星を継ぐもの の商品レビュー
1977年の作品だけれど古さは感じない。 もっとも登場人物が喫煙したり、女性の科学者が出てこないとかは時代を感じます。
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いまだに読み続けられている理由がわかる、知的好奇心の刺激されるSF作品でした。会話が長いとか、説明がやけにしつこいとかありますが、そこは説明する必要のあった時代性というか、それだけ進んでいた内容ということでしょうか。楽しめました。
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これがハードSFか!と思わせられた。派手なアクションが繰り広げられる訳でも、濃密なラブ・ロマンスが描かれる訳でもなく、ひたすらに謎に挑み続ける、つまりは延々設定や理論をこねくり回してる作品なのに、こうも面白くなるのか、と思った。 勿論、発表から45年を経ていることもあって、現...
これがハードSFか!と思わせられた。派手なアクションが繰り広げられる訳でも、濃密なラブ・ロマンスが描かれる訳でもなく、ひたすらに謎に挑み続ける、つまりは延々設定や理論をこねくり回してる作品なのに、こうも面白くなるのか、と思った。 勿論、発表から45年を経ていることもあって、現在ではレトロフューチャーとして受容されるようなガジェット(エアカーとか)は登場するし、期待と同時に恐怖をもたらす技術として、核エネルギーに大きな役割が負わされている点などには時代を感じる。けれど、全体として古臭さを感じる描写がさほど多くはないどころか、むしろ物語としての面白さは全く色褪せていない。 前述の通り、本作の面白さのキモは、提示した謎を論証していく過程そのものにあると思う。月面で発見された遺体に関して、多方面の研究者たちが様々なアプローチで調査を行い、その成果が惜しげもなく次々と読者に開陳されていく。ここで参照される専門知識が非常に多岐に渡る点に、まず驚かされた。しかも、ただそれらをひけらかすだけに終わらず、ある分野で検討が行き詰まると、別の分野がそれを打開する糸口となり、その発見が呼び水となって一気に研究が進む、といった具合に、それぞれが連関しつつ謎を追究していくのも素晴らしい。 さながらオチとつかみを同時に提示するように、一つ解を出す度に新たな疑問が呈される物語は、やがて遺体の謎を解明するのみならず、月や人類のルーツに新たな見解を突きつけるに至る。それまで(一見)堅実な科学的見地から推論を重ねておいて、一気に現実を土台から打ち崩すかのような跳躍は、非常に面白かった。長い追究の帰結として提示されるそれらの仮説すら、暫定的な確からしさに留まっている点もまた、科学的で良い。 余談になるが、たとえ立脚している科学的知識が否定されていたとしても、本作の魅力が損なわれることは全くないと思う。フィクションにおける科学考証は、リアリティを担保することが重要なのであり、その点本作の描写は申し分ないと思われるためである。そうした科学考証の「説得力」こそ、本作がハードSFとして高い完成度を誇る所以であり、まさにその不朽の説得力が、長年に渡って読み継がれてきた理由なのではないだろうか。
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内容は理解できるが、文章の書き方が少し難しいと感じた。あと、文字が小さい。 謎が少しずつ明らかになっていくのはスッキリするが、ドキドキワクワクすることはあまりなかった。 僕にはまだ早かったのかもしれない...
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月で見つかった死体の謎を解明するという、SFとミステリーが融合したような物語がとても面白かった。本の中で描かれている年代は2028年と、今からするとほんのちょっと先の未来でしかないことがまた面白い。少しずつ見つかる手がかりをなんとか意味のあるものにするためにいろいろとアイデアや派閥が生まれていく。でも、科学の知識もさほどない自分としては割と最初の方で、月の真実がわかってしまったので、読み進めてやっぱりな、と思った。理論や定理を知らない方が自由な発想ができるというのもまた面白いものである。
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ハント教授ではなくダンチェッカーが主役? SF要素が強すぎてなかなか読み進められなかった… カタカナいっぱい出てくるし… でも、ダンチェッカー教授の、地球人がルナリアンの先祖なんじゃなくて、ルナリアンが地球人の先祖説、すごく衝撃的だった ダンチェッカーはキャラ的にとても憎めない!(笑)
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1977年に刊行。 月面で発見された5万年前の人間の遺骸から人類における様々な謎が解き明かされていくSFの名作であり、残された痕跡をもとに研究者達が各々の仮説を立て、議論をし、真実に近づいていく様は、ミステリーを読んでいる時のように好奇心が刺激される。
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SF長編。 物語のクライマックスでのSF具合がたまらなく好きでした。 5万年前から4万年前にネアンダール人が滅び、ホモサピエンスが地球を支配する。 それがこの物語の中心となった、ルナリアンのこと。 人類史にも興味を沸かせてくれた一冊。 また、以前読んだ遺伝子関連の本のインプット...
SF長編。 物語のクライマックスでのSF具合がたまらなく好きでした。 5万年前から4万年前にネアンダール人が滅び、ホモサピエンスが地球を支配する。 それがこの物語の中心となった、ルナリアンのこと。 人類史にも興味を沸かせてくれた一冊。 また、以前読んだ遺伝子関連の本のインプット効果もあり、自然淘汰、生物の変異の展開もすんなりと入ってきた。 地球の隣にあったミネルヴァ、そしてその衛星であった月。そして、ミネルヴァが壊滅して月が太陽の引力に引き寄せられる過程で地球の衛星となる。 そして地球の引力も変わってきた。 人類科学、自然科学の基礎があると余計楽しめるな。 とはいえ、永遠のロングセラーといわれたこの本を読了できたことに達成感を覚えずにはいられない。
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素晴らしい読書体験だった。 初版1980年にもかかわらず、未だにSF最高傑作と呼ばれる理由がわかった。 壮大な謎に対して、一つ一つロジカルに解き明かしていくところが非常に面白かった。二人の天才が織りなす思考のせめぎ合いも見どころ充分。 映像化して欲しいと思いつつも、この世界観...
素晴らしい読書体験だった。 初版1980年にもかかわらず、未だにSF最高傑作と呼ばれる理由がわかった。 壮大な謎に対して、一つ一つロジカルに解き明かしていくところが非常に面白かった。二人の天才が織りなす思考のせめぎ合いも見どころ充分。 映像化して欲しいと思いつつも、この世界観や体験は本以外では味わえないんだろうなあ。自分の想像力が試される至高の一冊であった。
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5万年まえの死体(チャーリー)を月面で発見することから展開していくストーリ。 この死体は地球人なのか、それとも他の惑星の生命体なのか。進化の系統から地球人だという生物学者、いろいろな科学技術をもとにし、最後にわかる、チャーリーの出生と物語。 夢がある話で面白かった。
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