峠 改版(上) の商品レビュー
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幕末、越後長岡藩家老 河井継之助の物語。 越後の弱小長岡藩がガトリング砲を装備して官軍を迎え撃つ、歴史に埋もれた明治維新。河井継之助程の男をなぜ薩軍は殺したのか、西郷隆盛がその場にいたら歴史は変わっていたかもしれない。
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高校時代に読んだ本だが読み返してみてる。 上巻は書生(といっても結構な年だが)時代。 改めて読むと気に入った本を繰り返し熟読する勉強の姿勢、 家柄も低く何の根拠もないが将来は家老になって 藩を背負って立つと言うつもりでその立場からものを 見ようとする姿勢、陽明学者らしい思い立ったら即行動の行動力、 いろいろと考えさせられるところがある。 先生が推薦していた理由はこの辺にあるのかなと根拠はないが、 思ったりする。 中巻以降は家老になっての活躍も出てくるから ファイナンス的な学びもあるか? なにはともあれ、読み返しても面白い本ではある。
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陽明学を志す河井継之助の物語。継之助の言葉をとおして司馬遼太郎の陽明学をどのように見ているかがわかる。「陽明学とは、人を狂人にする。つねに人を行動へと駆りたてている。この思想にあっては、つねに自分の主題を燃やしつづけていなければならない。この人間の世で、自分のいのちをどう使用するか、それを考えるのが陽明学的思考法であり、考えにたどりつけばそれをつねに燃やしつづけ、つねに行動し、世の危難をみれば断乎として行動しなければならぬという、つねに激しい電磁性を帯びたおそるべき思想であった」「おれは知識を掻き集めておらん、せっせと読んで記憶したところでなんになる。知識がいくらあっても時勢を救済し歴史をたちなおせることはできない、おれは知識という石ころを心の炎でもって溶かしているのだ」
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長岡藩、河井継之助を世に知らしめた名作。 ものすごい美意識で武士道を示され、強烈な印象が残ります。 小千谷談判で山縣か黒田との会談が実現していれば、違う意味でも名を残せた人だったのではと思わすにはいられません。違った歴史を見てみたかった。
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【42/150】1冊目はほとんど展開がない奇妙な小説。著者も自ら書いてあったが、その後につづく布石ばかりの内容がつづく上巻であった。中巻、下巻にはどうなるのやら。
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主人公はたぶんB型だな~度:★★★★★ 日本人の気高さを感じるね度:★★★★★ 何でそこで愚直になるの?度:★★★★★ (上)(中)(下)巻があります 江戸時代→明治時代への変遷期の、越後は長岡藩士の物語。 この時代にこんなやつ居んだ!って楽しくなりました。
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徳川譜代である長岡藩士の河井継之助。幕末の志士や新撰組等からは距離を置きつつ、ただ幕府が滅びることを予期している。この巻ではまだ時代の風雲には乗らず、江戸の吉原から京での女の遍歴を経て備中松山の山田方谷のもとに遊学へ。学問から知識を得るより、行動する学問を必要とする考えを持ち、時...
徳川譜代である長岡藩士の河井継之助。幕末の志士や新撰組等からは距離を置きつつ、ただ幕府が滅びることを予期している。この巻ではまだ時代の風雲には乗らず、江戸の吉原から京での女の遍歴を経て備中松山の山田方谷のもとに遊学へ。学問から知識を得るより、行動する学問を必要とする考えを持ち、時勢を見極める力を持っているが、藩政を守り抜く姿勢を見せる。また違った幕末の世界を楽しめそうだ
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幕末の越後長岡藩執政、河井継之助の生涯を描いた歴史小説。なにしろ幕末には英雄・豪傑が多いので、地元ではともかく全国的にはそれほど知名度がない河井継之助だが、なかなかユニークな人物だったようだ。そんな人物を発掘してきて、ここまで面白い読み物に仕立て上げる司馬遼太郎の眼力と筆力には感...
幕末の越後長岡藩執政、河井継之助の生涯を描いた歴史小説。なにしろ幕末には英雄・豪傑が多いので、地元ではともかく全国的にはそれほど知名度がない河井継之助だが、なかなかユニークな人物だったようだ。そんな人物を発掘してきて、ここまで面白い読み物に仕立て上げる司馬遼太郎の眼力と筆力には感服する。 史料や史実を踏まえながらも、人物描写がとても活き活きとしていて、かなり書き込んでいる。実際の河井継之助がどういう人物だったのかは知るすべもないが、読者にはまさにここに描かれているような人物が実在していたかのような錯覚を覚えさせる。多分この辺が歴史小説の醍醐味なんだろうと思う。 実はこの作品を読むのは、数回目くらいになる。数年ごとに読みたくなる深く印象に残る作品だ。こういうのを愛読書というんだろう。読む側も年月を経るうちに様々な経験を積み、読み方も受取り方も変わってくるものだが、この作品は毎回いろんな示唆を与えてくれる。 http://fionfion.seesaa.net/article/185510123.html
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長岡藩、河井継之助の一生を描いた傑作。 彼の開明的な発想と義を貫く心。戊辰での敗者の側にも傑出人物がいた、という事実。 特に彼の行動力、実行力は、現代でも学ぶべきところが多い。
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ラストサムライという単語から連想するのは、なんといっても河井継之助である。彼は、己の理想に対して真正面から立ち向かい、最後まで逃げなかった。合理・開明的で、彼一流の人事を尽くし、果てるまで幕末を駆け抜けた人であった。 しかし、あるいは、理想との心中を強要した身勝手な男にすぎなか...
ラストサムライという単語から連想するのは、なんといっても河井継之助である。彼は、己の理想に対して真正面から立ち向かい、最後まで逃げなかった。合理・開明的で、彼一流の人事を尽くし、果てるまで幕末を駆け抜けた人であった。 しかし、あるいは、理想との心中を強要した身勝手な男にすぎなかったのかもしれない。 どちらの継之助が真実なのか、どちらも正しいといえるのか、またはどちらも正しくはないのか。 継之助によく似た男がさっきそこの峠をあるいていたので、追いかけてひとつ話をきいてみるのはいかがでしょうか。
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