなければ批評性が成立しないことがこの作品の貧困さを証明しているということも可能なのかもしれません。しかしながら、そのような「貧困さ」は著者だけに押しつけるべきものではなく、サブカルチャーと文学の境界がますますあいまいになっている現代に生きる者すべてが引き受けるべきものであるように思います。
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読後に胸にわだかまる、なんとも言えない気持ち悪さ。これが、芥川賞史上、もっとも部数の多い作品なのか。 「僕」の視点がフラットであるがゆえに不気味。 不気味、気持ち悪い。 何度も読み返そうとは思わない。 けれど、読んで後悔はしていない。
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この本はかなり直感に訴えかけてくる印象でした。 実はけっこう苦手な人多いんじゃないかと思われる台所のシンクの描写がほんとうに吐きそうになるほど文で再現しています。 洗い物が放置されてさらに水が溜まっているシンクの表現が想像させられるくらいリアルでした。 またコデインの系統はやった...
この本はかなり直感に訴えかけてくる印象でした。 実はけっこう苦手な人多いんじゃないかと思われる台所のシンクの描写がほんとうに吐きそうになるほど文で再現しています。 洗い物が放置されてさらに水が溜まっているシンクの表現が想像させられるくらいリアルでした。 またコデインの系統はやったことがないのですがヘロインを打ったあとの効いてきたリュウの視点、思考の描写が不思議と想像できて村上龍の表現力の高さを実感しました。
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難しすぎる、、、沢山本を読んできたので有名どころも抑えていきたいと思って読んだが難しかった。 自分の生きてる世界とは真逆といっていいほどの世界観だったが情景が容易に想像できてグロいなと思えるところも多くあったが全く違う世界のようで登場人物の持つ気持ちは自分と近いものがあって面白...
難しすぎる、、、沢山本を読んできたので有名どころも抑えていきたいと思って読んだが難しかった。 自分の生きてる世界とは真逆といっていいほどの世界観だったが情景が容易に想像できてグロいなと思えるところも多くあったが全く違う世界のようで登場人物の持つ気持ちは自分と近いものがあって面白かった
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