コインロッカー・ベイビーズ(下) の商品レビュー
上巻で星5つをつけたのですが、下巻では4つということで。総合的に見れば5つでいいような気もします。 原因は主に、後半での少々長すぎる描写(キクと仲間たちのダチュラ探しのシーンおよび狂ったハシ)。ラストはすっきりとしていたのですが、それまでが少々間延びしていたような。 読み...
上巻で星5つをつけたのですが、下巻では4つということで。総合的に見れば5つでいいような気もします。 原因は主に、後半での少々長すぎる描写(キクと仲間たちのダチュラ探しのシーンおよび狂ったハシ)。ラストはすっきりとしていたのですが、それまでが少々間延びしていたような。 読み終えたのちに読んだ(やたら長い)解説によって気付かされた部分ではありますが、私はこの作品をまるで映画を見るように読んでいました。だからこそ長い描写を無駄だと感じたりもしたわけですが。 頭の中に容易に描くことのできるダイナミックなシーンがとても多いのです。それは作者自身が映画製作など映像を用いた表現にも積極的に関わっていたからであると推測しています。 映画化されたものも見てみようかな。
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高校生のときに読んだ。 ちょっとヤバくて、自分の何かが変わった気がした。多感な時期に読む本じゃないな、と思う。 とは言え、物凄いパワーを感じた事は間違いない。 文体は淡々としてるしているが、息継ぎ忘れるような勢いで、一気に読める。 この後、村上龍の著書を何冊か読んだが、女性観は全...
高校生のときに読んだ。 ちょっとヤバくて、自分の何かが変わった気がした。多感な時期に読む本じゃないな、と思う。 とは言え、物凄いパワーを感じた事は間違いない。 文体は淡々としてるしているが、息継ぎ忘れるような勢いで、一気に読める。 この後、村上龍の著書を何冊か読んだが、女性観は全部一緒。相当歪んでいると思うが、それがどうしたって開き直られている感じ。
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いつかもう一度読みたい。余裕があるときじゃないとゆっくりいろんなこと考えながらこの作品は読めない。 下巻の方が上巻よりも現実感があった。最後の場面はスピード感があって、車で高速道路を走り抜けるような感じがした。ダチュラの部分は怖かった。
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誠に勝手ながら個人的にこれに帯を付けるとしたら、「哀しみに満ちている」とかなんとか。 五感で言うと、嗅覚に最も訴えてくる文体。汗、嘔吐、香水、重油etc・・・。生理的に無理な人もたくさんいるだろう。でもなんていうか、読んでおいて良かったというか。やっぱり小説そのものに圧倒的な...
誠に勝手ながら個人的にこれに帯を付けるとしたら、「哀しみに満ちている」とかなんとか。 五感で言うと、嗅覚に最も訴えてくる文体。汗、嘔吐、香水、重油etc・・・。生理的に無理な人もたくさんいるだろう。でもなんていうか、読んでおいて良かったというか。やっぱり小説そのものに圧倒的なエネルギーが含まれているというか、孕まれているというか。そんな読後感。 かなり間が空いてしまったが、上巻の感想はこんなだった↓ http://d.hatena.ne.jp/suzushige/20080624 あんまり変わって、ない。
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コインロッカーを胎内としてこの世に生を受けたキクとハシ。巨大な鰐を飼う美少女アネモネ。謎を求めて舞台は南海の暗い海底に写る。破壊の意志を持つというダチュラの凶々しき響き。果してダチュラとは何か?そして、巨大な暗黒のエネルギーがもたらすものは?現代文学の記念碑的作品の鮮烈な終章。(...
コインロッカーを胎内としてこの世に生を受けたキクとハシ。巨大な鰐を飼う美少女アネモネ。謎を求めて舞台は南海の暗い海底に写る。破壊の意志を持つというダチュラの凶々しき響き。果してダチュラとは何か?そして、巨大な暗黒のエネルギーがもたらすものは?現代文学の記念碑的作品の鮮烈な終章。(裏表紙より引用) 下巻も読了!上巻より下巻の方が疾走感がありました。 村上龍ワールドはやっぱり凄いです。圧巻です。 これは「限りなく透明に近いブルー」より好きでした。傑作です。 やっぱりハシよりキクのが好き。 下巻の終り3分の1くらいのハシのシーンは、もう心が痛くて読んでられなかったです。(読みましたけど笑。) なんだかんだで、丸く収まるのかと期待してたんですが、見事に裏切られました。でもそこがいい。 物事が丸く収まったかのように見えても、それは形だけってことがあります。 この小説は、全然収まっていない、収まりきらないんですが、収束した感はあります。 詳しくは読んでからのお楽しみ。笑 村上龍の小説は読んでいて痛みを感じます。 最初、私は苦手だなって思いました。 でも痛みを感じるからこそ、後を引きます。 癖になるんです。もう既に私は村上龍の世界に引き込まれています。 そして最後に、アネモネが可愛かった。ダチュラ!
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私は誰にも必要とされていない。 不必要じゃないと人間じゃない。 必要とされたほうが心地いいのか、不必要とされたほうが人間らしいのか。 破壊するために創造し、破壊する。 私は破壊せずに、消去したい。
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2010/3/16 コインロッカー 自閉・閉塞 破壊 タチュラ キク・ハシ・アネモネ 心臓の音 不必要 バタイユ
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村上龍の本を読んでると時々、話が飛んでいるように感じてしまう。辻褄は合っているし、話の流れが変わった訳ではないが唐突に違う場面に出くわす事が多い。そういった意味でぼくに無い世界を映してくれている作家だ。コインロッカーで生まれたキクとハシ、この二人の気持ちを書けるのは凄いと思った。...
村上龍の本を読んでると時々、話が飛んでいるように感じてしまう。辻褄は合っているし、話の流れが変わった訳ではないが唐突に違う場面に出くわす事が多い。そういった意味でぼくに無い世界を映してくれている作家だ。コインロッカーで生まれたキクとハシ、この二人の気持ちを書けるのは凄いと思った。読んでいるとその世界に入って第三者の目で見ているかの様だ。それにしても良くこの世界観を書けるなと思う。相変わらずのドロドロした現実を見る事になるが、コインロッカー・ベイビーズ是非あの力強い生命を読んで欲しい。そして途中から登場するサブ主人公アネモネの物語も面白かった。
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コインロッカーに捨てられた2人の青年期における成長期。内向的破壊と外向的破壊を持つ2人。オチがいまいち納得いかなかった。
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限りなく~、海の向こうで~での鮮烈かつ破壊的な詩的表現+ストーリー性+主要人物のキャラクターの際立ち。 大きな衝撃を受けた作品。 ここから村上龍にハマってしまった。 『それにしてもあんた達いい色に焼けてるね、サーファーかい?白いスーツできめてるところ見ると、サーフシティ・...
限りなく~、海の向こうで~での鮮烈かつ破壊的な詩的表現+ストーリー性+主要人物のキャラクターの際立ち。 大きな衝撃を受けた作品。 ここから村上龍にハマってしまった。 『それにしてもあんた達いい色に焼けてるね、サーファーかい?白いスーツできめてるところ見ると、サーフシティ・ベイビーズだね?』 『いや違う、』 『俺達は、コインロッカー・ベイビーズだ。』 ニヤけてしまいましたわ!ダチュラ!
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