星を継ぐもの の商品レビュー
前半は学者たちの論争や難しい用語の連発で、何がなんだかよく分からないというのが正直な感想である。だが、後半はハントやダンチェッガーの解説によってこれまでの伏線がすべて回収されていき、点と点が一つの線で繋がった瞬間、読む手が震えるほど痺れた。 SFは字の如く、人間による科学と科学に...
前半は学者たちの論争や難しい用語の連発で、何がなんだかよく分からないというのが正直な感想である。だが、後半はハントやダンチェッガーの解説によってこれまでの伏線がすべて回収されていき、点と点が一つの線で繋がった瞬間、読む手が震えるほど痺れた。 SFは字の如く、人間による科学と科学による未来の妄想だが、その妄想が現実になることにもSFの面白さ、ロマンがある。この物語も作者の妄想に過ぎないが、近い将来現実になるのではないか、そんな好奇心さえ掻き立ててしまう作品であった。
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装画と題名に惹かれて4部作纏めて古書店で衝動的に購入してしまいました。 作品は35年前に発表された近未来2025年頃のアメリカを中心とする宇宙的活動機関での人類の創造にも関わる壮大なSFです。 著者は本作を発表後に著名となりSF作家の大著となられました。尚、本作は4部作で...
装画と題名に惹かれて4部作纏めて古書店で衝動的に購入してしまいました。 作品は35年前に発表された近未来2025年頃のアメリカを中心とする宇宙的活動機関での人類の創造にも関わる壮大なSFです。 著者は本作を発表後に著名となりSF作家の大著となられました。尚、本作は4部作であり「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」と続きます。 地球全体として月旅行が当たり前になり土星にまで有人飛行が可能となった高度な近未来で地球の衛星である月の洞窟から人間そっくりな異星人の遺体が発見され物語がスタートする。 地球上のあらゆる頭脳や最新設備を駆使し彼は5万年前の高度文明社会の人間だと判明するが星は何処なのか仲間はどうなったのか、、、その出生や祖先生い立ちを廻る小説です。 学者間の仮説の記述が多く少しウンザリ感も有りますが読み進む内に宇宙の果てしない拡がりと人類のか細く短い流れが対照的です。真っ暗な宇宙の中5万年間眠り続けた人間のルーツに辿り着く最後の場面には驚きと次作への期待が膨らみました。
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月の裏側で見つかった、宇宙服を来た遺体の由来をめぐるSF SFミステリとの評価もあるらしい 確かに、タイトルに秘められた意味とか、5万年前のアリバイとか不可能犯罪に見えるトリックめいたものがミステリ要素なんだろうなぁ 月の開発が進んだ近未来 ある日、宇宙服を着た人間のミイラが...
月の裏側で見つかった、宇宙服を来た遺体の由来をめぐるSF SFミステリとの評価もあるらしい 確かに、タイトルに秘められた意味とか、5万年前のアリバイとか不可能犯罪に見えるトリックめいたものがミステリ要素なんだろうなぁ 月の開発が進んだ近未来 ある日、宇宙服を着た人間のミイラが月面で発見される そのミイラは5万年前に死んだ事がわかるが、宇宙服やその他の装備から地球よりも技術レベルが進んでいる事が伺える ミイラは外骨格の特徴を見ても人類と同じ進化系統に属すると思われるため、まったく異なる地球外生命体とも思えない 果たして、この遺体の由来は…… なお話 仮称チャーリーと、その群集をルナリアンと呼称するのは欧米の文化っぽい 様々な分野の専門家が知恵を寄せ集めて解析するプロジェクトはなかなか胸熱 だけど、縦割り組織の弊害で情報が共有されていないことによる停滞というのはいつの時代も変わらないんだなぁ そこで白羽の矢が立ったハントが組織内の情報を集約して共有する役割を得た事で導き出された驚愕の仮説とは 言語学者からのレポートに驚愕する気持ちもよくわかる 地球と月の関係 木星の衛星ガニメデの存在 人類発生のミッシングリンク オーパーツと呼ばれるオブジェクト この辺の謎の解としての結末は見事 さすがはSFの名作と言われるだけの事はある ただ、ケチを付けるとしたら、チャーリーの生存年代を特定したのが放射性炭素年代測定ってところは疑問 ある意味でネタバレになってしまうけど、炭素の同位体を使った年代特定って地球上の生物だからこそできる事なんじゃなかったか? 生存していた環境によって同位体炭素の含有率も変わるし、放置された環境によって同位体の崩壊率も変わる気がするんだが? とまぁ、重箱の隅をつつくのは野暮ってものかな 物語としてはそんなに動きがあるわけでもない 次々と新たな事実が浮かび上がってきて、新たな仮説と検証の過程は科学ストーリーとしては面白い ただ、作者の考えた設定を次々と披露されているだけと感じる部分もある そして読み終わって知ったけど、これは3部作+1作らしい うーん、あまり続編には手を出す気にはならないかも
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人類誕生の新しい仮説として面白く読む事ができた。 月から人間の遺体を発見するところから謎は深まり、一つ毎に科学的根拠を基に解決するのは、とても気味が良かった。 映画があるなら観てみたい気もするけど、痛快でアクションも無い分難しいのかな。
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こんなおもしろいものがあるなんて知らなかったから読む手がふるえた。プロフェッショナルが磨き合う、お仕事ストーリーとしても秀逸。2021年に読んでも新しいなんて!!!
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とても面白かった。これぞSFといった作品。謎の解明過程にノンフィクションを読んでいるかのような説得力があり、ぐいぐい引きつけられる。誰にでもおすすめしたい傑作。そして続きを読まずにいられない。
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今までSFは難しい印象が強く手を出してきませんでしたが、これは最後まで面白く読み切れました。 ひたすら理論が連なる一見淡白な文だけれど、だんだん謎が解き明かされていくミステリー的面白さと、科学者たちの情熱や宇宙のロマンがふんだんに詰め込まれているよう。 (所々理解が追いつかず雰...
今までSFは難しい印象が強く手を出してきませんでしたが、これは最後まで面白く読み切れました。 ひたすら理論が連なる一見淡白な文だけれど、だんだん謎が解き明かされていくミステリー的面白さと、科学者たちの情熱や宇宙のロマンがふんだんに詰め込まれているよう。 (所々理解が追いつかず雰囲気で読みつつ…) 40年以上前からみた未来の描写は、ある意味現在のパラレルワールドのように感じれたのも面白かったです。 宇宙科学を少しでも知っているとより楽しく読めそう。 そしてタイトル訳が素敵過ぎん?
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読みづらいし途中まで冗長だったけど最後の章で覆された そんなオチあり?って思うくらい壮大で 人並みの頭脳では考えられないような示唆を与えてくれた
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どうやらSF界では超有名な傑作らしい一冊。 時は近未来、月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。 綿密な調査の結果、この死体が現人類と何ら変わった所が無い事、そして死後五万年を経過している事が判明した。 果たしてこの人物の正体は。 更に、木星の衛星であるガニメデでは明...
どうやらSF界では超有名な傑作らしい一冊。 時は近未来、月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。 綿密な調査の結果、この死体が現人類と何ら変わった所が無い事、そして死後五万年を経過している事が判明した。 果たしてこの人物の正体は。 更に、木星の衛星であるガニメデでは明らかに地球外のものである宇宙船の残骸が見つかっていた。 世界各国の研究者や技術者が色めき立つ中、原子物理学者のヴィクター・ハントは 謎を解明すべく調査を開始するが。。。 なるほど、「面白い」と言われるのもわかる気がする一冊である。 謎のスケールも大きいし、SFであるが故のトンデモ理論も少なめっぽい。(正確にはわからないが) 更に、様々な矛盾点が解明する瞬間の何ともいえない開放感みたいなモノがハンパ無いのである。 一気にドカン!と解決し、更に突っ込んだ謎が残る。そして残った謎がまた大きな謎を呼ぶ…という展開。 実際、途中からはかなり夢中になって読めた感がある。 が、「途中から」なのである。 最初のうちは何だか専門用語がゾロゾロ出てきて良くわからない印象であったし、 なかなか読み進められなかった。 また、海外特有の言い回し(変な冗談)や間の取り方(すぐ葉巻を吸う)に関する記述も多くて、やや辟易した。 自分自身、そもそも海外の小説が得意ではないので、平気な人は平気だと思うが。 ラスト近くの怒涛の展開も楽しく読む事が出来たのだが、やはり少し引っ掛かる部分はある。 結局「コリエル」って何でチャーリーと一緒にいたのか。 ちょっとネットで調べると、彼はガニメアンではなくルナリアンとの事。 (どうやら続編で書かれているらしい) まあルナリアンなら一緒にいて当たり前なのだが、冒頭の書き方はどう見ても普通の人とは思えない。 これはミスディレクションってやつなのだろうか? また、月がミネルヴァを離れた後に地球の衛星軌道上に辿り着き、偶然引力のバランスが上手く重なって (この辺の理屈はわかりません)地球の衛星となった…というくだり。 何と言うか、最後に来て「偶然」か、と。 ともあれ、面白かった事には間違いない。ハントとダンチェッカーがいつの間にか意気投合してるのも含めて。
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すごいなこれ。 途中まで、というか自分の場合は終盤まで、ストーリーが論理的に難しくてなかなか頭に入ってこなかったけど、終盤から立て続けに謎の解明が進んで、プロローグに繋がるエピローグで幕を閉じる。 すごいなこれ。ロマンある。タイトルもまさにという感じ。 何を学んだか。やはり常識...
すごいなこれ。 途中まで、というか自分の場合は終盤まで、ストーリーが論理的に難しくてなかなか頭に入ってこなかったけど、終盤から立て続けに謎の解明が進んで、プロローグに繋がるエピローグで幕を閉じる。 すごいなこれ。ロマンある。タイトルもまさにという感じ。 何を学んだか。やはり常識を疑う姿勢の大切さなのかなぁ。あとは事実を整理して解くべき課題を明確に定めるプロセスとかかな。 きっとまたなかなか骨が折れるだろうけど、続編も読んでみたいと思う。少し休憩したいからすぐにでなくていいけど。
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