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失敗の本質 の商品レビュー

4.2

609件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2009/10/04

大東亜戦争時の日本軍の重ねてきた失敗を社会学的(組織論的)に分析した研究書. 本書で扱われている6つのケースは,いずれも日本の敗北に関係の深い事件であり,失敗に至るまでのプロセスを組織という観点から分析している.組織的な調整の失敗を重ね,本土決戦と敗北に追い込まれていく経緯は興味...

大東亜戦争時の日本軍の重ねてきた失敗を社会学的(組織論的)に分析した研究書. 本書で扱われている6つのケースは,いずれも日本の敗北に関係の深い事件であり,失敗に至るまでのプロセスを組織という観点から分析している.組織的な調整の失敗を重ね,本土決戦と敗北に追い込まれていく経緯は興味深く,心に残るものである. 分析自体は現代的に見れば,いわゆるコンティンジェンシー理論の枠組みに基づいた分析に終始しており,新しさは多くは無い.しかし,個人的にはただ1点,陸・海・空軍という極端に分化した組織を統合するメカニズムが日本軍には欠けていたという彼らの主張は,今後の組織論研究を考える上で再検討したい点だった.

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2009/10/04

随分前に買った本に再度目を通しました。 本書で考察されている失敗の理由は理解できますが、成功を積み上げてきた先輩日本人の皆様の考え方を変えることは、容易ではないですね。

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2009/10/04

大東亜戦争における日本軍の失敗を、今日の組織一般にとっての教訓として生かし、戦史上の失敗の現代的意義を探ろうとする組織論・意思決定論の名著。 戦争本というよりは、経営・ビジネス本といえる内容。 前半では、ノモンハン・ミッドウェー・ガダルカナル・インパール・レイテ・沖縄戦を個...

大東亜戦争における日本軍の失敗を、今日の組織一般にとっての教訓として生かし、戦史上の失敗の現代的意義を探ろうとする組織論・意思決定論の名著。 戦争本というよりは、経営・ビジネス本といえる内容。 前半では、ノモンハン・ミッドウェー・ガダルカナル・インパール・レイテ・沖縄戦を個別に分析し、 後半では、その6つに共通する失敗の要因を組織論的アプローチで考察する。 現代の企業も旧日本軍も、失敗する組織は驚くほどに共通している。 【戦略上の失敗要因分析】 ・あいまいな戦略目的 ・短期決戦の戦略志向(長期的視野の欠如) ・主観的で帰納的な戦略策定(空気の支配) ・狭くて進化のない戦略オプション(統合戦略の欠如) ・アンバランスな戦闘技術体系(一点豪華主義) 【組織上の失敗要因分析】 ・人的ネットワーク偏重の組織構造(集団主義。根回しと腹のすり合わせによる意思決定) ・属人的な組織の統合(システムによる統合の欠如) ・学習を軽視した組織(情報共有システムの欠如) ・結果ではなくプロセスや動機を重視した評価(個人責任の不明確化)

Posted byブクログ

2010/03/08

日本人が作り上げた最も巨大な近代的組織、旧日本軍。彼らが大東亜戦争で犯した六つの失敗の例から、日本的な組織の持つ特徴、欠陥の本質を(主に米軍と比較して)研究している。 刊行されたのは20年以上も前だが、日本人の失敗の本質は、戦前も、20年前も、そして今も変化していない(進歩してい...

日本人が作り上げた最も巨大な近代的組織、旧日本軍。彼らが大東亜戦争で犯した六つの失敗の例から、日本的な組織の持つ特徴、欠陥の本質を(主に米軍と比較して)研究している。 刊行されたのは20年以上も前だが、日本人の失敗の本質は、戦前も、20年前も、そして今も変化していない(進歩していない)ことがわかる。 「成長期にはうまくいっていたやりかたは、衰退期には通用しなくなる」という点は、塩野七生も「ローマ人の物語」のなかであげていて、個人的に印象深かった。

Posted byブクログ

2009/10/04

第2次世界大戦で日本は何故負けたのか?当時の日本軍の組織体系を探究しながら、その失敗の本質に迫る。ここでつまびらかにされる組織論は、現代の経営者が考えなければならない課題を多く示した古典的名著。

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2009/10/04

日本軍はなぜ戦争に負けたか、を組織論的な面から再考している。読んでいると、これはうちの会社でも当てはまるなぁ、といったことが多く出てきて、非常に面白く、また、ためになる。以下、読んでいて自分が特に気になった点を備忘として列挙する。 【日本軍が負けた要因】 情報収集・管理の不足・不...

日本軍はなぜ戦争に負けたか、を組織論的な面から再考している。読んでいると、これはうちの会社でも当てはまるなぁ、といったことが多く出てきて、非常に面白く、また、ためになる。以下、読んでいて自分が特に気になった点を備忘として列挙する。 【日本軍が負けた要因】 情報収集・管理の不足・不備/ 目的のあいまいさ/ 第一線の技量による戦果と上層の意思決定の乖離/ 日本的「人情論」、組織内融和の優先/ 上級統帥と実働部隊の不和、独断/ 作戦の短期志向/ 戦略「指針」が硬直化し、「聖典」となり、状況に応じた戦略の進化を妨げた/ 兵器の生産を「標準化」せず、少種多量生産を行い、量産ができなかった/ 誰にでも操作できる兵器ではなく、名人芸を要求する兵器を作った/ 人員を活性化させるシステムの欠如 【敗戦から学ぶこと】 行動を起こすのは組織ではなく、個人間の相互作用によって組織を行動させる/ 組織は環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革しなければならない/ 組織の文化はリーダーの成功体験の蓄積によって成る/ 学習は組織がするのではなく、個人個人の学習が共有・評価・統合されることで組織として学習する/ 新しい知識を得るには、既存の学習を棄却する必要がある

Posted byブクログ

2009/10/04

これは名著です。組織に属している人は必読の書です。この本ではなぜ失敗したのかという事に焦点を当てて分析しているので、この本を読むことで同じような轍を踏まないように勉強できます。多分(笑)。ということでビジネスカテゴリー。

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2009/10/07

考えように由っては、日本の軍隊は、先の大戦で敗れるまでは幸福な軍隊であったと言える。幸福な組織が永続することは在り得ない。最初にダイヤモンド社から出版されただけあって、この本を読んで、現代日本の組織について想いを馳せるのは当然か。

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2009/10/04

大東亜戦争で日本軍が負けた原因を科学的に考察している本なんですが、 題材が1939〜45年、本が書かれたのが1984年なんですが、内容は現代に当てはめても かなり勉強になります。よろしければ、読んでみてください。 その中で、面白い一節がありました。 過度の精神主義に頼ったことが...

大東亜戦争で日本軍が負けた原因を科学的に考察している本なんですが、 題材が1939〜45年、本が書かれたのが1984年なんですが、内容は現代に当てはめても かなり勉強になります。よろしければ、読んでみてください。 その中で、面白い一節がありました。 過度の精神主義に頼ったことが、敗因の一つとして挙げられてますが、それを象徴する一言 「百発百中の砲一門、よく百発一中の砲百門を制す」(by東郷平八郎) よく、「柔よく剛を制す」なんて言葉は耳にしますが、↑読んで思わず吹き出してしまいました。 確率で考えると、 百発百中の日本軍 1 VS 百発一中の米軍 100 門がいっせいに砲撃すると、 日本軍は米軍を一門しとめます、米軍が日本軍の一門をしとめる確率は、     1/100         ×     (100/100)^99          ×100 (ある一門が命中する確率) (他は当たろうが外れようがどうでもいい) (100門あるから) となって、日本の一門がやられてゲームオーバーになるわけです。 もし、東郷君がおっしゃられるような事象が起こるためには、 1回目・・・米軍の砲100門全外し=(99/100)^100 2回目・・・米軍の砲99門全外し=(99/100)^99  ・  ・   ・ 100回目・・・米軍の砲1門外れ=(99/100)^1 これを全部掛け合わせた数字ですから、 =(99/100)^{(1+100)×100/2} =(99/100)^ 5050 PCが故障して、EXCEL使えないんで、計算できませんが、天文学的な数字ですね。 いやはや・・・。

Posted byブクログ