夜中の薔薇 の商品レビュー
エッセイ集です。この…
エッセイ集です。この「夜中の薔薇」の内容は盛りだくさんです。男性の話、仕事の話、旅行の話、家族の話、食べ物の話、こだわりの話 等々。作者の鋭く、優しく、細やかな観察力には読む度に感心します。このように自分をしっかり持った大人の女性になりたいと憧れます。とにかく向田邦子さんの書くエ...
エッセイ集です。この「夜中の薔薇」の内容は盛りだくさんです。男性の話、仕事の話、旅行の話、家族の話、食べ物の話、こだわりの話 等々。作者の鋭く、優しく、細やかな観察力には読む度に感心します。このように自分をしっかり持った大人の女性になりたいと憧れます。とにかく向田邦子さんの書くエッセイはとても良いです。
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20年前に一度読んだ時は、強くて弱くて素敵な女性のカッコ良くも赤裸々なエッセイで、楽しく読みました。 しかし、今読み返すと、今ならアウトな表現の数々(花嫁姿が見たい、男性鑑賞法、等)にショックを受けてしまいました。 小説は昔の作品でも「その時代の設定」として読めるから全く気になら...
20年前に一度読んだ時は、強くて弱くて素敵な女性のカッコ良くも赤裸々なエッセイで、楽しく読みました。 しかし、今読み返すと、今ならアウトな表現の数々(花嫁姿が見たい、男性鑑賞法、等)にショックを受けてしまいました。 小説は昔の作品でも「その時代の設定」として読めるから全く気にならないけれど、エッセイはナマモノなのだとつくづく思い知らされました。 この20年で私自身の考えがアップデートしたからなのだと思いますが、もし今でも向田邦子が生きていたらどんな文章を書いていたのだろうかと想像します。 それでも、熱く自分の心情を吐き出す「手袋をさがす」は名作だと思いました。
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台湾での飛行機事故による急逝。その直前直後に世に出た文章を含む、稀代の随筆巧者による珠玉の随筆集。そういえば「父の詫び状」も凄く良かった。 そしてあらためて著者の年齢を知って驚いた。昭和5年生まれの亡父よりさらに1歳年長だった。 テレビ等でリアルタイムで拝見した記憶もある生前の姿...
台湾での飛行機事故による急逝。その直前直後に世に出た文章を含む、稀代の随筆巧者による珠玉の随筆集。そういえば「父の詫び状」も凄く良かった。 そしてあらためて著者の年齢を知って驚いた。昭和5年生まれの亡父よりさらに1歳年長だった。 テレビ等でリアルタイムで拝見した記憶もある生前の姿が、不運な急逝を境に、それ以降「更新」されることなくロックされたまま印象に残り続けていたこともあるのだろう。漠然と「ご存命なら80歳くらいだろうか」と思っていたより実際には遥かに古く、まさしく「昭和ひとケタ」ド真ん中の世代の方だったのだ。 そしてそれにしては、お書きになる文章の内容やリズム、そして感性が、やはりお若い。いや、近代的、先鋭的と云おうか。要は、亡父と同じ世代の人間が同じ時代に書き残した文章だとは到底信じられない。 中でも「手袋をさがす」には甚く感服。これは再読しなくては。三十を過ぎた息子にも強く勧めたい。 久し振りに他の著作も読み直してみたい。
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体調不良で学校をお休みしているときに、たまたま家に置いてありましたのでベッドの上で読んでみることにしました。向田邦子さんは名前こそ存じ上げていたものの、本はあまり読んだことがありませんでした。しかし本当に素敵で面白くて、精神的にも荒んでいだ私の心にスーっと入ってきて、癒してくれるようでした。 特に、様々やらかして来た私にとって、”私は負け犬の方が好きです”と書いてあってなんだか報われたようでした。 今では向田邦子さん大好きです。私が向田邦子さんを好きになったきっかけの本です。
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この人の性格、薄々気づいてたけど自分に似ているなと思った笑(調べてみたら誕生日まで近かった)。 料理の描写はどれをとってもヨダレが...
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講談社文庫 向田邦子 「夜中の薔薇」 事故死の直前に書かれたエッセイ集 「夜中の薔薇」「牛の首」「寺内貫太郎の母」「手袋をさがす」など 死を予兆しているような、自身の人生を振り返っているような エッセイが印象に残る。編集意図か?癌を患った著者の生への決意か? 不吉で...
講談社文庫 向田邦子 「夜中の薔薇」 事故死の直前に書かれたエッセイ集 「夜中の薔薇」「牛の首」「寺内貫太郎の母」「手袋をさがす」など 死を予兆しているような、自身の人生を振り返っているような エッセイが印象に残る。編集意図か?癌を患った著者の生への決意か? 不吉ではあるが、爽やかでもある 「ことばのお洒落」は 若い人へのメッセージ。「ここ一番というときにモノを言うのは、ファッションではなく、ことば である」は 名言。ことばを身につけるために「本を読む」ことを最初にあげているのは、乱読家の著者らしい 夜中の薔薇 「夜中に花びらが散ると音がする〜気配というほうが正しいかもしれない。花びら一枚の寿命が尽きて落ちる〜ひとりでに散ることもある」 牛の首 「立派な死に方である〜人はこんな顔で死ねない〜牛は生まれたときから諦めている。人は、叶わぬと知りながら希望を持ち、生に執着しながら死んでいく。牛を食べる人間の方が、食われる牛よりおびえた顔をして死んでゆくのである」 寺内貫太郎の母 *年をとったからといって、どうして人生を「おりる」必要があるだろう〜最後まで人生の捕虜にならず、戦い抜くほうが素敵である *最後まであきらめず、勇猛果敢に生きてやろう。「生きて虜囚の辱め受けず」戦陣訓は、これからの私のスローガンである 手袋をさがす 「しかし、結局のところ私は、このままでゆこう。そう決めたのです〜反省するのをやめにしよう〜たったひとつ私の財産といるのは、いまだに手袋を探しているということなのです」 ことばのお洒落 *ことばは〜無料で手に入る最高のアクセサリーである。流行もなく、一生使えるお得な「品」である *身につけるには努力がいる。本を読む。流行語は使わない。人真似をしない ベルギーぼんやり旅行 「まとまったものは何も見えなかったが〜色あいのはっきりした大国を見物するより、判らないなりに生き生きして、とても面白かった〜これが本当の外国旅行かなという気がしている」
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向田邦子さんの最後のエッセイですね。 明日で突然の死から四十一年になりますね。 今でも向田邦子さんは忘れること無く、懐かしい作家さんの一人です。 向田邦子さんの文章は飾らず率直で清々しい親しみ深い温かみのある語り口です。 会話をするように、語りかけてくる文章に浸りながら読み進めて...
向田邦子さんの最後のエッセイですね。 明日で突然の死から四十一年になりますね。 今でも向田邦子さんは忘れること無く、懐かしい作家さんの一人です。 向田邦子さんの文章は飾らず率直で清々しい親しみ深い温かみのある語り口です。 会話をするように、語りかけてくる文章に浸りながら読み進めて、飽きることがありません。 自らの言葉で気っぷの良く小気味良く文章が綴られています。 もっとたくさんの文章を残しておいて欲しかった作家さんですね。
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「向田邦子」のエッセイ集『夜中の薔薇』を読みました。 『隣りの女』に続き、「向田邦子」作品です。 -----story------------- 気にいった手袋が見つからなくて、風邪をひくまでやせ我慢を通した22の冬以来、“いまだに何かを探している”……(「手袋をさがす」 )...
「向田邦子」のエッセイ集『夜中の薔薇』を読みました。 『隣りの女』に続き、「向田邦子」作品です。 -----story------------- 気にいった手袋が見つからなくて、風邪をひくまでやせ我慢を通した22の冬以来、“いまだに何かを探している”……(「手袋をさがす」 )。 爽やかな自己主張を貫いた半生を率直に語り、平凡な人々の人生を優しい眼差しで掬いあげる名エッセイの数々。 突然の死の後も読者を魅了してやまぬ著者最後のエッセイ集。 ----------------------- 本作品には昭和49年から昭和56年に発表されたエッセイが収録されており、「向田邦子」の最後のエッセイ集となります。 (昭和56年8月の航空機事故で逝去) タイトルにもなっている『夜中の薔薇』は女学生時代の経験… ちょっとドキッとするような体験が綴られており印象深いですね。 友人の出版を祝うパーティー会場から始まり、小学生時代、女学生時代と、話が切り替わるのですが、筋が通っていて違和感がない。 こういう組立て方って、巧いなぁ… と思いますね。 ホントに「向田邦子」の構成力や表現力には、いつも感心してしまします。 海外旅行のエピソードを含む食に関する内容が多かったですが、、、 『男性鑑賞法』のように「向田邦子」の男性を見るときの目線や男性の評価ポイントがわかる作品や、 『手袋をさがす』や『女を斬るなら狐を斬れ』のように「向田邦子」の価値観や人生観が垣間見れるような作品は、特に愉しく読めました。 早逝されたのが残念ですねぇ。
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向田邦子さんの作品は、初めて読んだ。 まず好きだと思ったのは、本の印刷である。 印字されている字を裏から見ると立体的に痕が残る、 その昔ながらの印刷がとても好きだった。 また字体のせいか、印刷のせいか、 時折字が浮かんで見えるような気もして好きだった。 内容は、向田邦子さんってこんな人だったのか、と思ったり、自分のありふれた日常を絶妙な角度で抜き取り、描写するのが上手な方だと感じた。 文を読みながら、勝手に想像が膨らんでゆく。 そのことがとても楽しかった。 ときに眠たくなったり、あっという間に読んでしまったり、お話により集中力が異なり全部読むのに時間がかかったので、★は3つ。 ◯質問 ◯手袋をさがす ◯心にしみ通る幸福 ◯ことばのお洒落 ◯こんにゃく・トーチカ が好きでした。
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著者のエッセイは初めて読んだ。目次を見て「アマゾン」というタイトルが目に止まり「まさかamazonのことではないよな」と思った一瞬後にそんなわけないだろと自分1人でツボに入って何がそんなに面白いのかというくらい笑ってしまった。ただ、向田邦子が2000年代まで存命だったら絶対にam...
著者のエッセイは初めて読んだ。目次を見て「アマゾン」というタイトルが目に止まり「まさかamazonのことではないよな」と思った一瞬後にそんなわけないだろと自分1人でツボに入って何がそんなに面白いのかというくらい笑ってしまった。ただ、向田邦子が2000年代まで存命だったら絶対にamazonについて何か発言していたはずで、自分が生まれる前にこんなに今読んでも違和感のない文章を書いてた人が「○○についてはどう書いたか」と知りたい事柄が多すぎる。本当に惜しい人を早くに亡くしてしまったんだなと今更ながら悲しく思う。
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