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「空気」の研究 の商品レビュー

3.8

158件のお客様レビュー

  1. 5つ

    34

  2. 4つ

    53

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    4

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2012/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昭和初期以前は「空気」に左右される人間は恥とされたのに、現在では空気が絶対的な権力を持っている。 空気とか見えないものに、名前つけたり読めたふりするから、おかしくなるねんな、と思うけど、存在を認めんわけにはいかんから、めんどくさい。 空気がないと生きていけんけど、それは空気に支配されてるってことで、人と関わる限り自由はないかも。 「空気を読む」「空気が読める」って寒い言葉。空気は自分やのに。「空気を読む、読める」自分で自分の体、ほめてるようなもの。 ただ、明日も俺は空気、読まなあかんのでしょう。

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2012/01/24

読了。すべてを理解したわけではありませんが、為になりました。その場の空気の力は、強力ですね。論理で抵抗してもどうしようもない場合もある。「水」をさし続けて、ダメならその場から逃れるのは1番よさそうです。決断できない、考えたくない、こういうことで変な空気が発生しそうです。難しいです...

読了。すべてを理解したわけではありませんが、為になりました。その場の空気の力は、強力ですね。論理で抵抗してもどうしようもない場合もある。「水」をさし続けて、ダメならその場から逃れるのは1番よさそうです。決断できない、考えたくない、こういうことで変な空気が発生しそうです。難しいですが、みんなが様々な意見を出せる雰囲気を作れば、変わっていくと思います。

Posted byブクログ

2012/01/03

空気を読む、という単語は最近のものかと思っていたが、非常に昔から日本では使われていたらしい。 戦時中の戦略/戦術の決定、実行にもこの言葉が現れていて驚き。 知人の紹介で、積んでた本を読了

Posted byブクログ

2012/05/24

山本七平『「空気」の研究』は東浩紀『一般意志2.0』と表裏一体。山本の「だから日本人はダメ」というロジックが反転して「だから日本の民主主義は一発逆転世界最先端になれる」と。ITによる「空気の可視化」によって。 原発についてどんな立場を取るにしても山本七平の「空気」論は知っておか...

山本七平『「空気」の研究』は東浩紀『一般意志2.0』と表裏一体。山本の「だから日本人はダメ」というロジックが反転して「だから日本の民主主義は一発逆転世界最先端になれる」と。ITによる「空気の可視化」によって。 原発についてどんな立場を取るにしても山本七平の「空気」論は知っておかねば。賛成反対関係なく、日本人が陥りがちな「空気の支配」について考えておく必要があると思う。 対象を相対化しなければ空気に支配される。対象を絶対化すると、問題を解決できなくなる。「原発」を臨在的に把握し、絶対化したら、「原発問題」は解決不可能になってしまう(という文章の意味がわからないのであれば、本書を読む価値はあるだろう)。ちなみに本書にも原発に関する記述があるがその内容や「立場」はこの本の内容全体に関係ないので、その一点にこだわってはいけないと思う(そのような読み方こそが本書で批判されている)。 「天皇制」とは「偶像的対象への臨在的把握に基づく感情移入によって生ずる空気的支配体制」である。 「空気」に「水=通常性」を差すことで現実を直視することができる。しかし、一君万民の平等主義と情況倫理の下では、「水」が情況を作り出し、情況を絶対化し、情況を臨在的に把握することしかできぬようにさせるのである。つまり「空気」と「水」の相互作用によって我々は雁字搦めにされてしまうのである。 「空気」に支配されないためには第一に対象の相対化(ローティ的アイロニズム)。第二に状況倫理から固定倫理への移行。それらの前提としての「自由」と「個人」の概念。 →日本人の組織マネジメントにおいて気をつけたい。 日本人向けの文章では相対的(両論併記的というか)な原論を心がけたい。さもなくば臨在的把握による空気の創出に陥ってしまいかねない。言い換えると日本人はアジられたがっているので、極力「アジ的に読みうる文章」にならないよう細心の注意を要する。 「空気」に支配されて非合理的な「父と子の隠し合い」(事実隠蔽)が起こってしまうのが日本なんだなあ。そこに「既得権の死守」という「合理性」があれば(ある意味では)まだマシなのかもしれない。「合理的」行動ならその非合理性を指摘するという議論ができるのだから。

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2011/12/19

事例はイタイイタイ病等社会的なものが多く挙げられているが、私の日常生活で経験する事例を思い浮かべてみると、思い当たる節が多かった。

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2011/12/15

日本の空気という海外では理解されていないものに関して事例を挙げて説明している本です。アミニズムって日本独特のものなのかい?

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2011/11/30

良書。場を支配する空気がどのように醸成されるかについての研究。前半の空気の研究は読みやすいが、後半の水の研究は難解。後でもう一度読む。

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2011/11/29

空気と水の関係の、妙。 例えは易しくわかりやすいのに、書いてあることは難しい。 深く読みたくなる。 空気に支配される、という感覚、よくわかる。 鎖国できちゃう国だもの。 水を挿す、という言葉は、かなり的を射てるんだな。 ジュッとなった時の反応、段々下手になってきているよ。 大...

空気と水の関係の、妙。 例えは易しくわかりやすいのに、書いてあることは難しい。 深く読みたくなる。 空気に支配される、という感覚、よくわかる。 鎖国できちゃう国だもの。 水を挿す、という言葉は、かなり的を射てるんだな。 ジュッとなった時の反応、段々下手になってきているよ。 大丈夫か? 借りて読んだけれど、再読・再再読したくなりそうなので、購入しようかな。

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2011/11/06

江戸、明治時代には「その場の空気に左右される」ことを「恥」と考える文化があったのに、いつの間にかそれが絶対権威化して太平洋戦争に突入していったように、現在でも事の大小に関わらず至る場面で我々の判断を狂わせるのはなぜか。この空気の正体は何か?に迫っている。 この「空気」を一言で言...

江戸、明治時代には「その場の空気に左右される」ことを「恥」と考える文化があったのに、いつの間にかそれが絶対権威化して太平洋戦争に突入していったように、現在でも事の大小に関わらず至る場面で我々の判断を狂わせるのはなぜか。この空気の正体は何か?に迫っている。 この「空気」を一言で言えば、「臨在感的把握の絶対化」ということになる。ものに感情移入させ、それを絶対化することで人の行動を支配する。つまり物神化または偶像支配である。「空気」に相当する概念は日本以外の例えば欧米にないかというと、そんなことはないが、それが絶対化することはない。「聖書とアリストテレスで一千年鍛錬するとアングロ・サクソン型民族ができるといわれるが、その最も大きな特徴は、体質ともいえるその相対的把握であろう。」(P.79)「空気」はラテン語のアニマに相当すると考えればよく、アニミズム(物神主義)社会特有の行動様式なのではというのが同氏の主張である。一神教の世界では神以外は徹底的に相対化される。これに対してアニミズムの世界では絶対化される対象が無数にあり、時間の経過と共に移り変わっていく。例えば、ある時期は「成長」が絶対化され、次は「公害」が絶対化され、次は「資源」だ。端からは「おっちょこちょい」に見えるが、このような「熱しやすく冷めやすい」やり方は短期決戦連続型にはうまくいく。しかし、長期持久・長期的維持には向かない。昨今、「サステイナブルな○○」というお題をよく目にするが、これらを実現するには、本当にドラスティックな考えの切り替えが必要なのではないだろうか。 醸成された「空気」に対して、現実を提示することで「水」を差すうまいやりかたは、結局よくわからない。

Posted byブクログ

2011/10/24

「空気」の奥深さというか底知れぬ深淵の片鱗を見せてくれた本。偶像崇拝など西欧との考え方との比較も非常に得心が。この国で生きる以上、この国に住む魔物は知ることで、ある程度の不条理も条理として納得できるのかもしれません。

Posted byブクログ