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峠 改版(上) の商品レビュー

4.2

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    56

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

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2021/05/06

今年(2021年)9月に役所広司さん主演の映画が公開予定とのことで読みだす。3巻もあるの?と思ったけど、さすが司馬さん、長さは感じさせないわ。正直、長岡藩の河井継之助って誰?の私だったが、今は次の中巻を早く読みたいと云う気持ちでいっぱい。上巻の時代は安政の大獄前後。江戸に出た継之...

今年(2021年)9月に役所広司さん主演の映画が公開予定とのことで読みだす。3巻もあるの?と思ったけど、さすが司馬さん、長さは感じさせないわ。正直、長岡藩の河井継之助って誰?の私だったが、今は次の中巻を早く読みたいと云う気持ちでいっぱい。上巻の時代は安政の大獄前後。江戸に出た継之助は勉学に励むのではなく世の流れをつかむ。そして大垣、津、京、そして備中松山から長崎でも世界を知る。江戸を再び経由して長岡藩に戻った継之助の元に京の池田屋事件の報が届く。さて、ますます動き出す世の中で継之助はどうする?

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2021/04/24

河井継之助と、山本五十六、田中角栄を生んだ長岡。雪に閉ざされている地からこのような英雄たちがなぜうまれたのでしょうか。雪を見ながら不思議におもいました。

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2021/04/18

自分には、まったく世界が見えていないんだと、分かることがある。 「自分」の世界を生きていないんだと、知って、自分を見下げる気持ちがまた、むくむくと湧いてくる。 何故なんだろうか。 どうしてこんなに中途半端になってしまうのだろうか。 世の中に溢れる、その辺に転がってる「世界」...

自分には、まったく世界が見えていないんだと、分かることがある。 「自分」の世界を生きていないんだと、知って、自分を見下げる気持ちがまた、むくむくと湧いてくる。 何故なんだろうか。 どうしてこんなに中途半端になってしまうのだろうか。 世の中に溢れる、その辺に転がってる「世界」に、くだらねぇと馬鹿にしながらも、いつの間にか影響を与えられ、しっかりと絡め取られて、反対的に自分の存在を位置づけることでしか、立っていることができていないんだ。 結局、自分という意識を通すことでしか現れない世界、それを手に入れてんだという夢を見ながら、勘違いをすることしかできていないだということ。 思い描くような、真ん中を持っている、どこにもいない自分を手に入れるほどの心なんて、これっぽっちも磨かれてないってことだ。 河井継之助が存在した時代は、維新という、時勢という圧倒的な、逃れることが出来ない「流れ」が全てを飲み込んでしまった時間だ。 250年という途方もない長さの安定の時代を経て、熟しすぎて腐り始めたものが、避けようもなく迎えなければならかった、徹底的な変化のための時間だったのだ。 深々と溜まり続けた淀みが、発酵し、たくさんの意思が泡となってはじけた。フツフツと湧き上がった思想の上に並べられる志というそれぞれの正義を担ぎ出して、全てをぶっ壊して、新しい希望を作り上げようとした。 たくさんの人間が、最後の「武士」たちが、その武士を終わらせるために、自分の命を引き換えにした。今の時代を生きる人間には、たぶん到底近づくことができない、英雄たちの時代だった。 そう思っていた。 でも、「峠」を読み、河井継之助というものを知って、見えるものが姿を変えた。それまでとは捉え方が変わってしまった。 河井継之助のような人間は、ほかにはいなかった。どこにもいなかった。 誰よりも、変わるべき今を、手に入れるべき未来を、はっきりと思い描く。受け入れるべき時勢とそれに向き合う自己を、静かにまっすぐ、曲げることなく立ち向かわせようとした。 その意思は、河井継之助の元にしか生まれてくることがなかった「意思」は、官軍でもなく、幕府でもなく、属するのではなく、だれのものでもなく、どこにあるものでもない、自分だけが作ることができる、自分にしか作れない未来を作り出そうとしたんだ。 変革しようとするもの、それ守ろうとするもの。抗えない時勢において、歴史の教科書に残る有名人たちも、その勢いに乗っかっただけのもの。 それが普通。それが至極当たり前のこと。 でも、河井は違ったんじゃないかと思う。 時勢が世界を作っていく。 結果が出れば、それだけが正解になって、その流れをただ上手に泳いだ人間も正解になる。あー、良い世界になったね。また良い方向に進んだみたいだね。 果たして、そうだろうか。 流れていくいくしかない、全てを、人間だものていう言い訳で塗り固めて、そうやって進んでいくしかない世界が、本当にこれでいいのか、と思えてならない。 人間らしいという言葉に胡坐をかいて、どこかの瞬間から思考することを放棄してる。それが人間の常套手段じゃないかと、疑う。 簡単に世界には拠らないで、自分というものを立ち上がることができた人。河井継之助。彼は、最後の最後まで、思考することをやめない人だった。 彼は、自分だけの答えを探す人だった。 彼という人間が作り出した未来、その心が透けだすような世界が、いまここに、手を伸ばせば触れることができる、そんなそばにあり続けてくれれば良かったのに、と思った。

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2020/08/17

河合継之助が京都所司代になった越後長岡藩主に、ずばずばモノを言うという理由で取り立てられたところで終了。やたら女好きで吉原の小稲という花魁にもてたり、京都の織部という女性の公家にもてたり、横浜の福地源一郎という通詞やら岡山の山田方谷に一目置かれたり、そのくせ口ばっかりながらなぜか...

河合継之助が京都所司代になった越後長岡藩主に、ずばずばモノを言うという理由で取り立てられたところで終了。やたら女好きで吉原の小稲という花魁にもてたり、京都の織部という女性の公家にもてたり、横浜の福地源一郎という通詞やら岡山の山田方谷に一目置かれたり、そのくせ口ばっかりながらなぜか幕末という危機状況であるがゆえに身分にあるまじきトントン拍子で出世してしまうというお前は幕末の島耕作かという話しかまだでてきてない。

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2020/08/01

とにかく面白い。 司馬ワールド炸裂。河井継之助なんて教科書でも見たことなかった人だったけど、その人が目の前で生き生きと姿を見てくれた感じ。 もっとも上巻では女遊びしてただけだけど…

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2020/04/06

文章の拙さに驚きました。例えば、主人公とある人の二人の会話の場面で、それぞれが相手に対する想いを述べるシーンがあります。その想いを作者はどうしてわかったのでしょうか???途中で、思いあまったのか筆者が突然状況説明に入ります。それもしたり顔で……。こんな小説初めて読みました。結局、...

文章の拙さに驚きました。例えば、主人公とある人の二人の会話の場面で、それぞれが相手に対する想いを述べるシーンがあります。その想いを作者はどうしてわかったのでしょうか???途中で、思いあまったのか筆者が突然状況説明に入ります。それもしたり顔で……。こんな小説初めて読みました。結局、この小説家はとにかく主人公を他の人よりも優れた人物、すなわち「英雄」に仕立て上げたいのです。従って、主人公が活躍中、実際には農民一揆が起きているのですがこの事には全く触れていません。ほんと英雄小説はいい加減にしてもらいたい。

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2020/03/29

越後長岡藩七万四千石の藩士・河井継之助 (かわい つぎのすけ) が、動乱の幕末を駆け抜けた生涯を【司馬遼太郎】により、史実と虚構を織り交ぜて語られる歴史長編小説である。〝三百年の徳川の天下がいま崩れようとしている。歴史がかわる、日本の明日をも知れぬ、譜代の長岡藩だけがその埒外に生...

越後長岡藩七万四千石の藩士・河井継之助 (かわい つぎのすけ) が、動乱の幕末を駆け抜けた生涯を【司馬遼太郎】により、史実と虚構を織り交ぜて語られる歴史長編小説である。〝三百年の徳川の天下がいま崩れようとしている。歴史がかわる、日本の明日をも知れぬ、譜代の長岡藩だけがその埒外に生きられるとお思いか、お思いとすればこれはまあ結構な国家老様でありますこと〟と豪語して始まった継之助の江戸出府と諸国遊歴の道中談話の痛快さに胸躍る。

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2020/03/27

江戸に出てきて学び舎として、古賀塾を選ぶ時の継之助の心情を表した一節、 『学問などは、ゆらい、人から教えられるものではない。自分の好きな部分を、自分でやるものだ』 共感。

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2019/11/20

R1.11.15 読了 個人的な話で恐縮だが、大学で日本史学を専攻するくらいには歴史は好きなのだが、その割には歴史小説は殆ど読んだことがなく、司馬遼太郎も小学校の図書館にあった漫画版「竜馬がゆく」以来で、小説は初めて読んだ。 割と読み応えがあるように感じるのに、スラスラ読める感...

R1.11.15 読了 個人的な話で恐縮だが、大学で日本史学を専攻するくらいには歴史は好きなのだが、その割には歴史小説は殆ど読んだことがなく、司馬遼太郎も小学校の図書館にあった漫画版「竜馬がゆく」以来で、小説は初めて読んだ。 割と読み応えがあるように感じるのに、スラスラ読める感じ 上手く読ませるなぁという印象 さて、本書の感想だが、 主人公継之助の考え方は、自分と正反対で、興味深く思うとともに、彼が江戸幕政300年の中で培われた事なかれ主義について痛烈に批判している様は、事なかれ主義万歳の私個人の生き方についても痛烈に批判させれている様な気がしてハッとさせられる。 人の世は自分を表現する場なのだ なんて言葉も、私個人は思ったこともない。 信念にのみ基づき前だけを見ている継之助の人柄・生き様は、ある意味でとても眩しく思え、彼が数奇な目で見られながらも人を惹きつける人物として描かれることに納得するとともに、いつの間にか、読者である自分自身も引き込まれているのであった。 中・下 でどんな展開が訪れるのか、読むのが待ち遠しい 最後に、継之助の言葉で私が気に入った一文を、開き直りながら引用したい 「そういう小器量の男に生まれたものは幸福であると言う。自分の一生に疑いももたず、冒険もせず、危険の縁に近づきもせず、ただ分を守り、妻子を愛し、それなりで生涯を過ごす。」

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2019/06/30

著者の言う通り、前半は継之助の奇人ぶりと、世界を知るための女巡礼とも言うところ。 志を持って生きることは感心するが、ヨーロッパ人が日本の欠点を、好色の風俗とそれに対する道徳的鈍感さであると指摘した事、150年以上経って、やっと理解しつつあるが、まだ同じである事に、恥ずかしくも思う...

著者の言う通り、前半は継之助の奇人ぶりと、世界を知るための女巡礼とも言うところ。 志を持って生きることは感心するが、ヨーロッパ人が日本の欠点を、好色の風俗とそれに対する道徳的鈍感さであると指摘した事、150年以上経って、やっと理解しつつあるが、まだ同じである事に、恥ずかしくも思う。

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