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樅ノ木は残った(下巻) の商品レビュー

4.4

48件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

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2024/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こんな最後が待っていたとは。頑張って読んで良かった。タイトルはかっこよすぎと思う。 しかし吉永小百合の設定はないだろう,NHKなんでもありだな,と思う。

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2024/04/15

「さぶ」に続いて読了しました。主人公のかっこよさ、様々な人間模様がリアルに感じられる名作です。素晴らしい

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2023/05/30

人間関係や政治的な内容を理解するのが難しく読むのに苦労した。新八とおみや、柿崎と石川兵庫介のエピソードは興味深く面白かった。

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2022/08/26

自身の評価や名声など捨てても、守りたかった主家の名誉。 いまの私たちは、個人的な幸福を追い求めることを最上とする風潮のなかにいるけれど、でも原田甲斐の姿を折に触れて思い出したい。 おみやと六郎兵衛、新八の章が個人的には興味深かった。

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2022/08/10

壮絶な最後でした。上巻冒頭の暗殺以降、置毒やくびじろとの対決などのエピソードはあったものの淡々と歩みを進めていた物語が終盤に一転、怒涛の展開の中で多くの命が散って行きました。そしてフィナーレ、思いもよらない謀略が仕組まれ、本懐は遂げることができたものの待っていたのは悲劇的な結末。...

壮絶な最後でした。上巻冒頭の暗殺以降、置毒やくびじろとの対決などのエピソードはあったものの淡々と歩みを進めていた物語が終盤に一転、怒涛の展開の中で多くの命が散って行きました。そしてフィナーレ、思いもよらない謀略が仕組まれ、本懐は遂げることができたものの待っていたのは悲劇的な結末。国のために侍はここまでしなければならないのか、自身の命や名誉のみならず家族の命や家の歴史までも捧げなければならないのか、凄まじい価値観が描かれていました。選挙の票のためならカルト宗教にも魂を売る、自民党安倍派の国会議員にぜひ読んでいただきたい本でした。船岡は家からそれほどは遠くはないので、そのうち城址公園の樅の木の下で余韻に浸ってこようと思います。

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2022/07/01

山本周五郎作品を初めて読んだ。 伊達騒動の真実は置いといて、歴史小説として面白かったけど、共感することが難しい壮絶な価値観でもあった。 大藩の改易ともなれば、数万人の武士が失業するわけで、その事態を十数人の犠牲で防いだ、という意味では利他的な美談であることは間違いない。 し...

山本周五郎作品を初めて読んだ。 伊達騒動の真実は置いといて、歴史小説として面白かったけど、共感することが難しい壮絶な価値観でもあった。 大藩の改易ともなれば、数万人の武士が失業するわけで、その事態を十数人の犠牲で防いだ、という意味では利他的な美談であることは間違いない。 しかしながら、『御家の為』と言われると、現代の価値観からすると、そこまでして守らないといけないほど伊達家はエライのか?とどうしても感じてしまう。 また、原田甲斐が汚名を被って死ぬことで、本当に仙台藩が安泰となる確証があったかというと、かなり分が悪い賭けだったのではないだろうか。ラストの修羅場具合からすると、仙台藩に自治能力無しとして酒井侯が改易に踏み切る可能性はそれなりにあったのではなかろうか。 唯一の障害は、密約の原文を見た久世侯が黙っていない、という点だろうが、酒井侯に『知らぬ存ぜぬ』で押し切られてしまうリスクもあった思う。極めて分の悪い賭けに自分の名誉ではなく汚名を賭けた、という設定がすごい。決して真似が出来ない。

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2022/03/25

原田甲斐の選択の全ては、伊達家のため。 自分を頼みとする妻子や自分を慕う家臣の、個々の生活も命さえも手駒として使わなければならない。 甲斐が非情な独裁者ならどんなに楽だったろう。 一人の人物にいくつも呼称があり、読み初めは確認作業をしながらなかなかページが捗らなかったが、いちいち...

原田甲斐の選択の全ては、伊達家のため。 自分を頼みとする妻子や自分を慕う家臣の、個々の生活も命さえも手駒として使わなければならない。 甲斐が非情な独裁者ならどんなに楽だったろう。 一人の人物にいくつも呼称があり、読み初めは確認作業をしながらなかなかページが捗らなかったが、いちいち気にならないくらい先が気になり出し、気付けばクライマックス。何という結末。 去っていった者、死んでいった者、みな自分なりの忠義に生きた。大事なのか?伊達家がそんなに守るべきものなのか?と疑うのは現代だから。侍は疑わない。潔くも悲しい生き物に感じた。

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2021/12/09

あらすじ 伊達家62万石の危機を察知した仙台藩の重臣・原田甲斐(里見浩太朗)が、たった一人で謀略から守る姿を描いた娯楽時代劇。 仙台藩の重臣・原田甲斐は3代藩主・伊達綱宗の放蕩に端を発した混乱の中、綱宗の叔父・伊達兵部の藩乗っ取りの陰謀を察知する。 兵部は幕府老中首座酒井雅楽頭と...

あらすじ 伊達家62万石の危機を察知した仙台藩の重臣・原田甲斐(里見浩太朗)が、たった一人で謀略から守る姿を描いた娯楽時代劇。 仙台藩の重臣・原田甲斐は3代藩主・伊達綱宗の放蕩に端を発した混乱の中、綱宗の叔父・伊達兵部の藩乗っ取りの陰謀を察知する。 兵部は幕府老中首座酒井雅楽頭と姻戚関係を結ぶなどして藩内での勢力を徐々に拡大。 感想 昔、仕事で涌谷担当をしてたので何か親近感を感じました。惜しい人を亡くした。

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2021/08/02

下巻では黒幕的に描かれてきた伊達兵部が、冒頭から底の浅さを露呈する。兵部の悪評は広がっている。ここまで悪評が広がるならば、原田甲斐が兵部に取り入らず、正面から対抗できたのではないだろうか。逆に甲斐が兵部の与党と思われたために、前藩主に取り次いでもらえないという不利益も生じている。...

下巻では黒幕的に描かれてきた伊達兵部が、冒頭から底の浅さを露呈する。兵部の悪評は広がっている。ここまで悪評が広がるならば、原田甲斐が兵部に取り入らず、正面から対抗できたのではないだろうか。逆に甲斐が兵部の与党と思われたために、前藩主に取り次いでもらえないという不利益も生じている。「敵を欺くには味方から」はメリットばかりではない。 下巻まで読むと、脇役の人情物が印象に残る。中巻までは、どうしようもない人達を描いていると思っていたが、下巻に入って実を結ぶ。本作品は原田甲斐の人に誇らない忠義を描きながらも、藩のために自己を犠牲にする虚しさも語っている。侍の道を否定する脇役を描くことは本作品にとって大きな意味があった。 自分は他人とは異なるという意識は、自我の確立を目指した純文学のテーマである。純文学は私という殻にこもって面白くないと批判されがちであるが、そのように批判する自称社会派達こそ集団主義的でメジャーな政治的争点を取り上げても、個人の抱える個別的問題に応えられないことが往々にしてある。本作品は大衆文学に分類されるが、自我にこだわる純文学の問題意識と重なっている。私へのこだわりは現代の漫画やアニメ、ラノベにも引き継がれている。

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2021/07/09

お家騒動の発端以後、ひたすらに耐え忍ぶことを貫き通した原田甲斐。 私利私欲のためでもなく、名誉のためでもなく、ただただ伊達藩とそこに属する人々を守るために、彼は進んで悪名を被り、そうすることで黒幕の懐深くへ入り込む。 分かり合えた友人、同士、家臣たちから白眼視されたり、次々に死に...

お家騒動の発端以後、ひたすらに耐え忍ぶことを貫き通した原田甲斐。 私利私欲のためでもなく、名誉のためでもなく、ただただ伊達藩とそこに属する人々を守るために、彼は進んで悪名を被り、そうすることで黒幕の懐深くへ入り込む。 分かり合えた友人、同士、家臣たちから白眼視されたり、次々に死に別れる事態に見舞われても、哀しみを押し殺し、黙々と命の襷を拾うに止める。 全ては黒幕を追い詰めるためだった。 堪忍・辛坊が、時にもどかしく感じたけれど、凄絶な最期の瞬間にまでそれを貫徹されると、感動だけが心に残ることに。 「いつの世でも、しんじつ国家を支え護立てているのは、こういう堪忍や辛坊、──人の眼につかず名もあらわれないところに働いている力なのだ」。 この箇所、この一文に、主題が結晶しているような。 著者が一番伝えたかったのはこれだったのかと思う。

Posted byブクログ