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樅ノ木は残った(下巻) の商品レビュー

4.3

51件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

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2018/11/20

今を楽しんで生きる。 死後に名を残すために生きる。 自分のために生きる。 人のため国家のために生きる。 人生は儚い一方で、生きる意味・生かされる意味を見いだしてそれを完遂することは難儀なこと。 日々を漫然と消化することに対して、自戒になる小説。

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2018/11/11

山本周五郎の代表作なる大作。 お家を守るためとはいえ、本当に大変な忍従をしいられ、現代人には理解できないものがあった。 クライマックスは手に汗握る緊迫感があり、一気に読み終わった。 結果はあのようになったが甲斐はいったい耐え忍んで何を目指していたのか?耐える現状維持は自分が死んだ...

山本周五郎の代表作なる大作。 お家を守るためとはいえ、本当に大変な忍従をしいられ、現代人には理解できないものがあった。 クライマックスは手に汗握る緊迫感があり、一気に読み終わった。 結果はあのようになったが甲斐はいったい耐え忍んで何を目指していたのか?耐える現状維持は自分が死んだ時点で終わりを迎えるのに、次々と周りの人間が死ぬ状況で積極的な行動を起こさなかったことに疑問と不満が残った。

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2019/12/18

ワークライフバランスの間逆。己れや家族、友人、親族よりも藩の存続に身を粉にする主人公、原田甲斐。今読んでも充分面白いが、戦後の経済成長期に読んだ世代はより感情移入したのかも。

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2016/10/29

秀作。 江戸時代、初期はまだ戦国時代を引きずって、幕府は大きな大名を潰そうとしていたと言う事か。 史実は知らないが、原田甲斐は、藩を救うため、家族を含めた命をかけた。最後の衝撃的なシーン。大河ドラマになるわけだ。

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2016/06/25

山本周五郎作品は初読であったが、最後まで一気に読んでしまった。物語の内容はさることながら、文章の表現の独特さ、豊かさに魅了された。 自らの藩を第一に考え、自分の人生を擲つ姿には、司馬遼太郎作品で長岡藩を舞台にした「峠」に通じるものがあると感じた。

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2016/06/15

スッキリといった結末ではない。人の一生のはかなさを感じさせられた。身は滅んでも、何らかの形で残るものだ。

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2016/04/30

“意地や面目を立てとおすことはいさましい、人の眼にも壮烈にみえるだろう、しかし、侍の本分というものは堪忍や辛抱の中にある… これは侍に限らない、およそ人間の生きかたとはそういうものだ ” 物語そのものは勿論、山本周五郎ならではの、染み込んで来る言葉の濃度。下巻は特に高し。 人と...

“意地や面目を立てとおすことはいさましい、人の眼にも壮烈にみえるだろう、しかし、侍の本分というものは堪忍や辛抱の中にある… これは侍に限らない、およそ人間の生きかたとはそういうものだ ” 物語そのものは勿論、山本周五郎ならではの、染み込んで来る言葉の濃度。下巻は特に高し。 人としての強さ、その在り方を深く考えさせられる作品でした。

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2015/12/15

史実となっているものを 別の切り口から見てみたそうで。 歴史に疎いんで細かいことに触れると ウソを述べてしまいそうになるから 感想だけ。 すごく自分に素直で、自分に強くて 頑なで、いかにもお侍さんってイメージの 原田甲斐。 逆に彼を囲む弱くて、すぐ徒党を組みた...

史実となっているものを 別の切り口から見てみたそうで。 歴史に疎いんで細かいことに触れると ウソを述べてしまいそうになるから 感想だけ。 すごく自分に素直で、自分に強くて 頑なで、いかにもお侍さんってイメージの 原田甲斐。 逆に彼を囲む弱くて、すぐ徒党を組みたがる 人たちがいかにも普通の日本人らしく思える。 ただ、地元の冬山で鹿との対峙場面こそ 生き死にを描いているように思えました。

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2014/12/13

上中下巻を読み終えたのでまとめて感想を書くとする。 江戸歴史物は似た名前が多く、言葉遣いが独特で、その時代の町の様子を思い描かなければならないことから敬遠していた。現代小説よりはやはり読み進めるのがゆっくりであったが、どんどんと町や屋敷の様子が想像され、なによりも現代とは違う心...

上中下巻を読み終えたのでまとめて感想を書くとする。 江戸歴史物は似た名前が多く、言葉遣いが独特で、その時代の町の様子を思い描かなければならないことから敬遠していた。現代小説よりはやはり読み進めるのがゆっくりであったが、どんどんと町や屋敷の様子が想像され、なによりも現代とは違う心持ちや人々の動きが目の前に広がって来るようだった。 伊達藩の家臣船岡館主・原田甲斐は「伊達騒動」の中心人物として史実上に存在する。極悪人の烙印を押され、息子孫も死罪、お家断罪になっている。しかし、山本周五郎は"歴史の反証"から甲斐がなぜそのような事を起こしたのかを構想した。 作中の甲斐は、家中の様々な事件は酒井雅楽頭が手を引き江戸時代の3大雄藩の一つ・伊達藩を取り潰す計画があると考えた。しかしその重大な秘密が多くの者に知るところとなるとき、情報は歪められ、幕府からは大罪を言い渡されることになる。彼は味方を欺きながらも敵の側についた様に見せかけ、静かに耐えた。取り潰しのキッカケになるような大事にならぬよう。 甲斐の周りの人間は死んでいった。しかしその者を弁護したり、感情のまま助けたりすることはなく耐え続けた。侍は、自分のためではなく全ては忠義を持つ家のために、その志で秘密を貫いた。 甲斐は自然を愛する人間だった。優しく微笑し多くは語らない彼の周りにはいつも人が集まってきていた。 彼の最後の言葉「これは私が乱心した結果です。私の仕業だということをお忘れなきよう」はなんとも悲しい。自分の功績、自分の名誉をたてることが恥ずかしく感じられる。

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2014/11/30

名作と言われている小説だろうか。 これはおもしろかった。 上中下3巻一気に読んでしまった。 主人公の原田甲斐は、Wikipediaなんかを見るとだいぶイメージが違うけど、小説としては、原田甲斐の深謀遠慮が上手に仕上がっていると思う。

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