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悪女について の商品レビュー

4.2

216件のお客様レビュー

  1. 5つ

    89

  2. 4つ

    58

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2020/11/11

いやー面白かった。 今からすると昔の作品ですが、古く感じず、この時代に読んでも楽しめる。 何とも君子は艶っぽいなー。 で、結局、死因はなんだったのか? 明らかに嘘つきなんだけど、一方でピュア。 周りが惹かれていくのが分かる気もしなくもない。

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2020/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

もう何度読み返しているかわからないくらい繰り返し読みたくなる本。 もう読まないだろうと人にあげたり古本に売ったりして でもまた読みたくなって購入するという・・・。 1人の女性について、27人の人物が証言していくという 物語で、27章に分かれているのでとても読みやすい。 鈴木君子が富小路公子になってのし上がっていく様が 第三者の目線で証言されていく構成がとても素晴らしい。 そして人によって最低な女と言われたり、女神のような女性と いわれたり、公子のとらえ方が違う点も興味深い。 公子の喋り言葉が癖になって、何年かたつとまた物語の世界に 入りたくなってしまう。そういう本ってなかなかないので、さすが有吉佐和子だって思う。

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2020/08/21

いや~面白いな~~。面白いとしか言えない。すごく面白い。最終的に、読んだ自分自身が28人目になるという構成も含めて最高に面白い。

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2020/07/27

富小路公子を取り巻く27人がそれぞれ自分の思う彼女を語ることで、何も語っていない彼女が浮かび上がってくる物語。語る人によって印象が大きく変わるが、自分のやりたい事のために突き進んでいる、という点は一貫しているなと思った。27の彼女を知るうちに、自分の中にも私の思う"富小...

富小路公子を取り巻く27人がそれぞれ自分の思う彼女を語ることで、何も語っていない彼女が浮かび上がってくる物語。語る人によって印象が大きく変わるが、自分のやりたい事のために突き進んでいる、という点は一貫しているなと思った。27の彼女を知るうちに、自分の中にも私の思う"富小路公子"が出来上がっている気がする。 結局、真実など誰かを通した時点で存在しないのではないか。

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2020/07/09

とても面白く一気に読んだ。これが今から40年近く前の小説とは有吉さん恐るべし。50歳だいぶで逝去されたのがなんとも惜しい。長生きされていたら素晴らしい小説をさらに多く楽しまさせてもらえたのに。

Posted byブクログ

2020/06/25

富小路公子は自分の在りたいように美しく生き、美しく死んだ女だと思う。理想、ビジョンがしっかりしてるとそれを達成するための原動力が違うんだな。「数学と法律と、よく似ているのよ。どちらも人間の思うようになるわ。8という字を数限りなく並べて大きな桁数に仕上げても、それに0を掛けると0に...

富小路公子は自分の在りたいように美しく生き、美しく死んだ女だと思う。理想、ビジョンがしっかりしてるとそれを達成するための原動力が違うんだな。「数学と法律と、よく似ているのよ。どちらも人間の思うようになるわ。8という字を数限りなく並べて大きな桁数に仕上げても、それに0を掛けると0になってしまうの。面白いでしょう?法律も同じみたいよ。いろいろな事実をどんなに積み重ねても、一人の人間の意志で0にしてしまうことも出来るし、本当に面白いわ。」一人の人間の意志で法律までも0に変えてしまうことが出来るのが富小路公子。

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2020/05/21

27人がある一人の女について語っていき、その人となりを形作っていく作品。 めちゃくちゃ面白い!という山場は特になく終わっていくため、読む人によっては退屈してしまうかもしれない…。(かくいう私も途中退屈してしまった笑) 時代が戦後すぐの日本なので、その頃の様子がよくわかってそ...

27人がある一人の女について語っていき、その人となりを形作っていく作品。 めちゃくちゃ面白い!という山場は特になく終わっていくため、読む人によっては退屈してしまうかもしれない…。(かくいう私も途中退屈してしまった笑) 時代が戦後すぐの日本なので、その頃の様子がよくわかってその点は大変興味深かったです。 タイトルは悪女ではありますが、見方によっては完璧なまでの才女です。どんな形であれ、自分の内側にこれほどまでの揺るぎない欲求があることと、それを実行に移せる勇気があることを羨ましく思いました。

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2020/04/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不審な転落死を遂げた女性実業家について、彼女と同じ時代・時間を共有した男女の証言のみで成り立つミステリー。 彼等が語る向かいには、インタビュアーの居る事が窺える箇所も幾度か。 死の要因は犯人又は彼女のみぞ知る所となっており、一人の記者が被害者?の周囲を取り巻いた人々の記憶を引き出している体だろう。 金銭を騙し取られた女性証言者、さも良い様に使われた事を自覚している男性証言者も中には居るが、それでも誰一人として彼女をこき下ろす者は居なかった。 皆、彼女と関わりを持った時間は幸福な思い出として、それぞれの胸に仕舞い続けているのだ。 文庫ではなく出版当時の文芸書で拝読、しかしすらすらと読み進められて驚いた。 真相は最後まで藪の中である。 しかし圧倒的な筆力が、数十年に渡って読者を納得させてきたのだろう。 あぁ、面白かった! <Impressed Sentences> どこにも彼女の姿が見えないので、不思議に思って、窓が開いているので何気なく下を眺め下して仰天したのですよ。まっ赤な花が落ちたようだったと言ってましたが―。

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2020/08/07

富小路公子という女性について27人が順に語るリレー方式。 公子自身が直接語ることはなく、各々の証言から「富小路公子」の人物像が浮き彫りにされていく。 公子の実の親は誰なのか、義彦と義輝は種違いなのか、父親は誰なのか、誰が嘘をついているのか、公子は悪女であったのかー‥これらを作者が...

富小路公子という女性について27人が順に語るリレー方式。 公子自身が直接語ることはなく、各々の証言から「富小路公子」の人物像が浮き彫りにされていく。 公子の実の親は誰なのか、義彦と義輝は種違いなのか、父親は誰なのか、誰が嘘をついているのか、公子は悪女であったのかー‥これらを作者が明言せず、全て読者に委ねているのもまた面白いところ。 謎の多い物語であり、公子が本当に亡くなったのかさえ疑ってしまう。 まああ。私死んでなんかいませんわ。とひょっこり途中で出てくるのではないかと思ったくらい。 その十九、北村院長の話ではマルチーズの光子と公子は似ているということだった。その二十二、テレビプロデューサーの話では、光子が生きていながらも癇癪持ちであるために死んだことにされていた。 公子は生きているのだが何らかの理由で亡くなったことになっているとしたら?『週刊朝日』の記者すらも偽物だったとしたら、、 というのは深読みしすぎかもしれない。 公子は人に好かれる術や、上手く人の上に立つ術をいつのまにか身につけており、知性と機知に富んだ同性から見ても非常に魅力的な女性である。 彼女のふるまいをどうも自分は憎むことができない。 そういう意味では公子は紛れもなく「悪女」なのだろう。

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2020/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ものすごく面白い。読むのに時間が掛かったため最初の方を忘れてしまい、すぐにでも読み返したい気持ちになる。  ミステリー小説なのだけど、真実は藪の中で、誰が嘘をついていても分からない。一度も出てこない主人公は関わりがなくても気になるタイプで存在感がすごい。テレビに出ていた実業家ということで、鈴木その子をイメージしてしまい、邪魔でしかたがなかった。  気持ちだけ主人公に近いタイプの女性にかかわって、散々な目にあったのだけど彼女が主人公のように経済や事業で成功していたら一体どうだったのだろう。

Posted byブクログ