失敗の本質 の商品レビュー
お馴染みといえばお馴染み、ガダルカナルの逐次投入とかインパールの無能ぶりばかりが取り沙汰され、2章3章の大事なところはあまり取り上げられないちょっと可哀想な本。 結局組織内の融和ばかりが取り沙汰された事がいちばんの原因と言うのが結論なのに、各論ばかりに終始する読者はまさに本著の小...
お馴染みといえばお馴染み、ガダルカナルの逐次投入とかインパールの無能ぶりばかりが取り沙汰され、2章3章の大事なところはあまり取り上げられないちょっと可哀想な本。 結局組織内の融和ばかりが取り沙汰された事がいちばんの原因と言うのが結論なのに、各論ばかりに終始する読者はまさに本著の小さな登場人物ではないだろうか。
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日本とアメリカの決定的な違いは、情報を大切にしたのかどうか。あと、組織で目的と目標が明確であったか。また、組織が今までの前提を疑う姿勢や意見を言い合う文化あったかどうか。こういう点で完全にアメリカに劣っていた。
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基本的には前半と後半に分かれており、前半は過去の歴史の詳細描写、後半はそれを踏まえた分析といった流れ。 いわゆるビジネス書的な部分は後半なので、そういう部分が目的の人は後半を主体に読むのが良いかと思います。 今も変わらず続いている「本質」もあるなぁと… 古典的な書籍ですが今か...
基本的には前半と後半に分かれており、前半は過去の歴史の詳細描写、後半はそれを踏まえた分析といった流れ。 いわゆるビジネス書的な部分は後半なので、そういう部分が目的の人は後半を主体に読むのが良いかと思います。 今も変わらず続いている「本質」もあるなぁと… 古典的な書籍ですが今から見ると慧眼的でもあり、やはりすごい本なのだなと感じながら読み終えていました。
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2024.01.30 資格試験がひと段落した年末に、積読したままであった本書を手に取った。2024年最初の本。気付くと、2024年も1/12が終わろうとしている。 本書の感想 太平洋戦争でなぜ日本軍が敗北したのか、具体の戦いの実際を分析しながら明らかにする構成。 1章の事例研...
2024.01.30 資格試験がひと段落した年末に、積読したままであった本書を手に取った。2024年最初の本。気付くと、2024年も1/12が終わろうとしている。 本書の感想 太平洋戦争でなぜ日本軍が敗北したのか、具体の戦いの実際を分析しながら明らかにする構成。 1章の事例研究は、有名な戦いの日本軍の動きや各将官の想いなどまで詳細に記述されていて、成り行きがとても分かりやすかった。ガダルカナルやインパールなど名前では知っていたけれど、実際にそれらが地理上でどこにあるかなど改めて知る機会となって勉強になった。戦争のことは生まれてこの方さまざまな機会で勉強することが多かったものの、30年生きてても全然分かってなかったなと思った。 そして、当然当時の日本軍は本当に酷い組織であると知るのだった。 一方で、今から80年前に、当時の技術の結晶でこんな闘いをしていたなんて、言葉では言い表せない感情を抱く。情報のない中で、戦場に送り出された一兵卒は一体どんな気持ちだったのだろう。 日本軍の戦争目的がそもそも曖昧であったこと、短期決戦主義、米軍の演繹に対して日本は一つの成功事例から帰納的に戦略を作ったこと=非科学的なこと、作戦パターンの少なさ、失敗から学ばない組織=アンラーニングできない組織、陸の白兵銃剣主義、海の艦隊決戦主義、巨艦大砲主義、精神主義、技術力の不足、属人的な組織、平時の年功序列がそのまま戦時も維持されたことによる才能抜擢機会のなさ、などなど、、日本軍の失敗の本質が炙り出される2章と3章は圧巻である。 ハッとしたのは以下の言葉。 「適応は適応能力を締め出す」 「組織は進化するために、それ自体を絶えず不均衡状態にしておかなければならない」 ただ安定している組織は、環境変化に耐えられない。
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・大東亜戦争を題材にして、日本が失敗した原因を検討している本です。 ・声の大きい人の意見が通る、人情論が強く戦略性に乏しい、攻撃目的が曖昧、「察する」ことを基盤とした意思疎通など「現代もその風潮が残っていません?」ということも書かれており、今の時代でも役立つ本だと思いました。 ...
・大東亜戦争を題材にして、日本が失敗した原因を検討している本です。 ・声の大きい人の意見が通る、人情論が強く戦略性に乏しい、攻撃目的が曖昧、「察する」ことを基盤とした意思疎通など「現代もその風潮が残っていません?」ということも書かれており、今の時代でも役立つ本だと思いました。
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2024年1月14日読了。大東亜戦争における日本軍の特徴的な6つの敗戦をケースにとり、日本軍がどのような失敗を犯し、それがどのような組織風土・文化からくるものなのか分析した古典的名著。1984年刊だが今日でもたびたび話題になる本、「なかんずく」とか言葉遣いは古く文章も重厚だが内容...
2024年1月14日読了。大東亜戦争における日本軍の特徴的な6つの敗戦をケースにとり、日本軍がどのような失敗を犯し、それがどのような組織風土・文化からくるものなのか分析した古典的名著。1984年刊だが今日でもたびたび話題になる本、「なかんずく」とか言葉遣いは古く文章も重厚だが内容が面白いのであっという間に読めた。そもそもの物資・国力の日米の差異が敗戦の主因であるのは確かなのだが、日本軍の「過度の楽観主義・精神主義」「人間関係・情緒が規則を上回る」「情報通信・補給の軽視」「状況変化に弱い」などなど本書で書かれる特質は、日本に生きる自分が所属してきた様々な組織においても顕著な特質であり、全く他人事・過去の一時点の出来事のようには思えない…。上記に加え、「現場からのフィードバックが上部に伝わらない」点は米国の機動的・合理的な組織運営に比較して、これこそが「失敗の本質」なのではないか、と感じるところ大。自分の所属してきた米国企業では「フィードバックが命」として、アンケートとか現場からのフィードバックをひたすら求めていたもんなあ…。戦争だから勝敗があるが、企業の場合はこれらの特質をもった企業であってもだらだらと生き続けられる、と考えると、この国の将来が心配でならない。
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第二次世界大戦の失敗から、組織のダメなところを論理的に説明してくれている名著でした。上官の言うことは絶対だと映画や本で目にするが、どうして逆らえない雰囲気になったのかを細かく分析してくれています。また、日本の敗戦を決定づけた6つの作戦それぞれを紐解き、失敗の共通項などを示してくれ...
第二次世界大戦の失敗から、組織のダメなところを論理的に説明してくれている名著でした。上官の言うことは絶対だと映画や本で目にするが、どうして逆らえない雰囲気になったのかを細かく分析してくれています。また、日本の敗戦を決定づけた6つの作戦それぞれを紐解き、失敗の共通項などを示してくれています。歴史と失敗、両方で深い学びが得られる一冊でお薦めです。ただ、内容が難しく、心が沈む内容も含まれているので元気な時に読んでください。
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当時の日本の陸軍や空軍はエリート集団だったはずだが、だからこそ官僚組織の悪い部分が醸成されてきたのだろう。 そしてそれが様々な決定をする局面で、戦略やデータより、精神論や面子、感情が優先されてしまった。 西南戦争でもあれほど精神より戦略や技術、装備が勝ることが実証されているはずな...
当時の日本の陸軍や空軍はエリート集団だったはずだが、だからこそ官僚組織の悪い部分が醸成されてきたのだろう。 そしてそれが様々な決定をする局面で、戦略やデータより、精神論や面子、感情が優先されてしまった。 西南戦争でもあれほど精神より戦略や技術、装備が勝ることが実証されているはずなのに、日露戦争で無謀な肉弾戦を続けた乃木希典が神格化されたように、大和魂という言葉が心の拠り所になってしまうのは、今も変わらない。 軍隊だけでなく、日本の組織の現在の問題点がここにある。
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戦争の凄惨さや情景が頭に浮かんでしまって苦しかった。日本軍の妄信的なところは他の国からすると信じられない程の脅威だったのだろうけれど、それが弱みでもあったんだなあ。 組織として情報収集、上下・横のコミュニケーションは必要な要素で、それは自分が所属する組織でも感じるところ。私達は命...
戦争の凄惨さや情景が頭に浮かんでしまって苦しかった。日本軍の妄信的なところは他の国からすると信じられない程の脅威だったのだろうけれど、それが弱みでもあったんだなあ。 組織として情報収集、上下・横のコミュニケーションは必要な要素で、それは自分が所属する組織でも感じるところ。私達は命がかかっていなくとも何かをやり遂げることをさぼるけれど、戦場にいる人達は死地に向かうと解っていても向かうしかなかった。この遂行する力もとっても大切だと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ノモンハン事件から沖縄戦までの6つの戦いを検討し、共通する失敗要因を析出し、その原因を分析する。 「日本軍の失敗の過程は、主観と独善から希望的観測に依存する戦略目的が戦争の現実と合理的論理によって漸次破壊されてきたプロセスであったということができる。」(274頁) 「組織学習には、組織の行為と成果の間にギャップがあった場合には、既存の知識を疑い、新たな知識を獲得する側面がある......その場合の基本は、組織として既存の知識を捨てる学習棄却......つまり自己否定的学習ができるかどうかということなのである。」(369頁) 「日本軍の最大の失敗の本質は、特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎて学習棄却ができず自己革新能力を失ってしまった、ということであった。」(395頁)
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