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峠 改版(上) の商品レビュー

4.2

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    56

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

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以前は分厚い上下2巻…

以前は分厚い上下2巻でしたが、手頃な上中下3巻になりました。主人公は河井継之助ですが、著者は別の短編「英雄児」でも彼を取り上げています。

文庫OFF

2024/08/27

映画になったと聞き、本棚で積読していた本を引っ張り出して拝読。 上巻の終盤になって著者から「ここからが本番である」と明言される節があるのだが、記載の通り前半は、激動の時代の中にあって淡々とした日時が流れているように思える。主人公はただの風俗好きなオッサンであるが、その中で思考や弁...

映画になったと聞き、本棚で積読していた本を引っ張り出して拝読。 上巻の終盤になって著者から「ここからが本番である」と明言される節があるのだが、記載の通り前半は、激動の時代の中にあって淡々とした日時が流れているように思える。主人公はただの風俗好きなオッサンであるが、その中で思考や弁論において輝く才能の片鱗を見せる。ここからどうなるのかを楽しみに読み進めようと思う。

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2024/01/21

激動の幕末を迎える直前に、誰よりその流れを感じていた継之助の人となりがじっくりと描かれた上巻。おそらく一時的であることを分かりながら、夫との何気ないひと時を喜ぶ妻、すがの素直な気持ちが印象的。

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2024/01/08

ストーリーとしておもしろいし、対局を見たうえでの組織における動き方や駆け引き、自分の意志の貫き通すための心構えなど様々な部分で勉強になる本だど思います。 また何気ない事象に対する洞察は、頭の良い人のクセのようなものだと思いますが、それが随所に描かれているのもおもしろさの1つだと思...

ストーリーとしておもしろいし、対局を見たうえでの組織における動き方や駆け引き、自分の意志の貫き通すための心構えなど様々な部分で勉強になる本だど思います。 また何気ない事象に対する洞察は、頭の良い人のクセのようなものだと思いますが、それが随所に描かれているのもおもしろさの1つだと思います。

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2023/10/01

 ――考えてもみよ。  と、継之助はおもう。いまこの大変動期にあたり、人間なる者がことごとく薩長の勝利者におもねり、打算に走り、あらそって新時代の側につき、旧恩をわすれ、男子の道をわすれ、言うべきことを言わなかったならば、後世はどうなるのであろう。 2021/1/16読了 維新...

 ――考えてもみよ。  と、継之助はおもう。いまこの大変動期にあたり、人間なる者がことごとく薩長の勝利者におもねり、打算に走り、あらそって新時代の側につき、旧恩をわすれ、男子の道をわすれ、言うべきことを言わなかったならば、後世はどうなるのであろう。 2021/1/16読了 維新の敗者側の、しかも小藩の執政で戊辰戦争の局所戦に散った河井継之助だが、しかし司馬遼太郎という屈指の歴史小説家に見出されたお陰で、百数十年の後世の我々が、その名を記憶に留める事が出来るのである。

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2023/07/16

新潟・長岡出張を契機に20年ぶりくらいに再読。上巻は家老に抜擢された河井継之助が若い藩主を擁して上洛するまでの677頁。圧倒的な刺激とおもしろさで、時が経つのを忘れるくらいなのだが、初読時から年齢を重ねたが故の“違和感”も覚えた。この点については下巻を読み終えたあとに報告すること...

新潟・長岡出張を契機に20年ぶりくらいに再読。上巻は家老に抜擢された河井継之助が若い藩主を擁して上洛するまでの677頁。圧倒的な刺激とおもしろさで、時が経つのを忘れるくらいなのだが、初読時から年齢を重ねたが故の“違和感”も覚えた。この点については下巻を読み終えたあとに報告することにしよう。

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2023/03/02

人物描写に司馬遼太郎さんの愛を感じます。日本人は何て面白い人種なのでしょうか。身分の違いはあっても、一人一人が、各々の立場で、生真面目に生きている暮らしが、いとおしいです。

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2023/01/03

▼「峠」(上中下全三巻)、司馬遼太郎。初出1966-1968、新潮文庫。幕末に越後長岡藩の家老として官軍相手に「北越戦争」を演じた河合継之助の話。個人的には数十年ぶりの再読。 ▼司馬遼太郎さんの文章は多岐に渡って今でも商品化されていて。代表的な長編小説から短編小説集、いわゆるエ...

▼「峠」(上中下全三巻)、司馬遼太郎。初出1966-1968、新潮文庫。幕末に越後長岡藩の家老として官軍相手に「北越戦争」を演じた河合継之助の話。個人的には数十年ぶりの再読。 ▼司馬遼太郎さんの文章は多岐に渡って今でも商品化されていて。代表的な長編小説から短編小説集、いわゆるエッセイから、「歴史地理コンセプトエッセイ」的なもの、それから対談集に講演集…。全部は読めていませんし、再読も楽しい。司馬遼太郎さんの文章を読む、というのは最早個人的にはライフワーク…いや、というか生活習慣になっています(笑)。 ▼何かのエッセイ的なものを読んでいて、司馬さんが自作を語る中で「”峠”はけっこう自信作だし好き」みたいなことを書いていたんです。そして電子書籍でセールのときに買っていて読んでいなかった。ので、手に取りました(電子だけど)。 ▼発売当初、物凄いベストセラーになったそうですね。面白いですから。なんだけど、幕末に活躍したとはいえローカルな主人公だし、そんなに華々しい活躍無く敗北死してしまう。主人公は割と地味ですね。(竜馬とか西郷とか晋作とかに比すれば) ▼ちょこっと「胡蝶の夢」とか「花神」とかにも似ています。個人的にはどちらも凄く好きな作品。何が似ているかというと主人公が「自分探し的なさまよい方」をしている時間帯が長いこと。河合継之助さんが、言って見れば歴史の現場に躍り出てくるのは、確か中巻の後半からだったような(いや、下巻からだったかも)。それに、河合継之助がじゃあ「何を成したのか」というと、そんなに日本に刻まれるようなスケールのことは、何一つしてないんです。 ▼でも、面白い。だから小説としては非常に上手く出来ていると思いました。河合継之助という人物が(厳密に言うと、「司馬遼太郎解釈版:河合継之助」ということですけれど。小説ですから)、変人である。自己完結しているし、平気で矛盾もしている。そして最終的に「長岡藩のために生きる長岡藩の家来」という非常に小さな(こんな長い司馬遼太郎作品の主人公としては、非常に小さい)テーマの中で峻烈に人生を終わらすわけです。 ▼その人生の主題への拘り方を、滑稽に愛情豊かに描きます。そして主人公の周りが如何に、もっと大きなうねりの中で流れているかを描きます。それでいて主人公の「大きな流れに入らないもどかしさ」が上手く描かれていて、下巻で彼が「動き始める」ときに、マキノ雅弘のやくざ映画で終盤に高倉健さんが殴り込みにでかけるようなカタルシスがあります。 ▼その、自分で設定した人生の主題を完遂する美意識みたいなものが、司馬さんの考える「描いてみたかった”侍”」だったんでしょう。鎌倉時代や戦国時代の”武士”とは異なる、江戸時代を経て幕末~明治の25年間くらい(黒船来航から西南戦争まで)の間、日本史を燦然と(あるいは不気味に)彩った、"サムライ”というのは、知れば知るほど他に例がない気がします。300年の泰平の中で観念的に醸成されてしまった、一種非常に”知的な蛮族”とでも言いますか…(もちろんそれは、所謂”武士階級”の中でも10%くらいだったでしょうけれど)。

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2022/11/12

インターネットはおろか書籍すらすぐ手に届くところに無い環境では、このように情報を集めて、思考を深めていくものかと考えさせられた。 「夜は明けぬ 覚めよ起きよと つく鐘の ひびきとともに 散りし花はや」という相馬御風の詠んだ歌がある場面が印象深かった。

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2022/09/10

 幕末の長岡藩士河井継之助を主人公とした小説。長岡藩から出て江戸、横浜、京、備中松山、長崎などを巡り巡り識見を高めていく物語の序盤であるが、まだまだ盛り上がりに欠けているところは否めない。  ただ河井継之助という人物が、どういう下地を持っているのかということに紙片を割いているため...

 幕末の長岡藩士河井継之助を主人公とした小説。長岡藩から出て江戸、横浜、京、備中松山、長崎などを巡り巡り識見を高めていく物語の序盤であるが、まだまだ盛り上がりに欠けているところは否めない。  ただ河井継之助という人物が、どういう下地を持っているのかということに紙片を割いているためで、中・後半にどれだけ生きてくるのかが見どころだ。  果たして描かれているように、ずけずけと遠慮もなく物事の真実を貫いていくように断乎として譲らない人物だったのかと思うが、長岡藩が、そして時代が必要としたのは間違いなかろう。

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