夜中の薔薇 の商品レビュー
本当に何気ない日常をこんなにも鮮やかに書くことができる向田さんの感性に憧れます。 いろんなことに目を向けて、人一倍アンテナをはって初めて成せることだと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エッセー集、文章はさすがにうまく、端麗である。内容は料理のレシピや旅行記や日常の人間観察など、著者の生活密着の視線がおもしろい。戦中の女学生の話とか、戦前、戦中、戦後のサラリーマンの暮らしとか、なかなかにおもしろい。「手袋をさがす」という文が入っているが、若い女性の人生の彷徨はわかるが、ちかくに居たら強烈な自己主張はちょっとはた迷惑な人物でもあるなと思う。
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ほとんど「手袋を探す」のことしか、覚えていません。 「手袋を探す」だけ、何度も何度も読み返しちゃう。 自分は何を探してるのかとか、 向田さんのこの話に置き換えるとすると私の自然の枝ぶりってのは、どいつのことなんだろうとか。 自分の望みを、しかしあんな風にきちんと分かっていることが...
ほとんど「手袋を探す」のことしか、覚えていません。 「手袋を探す」だけ、何度も何度も読み返しちゃう。 自分は何を探してるのかとか、 向田さんのこの話に置き換えるとすると私の自然の枝ぶりってのは、どいつのことなんだろうとか。 自分の望みを、しかしあんな風にきちんと分かっていることが、あたしにはすごいことだと思われます。 望みのことばかり考えていると、しおしおと何もなくなってしまいそう。 結局、いつも、目の前にはひとつひとつのことしかなくて。 それをどうするかを考えていくことでしか、前には進めないのじゃないかしら。
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全話洞察力に優れ面白いのだが、特に印象に残ったのは「手袋をさがす」の、あの満たされない気持ちの巧みな描写だ。
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この本の中の「手袋をさがす」というエッセイが読書会の課題図書だったので一冊読んだ。 『手袋をさがす』 「気に入らないものをはめるぐらいならはめないほいがいい」 と若き向田は言う。 「男ならいい。だが女はいけない。」「女の幸せを取り逃がすよ」 と上司は言う。 せいたく、虚...
この本の中の「手袋をさがす」というエッセイが読書会の課題図書だったので一冊読んだ。 『手袋をさがす』 「気に入らないものをはめるぐらいならはめないほいがいい」 と若き向田は言う。 「男ならいい。だが女はいけない。」「女の幸せを取り逃がすよ」 と上司は言う。 せいたく、虚栄心、 ほどほどで満足しない、 もっと探せばもっといいものがあるのではないか。 でも結局妥協して手頃な手袋を買っても気にいらなければはめない →結局治らない →考えても仕方がない 自分の短所を修正するのではなく、それを特性と考えて積極的に捉えること →自分が生き生きする 結局は元来の自分を修正せずにそのまま活かした結果 →運命・人生は「元来の自分」に基づいて自ずと決まっていくものかもしれない。 目標を決めてそれに向かって努力していく人生とは対極の考え方 向田邦子の結論 「生まれ変わらない限り、精神の整形手術は無理なのではないでしょうか」 →変わることはできない。 だったら認める。その上で生きる。活かす。 おれは逆。 すぐに手元にあるもので満足してしまう。 見方によっては長所、見方によっては短所。
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向田邦子の文章が好き。(他者にも自分にも)観察眼が鋭くて流石だなと思う。手袋をさがすと時計なんか怖くないが特に好きで、自分のことを少し肯定でき心が軽くなった。折に触れて何度でも読み返すだろうと思う。
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朝日新聞の記事で読んだ「手袋をさがす」が読みたくて手に取った。 気にいるもの以外はめてなるものか、とあかぎれになりながらも頑固にその美学をつらぬく。 その生き方は、はた目から見れば行きづらく幸せを感じにくいだろうと思う。 でも本人がそれをまるごと受け入れてしまえば。認めてし...
朝日新聞の記事で読んだ「手袋をさがす」が読みたくて手に取った。 気にいるもの以外はめてなるものか、とあかぎれになりながらも頑固にその美学をつらぬく。 その生き方は、はた目から見れば行きづらく幸せを感じにくいだろうと思う。 でも本人がそれをまるごと受け入れてしまえば。認めてしまえば、本人の欲望に忠実な、嘘偽りない生き方でストレスなどないだろう。 だって、彼女からすればその欲望を大事にしている、すなわち自分のことをとことん愛してることに違いないのだから。 私はどうだろう?自分の中の欲にきちんと向き合っているだろうか。 日々の戯れ事に流されてないか。 こうあるべき、こうでなければならないに囚われていやしないか。 自分の欲を満たす。たとえ融通が効かないといわれようと、私もそうやって生きていきたい。
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好きすぎて誰かに勧めてあげちゃって何度も買う本。何度でも一番読みたい手袋の話は、コピーを友達からもらって向田邦子を意識したきっかけになった話。そのコピーも未だ本棚に健在。
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筆者は才能溢れ、華々しくも、多少きつくて我儘なところがあったのかなと想像する。 ともに、なりたい、やりたい、強い欲求が備わっていることが必要と思う。
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皆さん述べているように、 『手袋をさがして』は、本当に強く共感できたし、 向田さんの芯の部分に触れられた気がした。 あと、所々に食べ物の話があって、 もんのすんごーく食べたくなった。 むしろ、幾つか作ってしまった。 何故か、丁寧に、きちんと、 ご飯を作る気分にさせてくれる本だ...
皆さん述べているように、 『手袋をさがして』は、本当に強く共感できたし、 向田さんの芯の部分に触れられた気がした。 あと、所々に食べ物の話があって、 もんのすんごーく食べたくなった。 むしろ、幾つか作ってしまった。 何故か、丁寧に、きちんと、 ご飯を作る気分にさせてくれる本だ。
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