星を継ぐもの の商品レビュー
今までSFをあまり読んでこなかったので、個人的にSFといえばな作品として読んだ。元々宇宙が大好きだったし、物理学、生物学、言語学などの権威が智力を尽くし協力しながら真相に辿り着こうとするのは同じ地球人として胸が熱くなった。その先の真相にはひたすらにロマンがあり、抗い難い好奇心に読...
今までSFをあまり読んでこなかったので、個人的にSFといえばな作品として読んだ。元々宇宙が大好きだったし、物理学、生物学、言語学などの権威が智力を尽くし協力しながら真相に辿り着こうとするのは同じ地球人として胸が熱くなった。その先の真相にはひたすらにロマンがあり、抗い難い好奇心に読む手が止まらなくなる。リアリティのある学者達の語り合いに、あり得たかもしれない歴史を感じて没入できて読後の余韻もよかった。話の舞台は2028年、あと6年で大手ファッション通販サイトを立ち上げ、木星まで飛んでいけるようになりたいです。
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40年前の作品だが、SF慣れしていなくても読みやすい。 やや冗長なところもあるが、研究者たちが遺体や遺留品から手がかりを一つひとつ探り、論を展開していくというストーリー自体はシンプルで、その描写にワクワクできた。
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月面で発見された死体。その真相は? 難しいかもと思いながらも、徐々に惹きこまれていきました。 架空の近未来。閉塞感がある今だからこそ、その世界にロマンを感じワクワクしました。
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SFと言えばこれ。 どんな内容なのか調べずに読んだ。 作者はかなり頭が良いのか 少し難しい。 だけど何となく理解できる。 月で発見された人間に似た生物の死体。 そこから地球外生命のことから 地球人の起源まで謎が解けていく。 どういう展開になるのか最後まで分からない。 色んな仮...
SFと言えばこれ。 どんな内容なのか調べずに読んだ。 作者はかなり頭が良いのか 少し難しい。 だけど何となく理解できる。 月で発見された人間に似た生物の死体。 そこから地球外生命のことから 地球人の起源まで謎が解けていく。 どういう展開になるのか最後まで分からない。 色んな仮説が出てくるけれど 「どゆこと??」 とわけが分からなくなる部分もある。 でも一緒に考えると楽しい。 全体的に淡々としていて 人間関係において 大きな裏切りとか対立とかなく 粛々と進んでいく感じ。 恐ろしいエイリアンも出てこないし 私は好き。 長年愛されるベストセラーなので ストーリーに魅力があるのかと思っていたけど 発想の方に惹かれる人が多かったのかな。 物語の登場人物は 科学者とか博士等 頭のいい人ばかりなので 何が謎なのかも分からない状態で ついていくのがいっぱいだった。 だけど最後の章で 「あ!そう言う事だったのか!!」 と一番気になっていた事が解明された。 やっぱり作者は頭がいい。 最後まで楽しませてもらった。
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不可解な謎を理詰めで解き明かすミステリー要素も兼ね備えたSF古典の大名作。 ハイテクの格調を高くする意図の描写は現代のテクノロジーに照らし合わせると、逆にアナログなローテクに感じる面は正直あるが、逆に古典として読むと味がある。
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数年前に百刷到達ということでも話題になった、創元SF文庫最大のベストセラーの名作。長年積読でしたが、年末年始の休みでようやく読むことができました。 月面で発見された、人間とは容貌の違う宇宙服をまとった死体。調査の結果、死体は5年前に死亡していたことが発覚し、地球の研究者たちは、...
数年前に百刷到達ということでも話題になった、創元SF文庫最大のベストセラーの名作。長年積読でしたが、年末年始の休みでようやく読むことができました。 月面で発見された、人間とは容貌の違う宇宙服をまとった死体。調査の結果、死体は5年前に死亡していたことが発覚し、地球の研究者たちは、この死体は何者なのか、なぜ月で死んでいたのか、様々な分野から検討していきます。 ネタとしてはたぶん古典的な部類に入ると思います。それでもその古典的な部分に対し、想像力と物理学や生物学、言語学などを駆使し、真っ向勝負で挑み物語を組み上げていく。その著者の姿勢、あるいはSFへの愛や敬意ともいうべきものに魅せられて、読み進めていったように思います。 『星を継ぐもの』は5万年のアリバイ崩しとも評され、ミステリとしての評価も高いのですが、それも納得。一つの謎をめぐっての考察に考察を重ね、その過程での新たな発見からさらに謎が深まり、それが明確で爽快な解決に帰結する。 普通のミステリと取り上げる謎やロジックは違えど、謎解きの過程と結末にあるものは、ミステリの魂が宿っているようにも思えます。 様々な専門分野の研究者が集めるため、謎解きに当たっては時に意見がぶつかり合い、反目し合う場面も出てきます。しかしその反目を宇宙の偉大さ、壮大さが飲み込み、研究者たちは真実にたどり着く。 真実にたどり着く過程、明かされる謎、力強いメッセージと感動……。古き良き、そして今も昔も変わらないSFの素晴らしさを再認識させてくれる作品でした。 第12回星雲賞 海外長編部門
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かなり惹き込まれる謎ではあるんだけど、頭がついていかなくて読むのが少し苦痛だった。 自分の楽しみ方が下手なんだと思う。
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近未来。月の洞窟で宇宙服を着た人間の死体が発見された。高度な科学技術を持つその異星人(?)〈ルナリアン〉が死んだのは推定五万年前。原子物理学者のハントは国連宇宙軍に引き抜かれルナリアンの身元調査に加わることとなったが、生物学者のダンチェッカーを始めとするさまざまな分野の研究者たち...
近未来。月の洞窟で宇宙服を着た人間の死体が発見された。高度な科学技術を持つその異星人(?)〈ルナリアン〉が死んだのは推定五万年前。原子物理学者のハントは国連宇宙軍に引き抜かれルナリアンの身元調査に加わることとなったが、生物学者のダンチェッカーを始めとするさまざまな分野の研究者たちがぶつかり合い、議論は紛糾しかけていた。人類は、月はどこから来たのか。壮大な謎を壮大なはったりで解くハードSF。 池澤春菜さんと日下三蔵さんがラジオで紹介していたのをきっかけに手に取った。その際はSFとミステリーの掛け合わせが気になったのだが、読むと「いやいやこれはそれ以上に〈ルナティックス案件〉じゃないか!」と別の方角に興奮。ルナティックス案件とは、月に関わるあらゆる事柄を網羅的に、そして魅惑的に語った松岡正剛の著作『ルナティックス』に取り上げられるべき案件ということである。 けれどその割に本書の名前を見た記憶がない。それで本書読後すぐ『ルナティックス』を読み返したのだが、やはり月SFに触れている箇所でもこの作品はでてこないようだ。「ハインラインやキャンベルが月を舞台に戦乱ものを書きすぎたのがよくなかった」とあり、『星を継ぐもの』も月で人種間抗争が起きたことを背景に持つので気に入らなかったのかも。千夜千冊でもホーガンは扱っていないようだ。 ところで『ルナティックス』は月の起源をめぐる諸説についても語っているのだが、「太陽系とは別の場所で月は生まれ、何らかの飛行を経て、地球の軌道にとらえられた"もらい子"である」という説から派生したものとして、「月が地球に接近した折に月の海の水が飛びだして地球にノアの洪水を起こした」(ホエルバイガー)とか「太古の月に知的生物がいて大戦争を起こし、その余波が地球の古代文明をつくった」(オカンポ)などの空想的な珍説を紹介している。 「太陽系とは別の場所で」というのは当て嵌まらないが、後者の二説は本書におけるガニメアンの〈方舟〉やホモ・サピエンス月起源説に近い。この『星に継ぐもの』は、マージョリー・ニコルソン『月世界への旅』にでてくるような古代から連綿と続く月への夢想を、70年代当時の科学知識を総動員して現代的なサイエンス・フィクションに仕上げたものと言っていいのだろう。私自身はSFに疎いけれど、解説の鏡明が「センス・オブ・ワンダーってやつだ!」と喜ぶのもわかる。すがすがしい気分で読み終えられる小説なのだ。 個人的に作中で一番ワクワクしたのはルナリアンの言語体系を突き止め、チャーリーの手記を解読するくだりだったが、言語学班に魅力的なキャラクターがいなかったのは寂しかった。好きなキャラクターはダンチェッカー博士。主人公ハントの論敵ながら、古代生物博物館と化したガニメデで大興奮している姿がかわいい。 ガニメアンとコリエルの謎を残したまま終わってしまったな……と思っていたら解説で続き物なのを知った。長いよ〜コリエルのことだけ教えてくれよ〜(笑)。
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SFは普段読まないが、最後に線が全て繋がりスッキリした。 中々重めの内容のため読むのに時間がかなりかかった。
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J.P.ホーガンが1977年に世に出したSFミステリーの傑作である。 月で見つかった5万年前に死んだとされる遺体、そして2500万年前にガニメデで眠りについた宇宙船、謎が謎を呼ぶ太陽系を舞台にした天才学者たちの謎解きミステリーだ。 解釈をめぐり学者たちが論戦を繰り広げる場面は圧巻...
J.P.ホーガンが1977年に世に出したSFミステリーの傑作である。 月で見つかった5万年前に死んだとされる遺体、そして2500万年前にガニメデで眠りについた宇宙船、謎が謎を呼ぶ太陽系を舞台にした天才学者たちの謎解きミステリーだ。 解釈をめぐり学者たちが論戦を繰り広げる場面は圧巻で、まるで会議に参加しているような迫力感がある。みな頭脳明晰であることからそれぞれの主張に説得力があり、読み進めるにつれ何が真実なのか、頭にどんどん靄がかかっていく。 その真実を知った時、読者の価値観は180度変わるだろう。本作は既存の人類学、天文学への挑戦である。 余談だが、今作の舞台は2020年代後半である。著者は執筆時から約50年後の未来を想定しながら書いたのであろうが、著者が想定していたよりも技術は進歩せず、木星どころか月旅行も果たせていない。しかし、数十年後著者が描いた未来が訪れるかもしれない。その時人類はどのような反応をするのか、私は楽しみで仕方がない。
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