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樅ノ木は残った(下巻) の商品レビュー

4.3

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    7

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2014/09/27

江戸時代の巨大な権力に対して「忍耐」をもって戦った侍の話。 史実を外側から見るのではなく、その人の内側から歴史を紐解いた作品。

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2014/06/21

最後は泣かずにはいられない。最初は読むのに大変だけど中巻からは波にのってすいすい読めた。長いから大変そう…なんて思わず、読んでみてください。

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2014/02/08

原田甲斐と近しい人達が次々死んでいく。そして伊達家を破滅させる最後の準備が整った。しかし、原田甲斐の機転により形勢は一気に逆転し伊達家は守られた。が、雅楽頭の刺客によって原田甲斐らは暗殺された。 理解できない箇所が何点かあった。最期、原田甲斐が暗殺されたにも関わらず、自分の乱...

原田甲斐と近しい人達が次々死んでいく。そして伊達家を破滅させる最後の準備が整った。しかし、原田甲斐の機転により形勢は一気に逆転し伊達家は守られた。が、雅楽頭の刺客によって原田甲斐らは暗殺された。 理解できない箇所が何点かあった。最期、原田甲斐が暗殺されたにも関わらず、自分の乱心ということにし、それが伊達家を守る事になるという場面。 原田甲斐の孤軍奮闘振りは良く分かったが、肝心の伊達家破滅計画の攻守の考え方がよく分からなかった。 歴史上の出来事や人物を小説化するばあい、私がなにより困難を感ずるのは『史的事実』のなかでどこまで普遍的な『真実』をつかみうるか

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2013/10/19

耐えて耐え抜いて最期の時まで藩のことを考えて。そこまで我慢できるのは約束か主従か信念か。救いもないのに解放感。よかったです。

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2013/09/30

最終巻。 原田甲斐は最後に政治的な賭けにでるが、その結末は予想もつかない展開で終わる。 特に最終巻はストーリーの展開がテンポよく進み、時を忘れて読み進めることができた。 原田甲斐は孤独と戦い、自己犠牲を払い、最後は命を賭けて自ら描くシナリオの実現に導く。 原田甲斐の重厚な男性像、...

最終巻。 原田甲斐は最後に政治的な賭けにでるが、その結末は予想もつかない展開で終わる。 特に最終巻はストーリーの展開がテンポよく進み、時を忘れて読み進めることができた。 原田甲斐は孤独と戦い、自己犠牲を払い、最後は命を賭けて自ら描くシナリオの実現に導く。 原田甲斐の重厚な男性像、リーダー像に惹きこまれていく。 以下引用~ 『意地や面目を立てとおすことはいさましい、人の眼にも壮烈にみえるだろう、しかし、侍の本分というものは堪忍や辛抱の中にある、生きられる限り生きてご奉公をすることだ、これは侍に限らない、およそ人間の生きかたとはそういうものが、いつの世でも、しんじつ国家を支えて護立てているのは、こういう堪忍や辛抱、人の眼につかず名もあらわれないところに働いている力なのだ』 『人は誰でも、他人に理解されないものを持っている。もっとはっきり云えば、人間は決して他の人間に理解されることはないのだ。親と子、良人と妻、どんなに親しい友達にでも、人間はつねに独りだ』

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2013/06/26

3巻あり、それぞれ400ページ以上あって、長さでけっこう読むのが大変かなと思ったのですが、大変だったのは最初だけですぐにその世界に引き込まれました。 話は正直言って、明るい話ではないです。伊達藩の逆臣とされてきた原田甲斐が、実は真逆であったとした話です。それも史実から全く離れず...

3巻あり、それぞれ400ページ以上あって、長さでけっこう読むのが大変かなと思ったのですが、大変だったのは最初だけですぐにその世界に引き込まれました。 話は正直言って、明るい話ではないです。伊達藩の逆臣とされてきた原田甲斐が、実は真逆であったとした話です。それも史実から全く離れずに。 一人で伊達藩のため幕府の陰謀に立ち向かった原田。壮烈な戦いを演じるのではなく、ただひたすらに耐え、辛酸をなめ、最後に伊達藩をひとり守って殉じる。中で書いた原田の考え方、生き抜くことの意味を考えさせられます。 また本文より 『意地や面目を立てとおすころはいさましい、人の眼にも壮烈にみえるだろう、しかし、侍の本分というものは堪忍や辛抱の中にある、生きられる限り生きて御奉公をすることだ、これは侍に限らない、およそ人間の生きかたとそういうものだ、いつの世でも、しんじつ国家を支え護立てているのは、こういう堪忍や辛抱、――人の眼にもつかず名もあらわれないところに働いている力なのだ』 最後はたぶん泣かずに読めないだろうと、いつも電車で本を読むのをやめて、一人で読みました 一時の感動を与えるだけではない名作だと思います。

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2013/06/08

流石周五郎不朽の名作。圧巻の五つ星。所 謂“伊達騒動“がモチーフ。この作品の特徴は 歴史の通説である逆臣原田甲斐にスポットを あて伊達騒動の真相を周五郎独自の視点で紐 解いた点にある。歴史小説特有の派手派手し さは鳴りを潜め終始、自分を押し殺し佇むよ うに生きる主人公原田甲斐を描...

流石周五郎不朽の名作。圧巻の五つ星。所 謂“伊達騒動“がモチーフ。この作品の特徴は 歴史の通説である逆臣原田甲斐にスポットを あて伊達騒動の真相を周五郎独自の視点で紐 解いた点にある。歴史小説特有の派手派手し さは鳴りを潜め終始、自分を押し殺し佇むよ うに生きる主人公原田甲斐を描く。強い決意 に隠された深い内面を筆者独自の手法と筆致 で読者に直球にて“心の声“を届ける。樅の木 に託された比喩、溢れんばかりの感動に浸れ ます。

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2013/03/31

読んだきっかけ:古本屋で安かった(3冊280円)。 かかった時間:2/27-3/4(6日くらい) 内容:下巻は、伊達家の境地争いから、原田の乱心まで。 それでは復習まで、最後のあらすじを、wikiより転載。 (wiki「伊達騒動」よりあらすじ抜粋・ネタバレあり) ...

読んだきっかけ:古本屋で安かった(3冊280円)。 かかった時間:2/27-3/4(6日くらい) 内容:下巻は、伊達家の境地争いから、原田の乱心まで。 それでは復習まで、最後のあらすじを、wikiより転載。 (wiki「伊達騒動」よりあらすじ抜粋・ネタバレあり) 1671年(寛文11年)3月27日、騒動の裁判を行うため大老の酒井忠清邸に原田甲斐や伊達安芸ら関係者が召喚される。 原田甲斐はその場で伊達安芸に斬りかかって殺害する。 だが、原田甲斐も安芸派の柴田外記朝意と斬りあいになった。 原田甲斐は柴田外記によって斬られ、柴田外記もその日のうちに原田甲斐からの傷が元で死亡した。 関係者が死亡した事件の事後処理では原田家や兵部派が処罰されるが、伊達家は守られる事となった。 --- この、老中評定は、下巻最後の50ページ、まさにクライマックスです。そこまでが、多少冗長に感じましたが、最後の場面をより心に響かせるには必要だったのでしょう。 正直なところ、どうして原田がそこまでコソコソと動いたのか、最後まで完全な納得はいかないのですが……。 何はともあれ、山本周五郎の代表作らしいので、きちんと完読できて、満足です。

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2012/09/17

一般的には逆臣とされ、役人としては無能。という伝えられ方がされている原田宗輔という人物を、敢えて汚名をかぶり、耐え忍ぶ忠臣として描いたこの作品は『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』も霞むほどの歴史ファンタジーにも思えます。ですが、苦悩しながらも志を貫き通す骨太のキャラクターとして描かれ...

一般的には逆臣とされ、役人としては無能。という伝えられ方がされている原田宗輔という人物を、敢えて汚名をかぶり、耐え忍ぶ忠臣として描いたこの作品は『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』も霞むほどの歴史ファンタジーにも思えます。ですが、苦悩しながらも志を貫き通す骨太のキャラクターとして描かれる作中の原田甲斐には、本当はこんな人だったのかもしれないと思わせる存在感がありました。お家の為に尽くす。という考え方は今では通用しないかもしれませんが、喚かず騒がず、黙って集団の為に己を捨てるその姿は読む人の心に必ず響くはずです。

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2012/08/19

 江戸幕府から藩を守るという目的において、後世にまで残る汚名を甘んじて受け、一族の運命までも犠牲にしてことを成し遂げた。こんなにすさまじいほどの強靭な精神力を持った人間がいたのか?  ただ、こういう人間は、恐ろしいほど孤独なのだと思う。樅の木が、くび白が、そして宇乃が甲斐の心の唯...

 江戸幕府から藩を守るという目的において、後世にまで残る汚名を甘んじて受け、一族の運命までも犠牲にしてことを成し遂げた。こんなにすさまじいほどの強靭な精神力を持った人間がいたのか?  ただ、こういう人間は、恐ろしいほど孤独なのだと思う。樅の木が、くび白が、そして宇乃が甲斐の心の唯一の安らぎであったのだろう。

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