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夜中の薔薇 の商品レビュー

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52件のお客様レビュー

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2012/06/06

向田邦子のエッセイの中でも、特に好きな本。中でも印象深いのは、仕事で訪れたベルギーの話と、彼女自身の半生について。 ヨーロッパの中では地味な印象のベルギーを、初めて旅して気にいるところが、いかにも向田邦子らしい。見かけは素朴だけど、しっかりと旨味のある料理や酒、実直で人情味溢れる...

向田邦子のエッセイの中でも、特に好きな本。中でも印象深いのは、仕事で訪れたベルギーの話と、彼女自身の半生について。 ヨーロッパの中では地味な印象のベルギーを、初めて旅して気にいるところが、いかにも向田邦子らしい。見かけは素朴だけど、しっかりと旨味のある料理や酒、実直で人情味溢れる人々。そういう女性たちの、ラテン系とは全く違う色気。それが一目で分かってしまうとは、彼女の人と生活に向ける眼差しの鋭さに、感嘆。 人の日常を描いたドラマで、今も不動の地位にいる彼女だけれど、若い頃は、自分を徹底的に見つめ、好奇心の趣くままに行動し、壁にぶち当たり、でも、思い残すこともあり、という、自分に素直に、真剣に人生を生きた女性だったのだと思う。

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2012/05/09

厳格な明治気質の父親と、いかにも良妻賢母のような母親の家庭に育った、その古いといえる家庭環境がこの作家に大きな影響を及ぼしている。 逆に、それが作品を生み出す源になっているようだ。 しかしながら、昭和初期から戦後を生きた作者の視点は、今からすると近世と現代をつなぐ架け橋のような役...

厳格な明治気質の父親と、いかにも良妻賢母のような母親の家庭に育った、その古いといえる家庭環境がこの作家に大きな影響を及ぼしている。 逆に、それが作品を生み出す源になっているようだ。 しかしながら、昭和初期から戦後を生きた作者の視点は、今からすると近世と現代をつなぐ架け橋のような役割を果たしている。 いわば、古い体質の女性から、新しい体質の女性に変化する過渡期を生きたといえるだろう。 彼女の人気の秘密はそこにあるような気がする。 このエッセー集の最重要作品は「手袋をさがす」だろう。 一生独身を通した本人の、本人による分析なのである。 この人の独特な人物観察の眼力は誰もが認めるだろう。 その眼力を持って、なぜ自分は独身を通したか、その理由をうかがい知ることが出来るのである。 もちろん正面切ってそんなことは書いていないが、それを読者に納得させる道筋が面白い。 読者の共感を得ようとしながら、実は自分の生きざまを自分自身に納得させようとする行為に見えて仕方がない。 まあ、自分に正直に生きたいと願って生きた女性であろう。 そこのところが女性の人気が高い理由ではないだろうか。

Posted byブクログ

2015/07/24

201507読了 ベルギー旅行記が含まれている。 20100210読了 向田さんのエッセイは歯切れが良い。テンポが好き。切り口も好き。小難しい説明的な文章やだらだらとした叙述的な文章はいらないけど、ただなんとな~く活字が欲しい、そういうときに最適。旅のお供。

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2011/11/03

料理の描写が素晴らしい。料理本としても楽しい。「あの本に載ってた酒のツマミ何だったっけ」と、この本を開いてみたりしている。

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2011/09/30

手袋をさがすと時計なんかこわくないが印象的で読む価値あり。この2作だけで他のエッセイ集とは一線を画するものがあると思う。胸にグサリと突き刺さります。時間をおいてからまた読みたい。

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2013/04/06

向田邦子さんのエッセイ。 食べ物のこと、旅行先でのことが、興味深く書かれていた。意欲的に生きてこられた方なのだと思った。 特に、「手袋をさがす」が印象的です。気に入るものが見つかるまでは、決して妥協を許さない…今でこそこんな自立した大人の女性が増えてきていますが、向田さんは、そう...

向田邦子さんのエッセイ。 食べ物のこと、旅行先でのことが、興味深く書かれていた。意欲的に生きてこられた方なのだと思った。 特に、「手袋をさがす」が印象的です。気に入るものが見つかるまでは、決して妥協を許さない…今でこそこんな自立した大人の女性が増えてきていますが、向田さんは、そういった現代女性のパイオニアだったのではないでしょうか。

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2011/04/23

@yonda4 友人にプレゼントされた、向田邦子のエッセイ集。 「手袋をさがす」を強く薦められる。 著者の生き方に共感し、自分は「手袋をさがす」のではなく、自分に合った「手袋を編もう」と思った。 他のエッセイにも共感させられ、 特に「時計なんか恐くない」。エッセイの大...

@yonda4 友人にプレゼントされた、向田邦子のエッセイ集。 「手袋をさがす」を強く薦められる。 著者の生き方に共感し、自分は「手袋をさがす」のではなく、自分に合った「手袋を編もう」と思った。 他のエッセイにも共感させられ、 特に「時計なんか恐くない」。エッセイの大意的には「自分の時間を持とうよ」という内容。 最後には次のようにまとめられている 「どんな毎日にも、生きている限り『無駄』はないと思います。『焦り』『後悔』も、人間の貴重な栄養です。いつの日かそれが、『無駄』にならず『こやし』になる日が、『あか』にならず『こく』になる日が、必ずあると思います。真剣に暮らしてさえいれば---です」 真剣に暮らしていこう。

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2010/11/21

数あるエッセイ集の中でもこれが一番好きなのは、『手袋をさがす』が入っているからです。 ーほんとうに気に入っている訳ではないものを妥協してつける位なら、いっそしない方が良いー そんな姿勢を貫いていた20代の作者に、それは手袋に限った話ではなさそうだねとと上の人が優しく問いかけ、自分...

数あるエッセイ集の中でもこれが一番好きなのは、『手袋をさがす』が入っているからです。 ーほんとうに気に入っている訳ではないものを妥協してつける位なら、いっそしない方が良いー そんな姿勢を貫いていた20代の作者に、それは手袋に限った話ではなさそうだねとと上の人が優しく問いかけ、自分の生き方について真剣に考えるきっかけになった、というお話。 やはり同じ年の頃、同じようなことで煩悶していたものです。 わたしはそこまで潔い選択をできた訳ではないけれど、今でも時々 読み返してみたくなります。 切れ味が良くて、やさしくて、品があって、正直。 素敵な文章です。

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2010/05/01

高校生の頃、受験も終わって毎日ひまだった頃に向田邦子の作品を 手当たり次第に読んでいた。 この中の「手袋をさがす」というエッセイはいつまでたっても忘れられない。 初めて読んでから10年弱、今でも大好きなエッセイ。 そして、エッセイは向田邦子の書くものが1番好きだ。

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2011/09/03

少し前に読んだのだけれど、なんだかたびたび思い出す。手元においておきたい本だ。特に手袋の話が印象的で、向田さんは自分の気に入る手袋がないからといって、妥協せずに寒いのに素手で真冬を過ごすのだけれど、そういうところを上司に注意される。そういうところが、人生をやりづらくする。みたいな...

少し前に読んだのだけれど、なんだかたびたび思い出す。手元においておきたい本だ。特に手袋の話が印象的で、向田さんは自分の気に入る手袋がないからといって、妥協せずに寒いのに素手で真冬を過ごすのだけれど、そういうところを上司に注意される。そういうところが、人生をやりづらくする。みたいな感じで。しかし、それが自分らしさでもあり、人間の核をつくる。みたいな。要約が下手すぎるけれど、ともかく、すてきなエッセイ集です。

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