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悪女について の商品レビュー

4.2

212件のお客様レビュー

  1. 5つ

    86

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2018/05/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2018.5.30 読了 長編なのに、すごく読みやすかった。 インタビュー形式なので、文章も硬すぎず、すんなり頭の中に入ってきた。 物語の中心、富小路公子が本当は何者で、何のために嘘を重ねて生きたのか。 それが本当に彼女の言う、「美しいもの」のためだけに、そうしてきたのなら、恐怖を感じる。 しかし、最後にもっと明確なオチがあるのかと思ったが、個人的にはそんなにスッキリするものはなかった。 まあそれが、狙いなのかもしれないけれども。 彼女の存在もだが、一体インタビューしてきた週刊誌の人も何者なんだろうか…。

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2018/03/04

ひとりの謎めいた女性の生涯を、彼女を知る人々の語りで伝えるというもの(典型的ドキュメンタリー仕様)。それぞれの章の語り手(インタビューに応えるえるかたち)となる人物のだれもが巧く描き分けられていて、その異なる立場で語られる主人公への毀誉褒貶が魅力ある人物像を形作っている・・つまり...

ひとりの謎めいた女性の生涯を、彼女を知る人々の語りで伝えるというもの(典型的ドキュメンタリー仕様)。それぞれの章の語り手(インタビューに応えるえるかたち)となる人物のだれもが巧く描き分けられていて、その異なる立場で語られる主人公への毀誉褒貶が魅力ある人物像を形作っている・・つまり作者の狙いは成功している。ただ全体に古臭さの感じられるもので、またそれはもしかしたら刊行時に読んだとして同様に感じられたものであったかもしれない。  昭和の匂いのするエンタメの佳品。

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2017/12/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったなあ… 男女関係の繚乱ぶりも面白いけど、 がらっぱちで盗癖のある母親を拒絶しつつ、がらっぱちな親友や盗癖のある女執事と長くつきあう辺りも複雑でいい。

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2017/03/08

「悪女」富小路公子を主題にした27の変奏. まあちょっとあざといなと思うところもあるが,すぐれた娯楽小説.

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2017/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

謎の死を遂げた女実業家「富小路公子」について、27人がそれぞれに語る。 公子の印象が、語り手それぞれで違うというのは前情報として知っていた。 しかし、一般人として出てくる語り手も、決して一面的でなく他の語り手の話から異なる一面が暴かれていくのが面白い。 「公子」自身は、綺麗な物を追い続け、最後まで自分の中の「悪」を認められず、排除しようとした女性なのではないかと感じた。 自分の中の「悪」を否定し続けた結果、自分そのものが、この世に存在できなくなったということだろうか。 タイトルを「悪男について」に変えてもいいくらい、微妙な男性が多い中、一見間が抜けてるように見える次男が格好良かった。 結局、謎ははっきり解明されないまま物語は終わってしまうが、次男のキャラの良さで「まあいいか」と許してしまうところがあった。

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2017/01/10

鈴木君子あるいは富小路公子が実際はどんな人物だったのか?それぞれの顔を持ち、相手によって巧みにストーリーと性格を使い分けていた彼女は稀代の悪女であり女優であったような。 周囲の人間を手玉にとりつつ、そう思わせない振る舞いは小説の中の人物とはいえ、作者の想像力の逞しさに感心せざるを...

鈴木君子あるいは富小路公子が実際はどんな人物だったのか?それぞれの顔を持ち、相手によって巧みにストーリーと性格を使い分けていた彼女は稀代の悪女であり女優であったような。 周囲の人間を手玉にとりつつ、そう思わせない振る舞いは小説の中の人物とはいえ、作者の想像力の逞しさに感心せざるを得ない。 しかし、普段お付き合いのある方たちもこのうちのいくつかは使い分けているような気もして、少々空恐ろしい... と思わせる威力が本作品には込められている。

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2016/07/17

2016.716-44 若くして子供を2人生みながら、次々と事業を成功させて富豪となった富小路公子の突然の謎の死について、インタビュー形式で語られる。 公子本人は1度も登場せず、27人それぞれが全く異なる人物像描く27話構成。

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2016/03/05

主人公は、富小路公子。 しかし、本人は一切登場しない。 彼女を取り巻く人々が彼女のことを語るという形式で構成されている。 そのため、語り手の主観的で断片的な人物像を幾重にも重ねて物語を成している。 富小路公子は実在したのではないかと錯覚させるほどで、先を読みたくてうずうずするとい...

主人公は、富小路公子。 しかし、本人は一切登場しない。 彼女を取り巻く人々が彼女のことを語るという形式で構成されている。 そのため、語り手の主観的で断片的な人物像を幾重にも重ねて物語を成している。 富小路公子は実在したのではないかと錯覚させるほどで、先を読みたくてうずうずするという読書の醍醐味を味わえた。 以前、読んだときは本当に驚くほど面白く、読書をしない友人に勧めたところ非常に好評だったので、再度読んでみたがやはり面白かった。 そして、前回は思い至らなかったが、とてもよく情報収集をされている著者の努力が随所に感じられた。 さすが、社会派の著者である。

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2016/02/28

引き続き有吉佐和子さん。これも読みたかった本。主人公である”富小路公子”の死後、とある作家がその女の生きざまを本にまとめるべく周囲の人間にインタビューする形。 唸るほど面白かった。読む手が止まらない。この女の本当の姿ってどれなんだろう。最後の章にあった彼女の次男の見方なんだろうか...

引き続き有吉佐和子さん。これも読みたかった本。主人公である”富小路公子”の死後、とある作家がその女の生きざまを本にまとめるべく周囲の人間にインタビューする形。 唸るほど面白かった。読む手が止まらない。この女の本当の姿ってどれなんだろう。最後の章にあった彼女の次男の見方なんだろうか。 彼女の素行のすべての元は、美しいものが好き、そして愛する子供を育てるためだったんだろうと思う、いや思いたい。 でもその追及が凄すぎると人は一線を越えてしまう。正悪の分別がつかないところで息をすることになってしまうのだなぁと。 本当のお母さんは誰だったのか、子供たちの本当の父親は誰なのか、わからないまま終わるんだけど、そのミステリーさがまたこの女に魅了されることとなる。

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2015/09/23

少し芝桜の蔦代と重なるところもありましたが富小路公子、向上心と野心家の塊、それを可憐さとしたたかさで包隠す。現代に蔓延している人のあら探しに夢中な風潮とは別次元の苦労を確実にキャリアアップさせステイタスを築いていく様は勝ち組の実業家であり、あっぱれ!爽快感に溢れていて気持ちよく読...

少し芝桜の蔦代と重なるところもありましたが富小路公子、向上心と野心家の塊、それを可憐さとしたたかさで包隠す。現代に蔓延している人のあら探しに夢中な風潮とは別次元の苦労を確実にキャリアアップさせステイタスを築いていく様は勝ち組の実業家であり、あっぱれ!爽快感に溢れていて気持ちよく読了しました。

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