星を継ぐもの の商品レビュー
地味にベストセラーとなっているSF。4ぶんの3くらいはエンディングまでの準備のようなもので、細かいところは飛ばしても大丈夫だ。内容もスリルやアクションはなく、ルナリアンとガニメアンの謎を解くプロセスの話。月が実は太陽系の他の惑星の衛星だったものが地球の軌道に偶然はまった、というの...
地味にベストセラーとなっているSF。4ぶんの3くらいはエンディングまでの準備のようなもので、細かいところは飛ばしても大丈夫だ。内容もスリルやアクションはなく、ルナリアンとガニメアンの謎を解くプロセスの話。月が実は太陽系の他の惑星の衛星だったものが地球の軌道に偶然はまった、というのは斬新であるが、実際ありえるのだろうか。
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SFの古典である。タイトルと冒頭のつかみは知っていたのだけど、読んだのは初めて。非常におもしろく、またこれでもかと詰め込まれたアイデアに驚くばかり。半ダースくらいの長編が書けそうなアイデアが、惜しみなく披露されている。 冒頭の謎が魅力的だが、それの解釈を巡っていくつかの仮説...
SFの古典である。タイトルと冒頭のつかみは知っていたのだけど、読んだのは初めて。非常におもしろく、またこれでもかと詰め込まれたアイデアに驚くばかり。半ダースくらいの長編が書けそうなアイデアが、惜しみなく披露されている。 冒頭の謎が魅力的だが、それの解釈を巡っていくつかの仮説がせめぎ合うあたりが、心地よい知的な興奮を与えてくれる。主人公の設定の仕方もあるのだろうが、とんでもないアイデアが次々出てくる割には、全体のイメージはリアルで、しばらく読んでいるうちに、描かれた世界が当たり前に思えてきて、ごく自然な企業小説のような錯覚を感じてしまう。なんて思っているうちに、さらに吹っ飛んだアイデアと予想外の展開にまたびっくりさせられるのだが。 ともあれ、SFを読む楽しさに満ちあふれた傑作。古びない古典であるわけだ。
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月で発見された人類の遺体は、なんと5万年前のものだった。彼は一体何者なのか?という謎解きに終始するミステリ小説のようなSF小説。あらゆる分野の科学者達がドリームチームを組みそれぞれの得意分野で謎を解いていく様は興奮に耐えない。そこには純然たるサイエンスの世界が描かれており、まさか...
月で発見された人類の遺体は、なんと5万年前のものだった。彼は一体何者なのか?という謎解きに終始するミステリ小説のようなSF小説。あらゆる分野の科学者達がドリームチームを組みそれぞれの得意分野で謎を解いていく様は興奮に耐えない。そこには純然たるサイエンスの世界が描かれており、まさかの部分にフィクションが使われている。これぞサイエンスフィクション!最高のSF小説。ラストの衝撃の事実には文字通り鳥肌が立った。小学生の頃に読んだ「恐竜と生きた男」以来の衝撃だった。
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月で5万年前に死んだとされる死体が発見されて、その謎を解明していく話 本格SFと言った感じで、専門用語だったり説明文が多くて、中々読むのに苦労しました。 後半の謎が解き明かされる部分については前半よりも読みやすくて分かりやすかった。 評判が高い理由はわかる気がしましたが、個...
月で5万年前に死んだとされる死体が発見されて、その謎を解明していく話 本格SFと言った感じで、専門用語だったり説明文が多くて、中々読むのに苦労しました。 後半の謎が解き明かされる部分については前半よりも読みやすくて分かりやすかった。 評判が高い理由はわかる気がしましたが、個人的にはもう少しわかりやすくて読みやすい方が良かったかな。 最後の終わり方は割と好きな感じでした。 少し難しい部分もあるのですぐに投げ出さずに、じっくりと読むタイプの人におすすめだと思います。 2019.7.15 読了
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science fictionでもあり、月という密室に死体があるトリックを解き明かすミステリーでもある。 数年前に読んだ時は難解だったが、改めて読み直すととてもよく出来た作品だと痛感した。 作中の科学者達が議論を重ね、前進しているのか後退しているのか、迷っているのか止まっているの...
science fictionでもあり、月という密室に死体があるトリックを解き明かすミステリーでもある。 数年前に読んだ時は難解だったが、改めて読み直すととてもよく出来た作品だと痛感した。 作中の科学者達が議論を重ね、前進しているのか後退しているのか、迷っているのか止まっているのかわからぬまま、試行錯誤しつつ謎の解明に向かっていく。専門用語へのとっつきにくさすら忘れさせるほどの物語への牽引力。
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SFって漠然と、宇宙についてのフィクションでしょ?って思ってました。でも、違った。言葉の通り、サイエンスフィクション。科学小説。 文系の私には難しかった。 でも、とても面白いと思った。惹きつけられる入り口と、驚きの展開。答えを知りたくなってしまう作りと、驚きの答え。(答えも難し...
SFって漠然と、宇宙についてのフィクションでしょ?って思ってました。でも、違った。言葉の通り、サイエンスフィクション。科学小説。 文系の私には難しかった。 でも、とても面白いと思った。惹きつけられる入り口と、驚きの展開。答えを知りたくなってしまう作りと、驚きの答え。(答えも難しかったけど) テーマが宇宙だけど、本質的には科学です。問いを立てて、調査しながら、仮説を立証していく。仮説すら立てられない難問には、材料からあらゆるアプローチで分かることを洗い出し、積み上げていくアプローチ。帰納法と演繹法ってあったけど、両方駆使。掛かる期間は何ヶ月・何年と途方もない。でも現実に科学ってこういう風に進んでいくんだろうな。 科学者・研究者たちには、尊敬しか湧きません。 とてもかっこいい職業だなと思いました。 日本では科学者への道は狭き門。生活との両立ができないくらい不遇な環境しか用意されていないという。政府が早くこの問題解決に取り組み、日本でも科学者を志す人が増えてくれたら、きっともっと日本は元気になるし、面白い世の中になると思うんだけど。
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SF作家J.P.ホーガン氏が先ごろ亡くなったので、久方ぶりに本棚からデビュー作を引っ張り出して読み返してみた。確か3回目くらいだ。 月面で赤い宇宙服を身につけた人間の遺体が発見された。しかし調べてみると、かれが死んだのはなんと5万年前のことだった・・・。 こんな壮大な謎に挑む...
SF作家J.P.ホーガン氏が先ごろ亡くなったので、久方ぶりに本棚からデビュー作を引っ張り出して読み返してみた。確か3回目くらいだ。 月面で赤い宇宙服を身につけた人間の遺体が発見された。しかし調べてみると、かれが死んだのはなんと5万年前のことだった・・・。 こんな壮大な謎に挑む科学者たちの物語である。 いかにも「SF」にありそうな衝突や戦闘、宇宙空間での立ち回りがあるわけではない。 物理、生物、化学、数学、言語学、コンピューター科学などの専門家が、数少ない証拠を俎上に上げながら、侃々諤々と議論を戦わせる中で、謎の答えが次第に明らかになっていく。その課程に、知的興味をぞんぶんにかきたてる醍醐味が盛り込まれている。そして一気に驚愕の結末まで引っ張っていく、見事な発想と筆力である。 主人公たちがやたらにタバコをふかすとか、高度な科学文明が紙のメモを持ち歩くのかとか、巨大なコンピューターがどうのとか、今となってはさすがにおやおやという未来像も描かれている(そりゃぁ30年前の本だし)が、当時本格ハードSFの超新星ともてはやされただけのことはある、骨太の科学空想推理小説なのである。
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SFも海外文学もほぼ初体験。独特の言い回しや専門用語に何度も諦めかけたけど読み切ってよかった。どんな脳みそを持ってたらこんなストーリーが思いつけるのだろう。
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未知なるものを発見した人類が、それぞれの専門家ごとに意見を言い合って「何か」の真相にたどり着こうとする過程が非常に建設的で面白い。 これぞゴリゴリのSF
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
専門的な用語、説明が多くて読むのに大変だったので、ちまちまと読んでました。 色々なことが解明されたり、説として提唱されたりしていく中でも、個人的にはいまいちパズルのピースは合ってなくて。 結局、最後のハント博士やダンチェッカー教授の演説で、ほとんどの疑問は解消されましたが、まだ少し疑問は残っていたり、、。 ただ、最後の最後で、その疑問が吹っ飛ぶほどの衝撃を感じました。 . これはどうやらシリーズとして続いているようなので、 制覇して疑問を解決させたい!
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