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悪女について の商品レビュー

4.2

212件のお客様レビュー

  1. 5つ

    86

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    41

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2023/02/21

「羅生門」とかその昔、よく見かけた色んな人の観点を重ねて物語を構成する類の作品で、なかなか楽しめました。 多少設定に無理があるような気もしますが、楽しければ強引に持っていけるという典型かと。 それにしてもこの作家、もう読まれない作家なのかなぁ。かくいう当方もリアルタイムで読んだ作...

「羅生門」とかその昔、よく見かけた色んな人の観点を重ねて物語を構成する類の作品で、なかなか楽しめました。 多少設定に無理があるような気もしますが、楽しければ強引に持っていけるという典型かと。 それにしてもこの作家、もう読まれない作家なのかなぁ。かくいう当方もリアルタイムで読んだ作家ではないので何ですが、栄枯盛衰ではないですが多少寂しい気もします。

Posted byブクログ

2023/01/22

一人の人間を浮かべる時に、人によって印象が違うしいろいろな面があるってことを再確認。 主人公はどこまでも自立していて、そして騙されたことを知らずに生きている人たちはまた幸せなり。

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2022/11/19

「有吉佐和子」の悪を愉しんだ女の一生を綴る長編小説『悪女について』を読みました。 先日読了した「高峰秀子」のエッセイ集『おいしい人間』で、「有吉佐和子」からの長電話がネタとして取り上げられていたのを読んで、「有吉佐和子」作品を読んでみようかな… という気になったんですよね。 ...

「有吉佐和子」の悪を愉しんだ女の一生を綴る長編小説『悪女について』を読みました。 先日読了した「高峰秀子」のエッセイ集『おいしい人間』で、「有吉佐和子」からの長電話がネタとして取り上げられていたのを読んで、「有吉佐和子」作品を読んでみようかな… という気になったんですよね。 -----story------------- 《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》――醜聞(スキャンダル)にまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家「富小路公子」。 彼女に関わった二十七人の男女へのインタビューで浮び上がってきたのは、騙された男たちにもそれと気付かれぬ、恐ろしくも奇想天外な女の悪の愉しみ方だった。 男社会を逆手にとり、しかも女の魅力を完璧に発揮して男たちを翻弄しながら、豪奢に悪を愉しんだ女の一生を綴る長編小説。 ----------------------- 1978年(昭和53年)に『週刊朝日』で連載された作品、、、 謎の死を遂げた美貌の女実業家「富小路公子(鈴木君子)」ついて、作家(記者?)の取材に応える形式で27人の関係者が彼女の人生の断片を語るという面白い構成の作品… 主人公の視点で描かれている部分が全くなく、27人の関係者の様々な証言をつなぎ合わせることによって「富小路公子(鈴木君子)」という人物の人生や、謎の死について推理するというミステリ要素の強い作品でしたね。  ■その一 早川松夫の話  ■その二 丸井牧子の話  ■その三 浅井雪子の話  ■その四 渡瀬義雄の話  ■その五 渡瀬小静の話  ■その六 里野夫人の話  ■その七 大内三郎の話  ■その八 沢山夫人の話  ■その九 沢山栄次の話  ■その十 林梨江の話  ■その十一 伊藤弁護士の話  ■その十二 富本宮子の話  ■その十三 菅原ふみの話  ■その十四 富本寛一の話  ■その十五 鳥丸瑶子の話  ■その十六 レイディズ・ソサエティの事務員の話  ■その十七 瀬川大介の妻の話  ■その十八 宝石職人の話  ■その十九 北村院長の話  ■その二十 銀座のバアのマダムの話  ■その二十一 鈴木タネの話  ■その二十二 テレビ・プロデューサーの話  ■その二十三 小島誠の話  ■その二十四 長男義彦の話  ■その二十五 尾藤輝彦の話  ■その二十六 宝来病院元婦長の話  ■その二十七 次男義輝の話  ■解説 武蔵野次郎 本当の名前も、本当の親も捨てた女「富小路公子(鈴木君子)」の人生が、彼女を知る純朴な青年で簿記学校のクラスメイト「早川松夫」の他、幼馴染の女「丸井牧子」、「公子」の一度目の結婚相手「渡瀬義雄」、「公子」が働いた中華料理店と宝石店のオーナー「沢山栄次」など、男女27人の関係者へのインタビューから徐々に明らかになる展開… 10代で二人の子どもを出産、その後、二度の結婚と離婚を繰り返すが、その間に巨万の富を築いた「公子」は、悪女だったのか、聖女だったのか、、、 彼女のことを語る人物の立場により、大きく評価が異なるコメントが出てくるので、当初は戸惑いながら読み進めましたが… 徐々に、それらの情報がひとつの環としてつながっていき、戦後の混乱期を才覚と悪智、そして身体を利用し、崇拝者を育てることにより築かれた、華麗で奇妙な一代記が明らかになります。 バラバラの断片だった証言を組み合わせることにより、パズルを組み立てるような感覚を味わいながら愉しめる作品でした… 所有するビルから転落死したという、謎の死の真相は「レディス・クラブ」の支配人「小島誠」や次男の「義輝」が語ったように、青空や雲を眺めているうちに、美しいものに近付こうとした行動によるものなんでしょうね、、、 真相に気付いたとき、二度目の結婚相手「富本寛一」が、「公子」のことを語った際の言葉「優しくて、涙もろくて、美しいものが好きな、夢みたいな女性」を思い出しました… 人間って、複雑で多面的な部分があることを、改めて感じさせられた作品でした。 「公子」のイメージって、他の作品でも感じたことがあるよなぁ… と感じて思い出してみましたが、、、 「東野圭吾」作品の『白夜行』における「唐沢雪穂」や、『幻夜』における「新海美冬」と、印象が近い感じがしましたね… 「東野圭吾」は意識していたのかもなぁ。

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2022/11/08

一言で言えばとてもとてもとても面白い小説。 富を築いた女性の謎の死後、彼女と関わりのあった27人に取材をし、それがそのまま小説の構成になっていました。 古い本のようですが今読んでも古さを感じさせない、素晴らしい作品。 悪女か悪女じゃないかは読んだ人それぞれが判断すればよいか...

一言で言えばとてもとてもとても面白い小説。 富を築いた女性の謎の死後、彼女と関わりのあった27人に取材をし、それがそのまま小説の構成になっていました。 古い本のようですが今読んでも古さを感じさせない、素晴らしい作品。 悪女か悪女じゃないかは読んだ人それぞれが判断すればよいかと思いますが、主人公が直接読者の前に現れないのでなかなか判断するのは難しく、だからこそ逆に面白さが増しているように思います。 富小路公子がしたたかであったのは間違いないけど、自分の目的というか欲にとても素直な人なのでしょう。 ここまで徹底してると同じ女としては、愉快ですらありました。 外見と知性に恵まれていながら環境に恵まれていない女性なら誰しも公子のような部分は持っているはず。 女性にも男性にもおすすめ。

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2022/10/08

公子は本能なんだろうなあ。 他人からみたら悪どい関わりだけれど、 本人からすればそうしたいからした。 逆に関わった人は天国と地獄の両極端だが、こころ満たされた男の数が多い。とことん惚れられる事は現金、土地や不動産を失う事なんか微味たる事。男冥利につきるし、純粋っぽく見える女とのセ...

公子は本能なんだろうなあ。 他人からみたら悪どい関わりだけれど、 本人からすればそうしたいからした。 逆に関わった人は天国と地獄の両極端だが、こころ満たされた男の数が多い。とことん惚れられる事は現金、土地や不動産を失う事なんか微味たる事。男冥利につきるし、純粋っぽく見える女とのセックスの満足感は男には大事なんだなあと思う。

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2022/09/29

富小路公子について…最初から最後までただひたすらに27人の証言のみが書かれている本です。まるで自分が記者になって取材しているかのような気分になりました。一体何が起こったのか?富小路公子はどんな人だったのか?ものすごくピュアな人なのか、それともものすごく悪い人なのか…読者の想像力が...

富小路公子について…最初から最後までただひたすらに27人の証言のみが書かれている本です。まるで自分が記者になって取材しているかのような気分になりました。一体何が起こったのか?富小路公子はどんな人だったのか?ものすごくピュアな人なのか、それともものすごく悪い人なのか…読者の想像力が掻き立てられる1冊です。

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2022/09/15

読みながら沢尻エリカがやったらぴったりだなと思って調べたらすでに沢尻さんがドラマでやっていた。 すべて主人公の周りの人たちが彼女について語っているだけで、彼女自身の思いは最後まで出てこないので真相は闇の中…それぞれが想像するしかないという所が、スッキリしないけど後に残って面白かっ...

読みながら沢尻エリカがやったらぴったりだなと思って調べたらすでに沢尻さんがドラマでやっていた。 すべて主人公の周りの人たちが彼女について語っているだけで、彼女自身の思いは最後まで出てこないので真相は闇の中…それぞれが想像するしかないという所が、スッキリしないけど後に残って面白かった。

Posted byブクログ

2022/06/08

有吉佐和子作品を読むのは初めてでしたが、面白くて夢中で読みました。 「不信のとき」はドラマで観て面白かったけど、だからといって有吉作品を読むまでには至らなかった。 「笑っていいとも」の本人の印象が強すぎて、食わず嫌いになっていたというか。 この「悪女について」を読んでいて、木...

有吉佐和子作品を読むのは初めてでしたが、面白くて夢中で読みました。 「不信のとき」はドラマで観て面白かったけど、だからといって有吉作品を読むまでには至らなかった。 「笑っていいとも」の本人の印象が強すぎて、食わず嫌いになっていたというか。 この「悪女について」を読んでいて、木嶋佳苗被告を思い出した。 或る人にとっては聖女、だが別の人からみたら悪女。 そいういう人物はいつの時代でもいるものなのか…。 印象に残っている文章がある。 「童話というのは大人のための読み物じゃないでしょうか。」 「現実生活の厳しさに喘いでいる大人が、お伽噺で夢を取り戻すために。」 現実で夢を取り戻そうとして、人は騙されてしまうものなのか…。 などと色々考えてしまった。 これから、有吉作品を読みまくろうと思います。

Posted byブクログ

2022/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美貌の若き実業家、富小路公子が急死した。 彼女に関わった27人へのインタビューが公子の人生を暴き出す。 昔最初だけ読んで途中で断念した記憶が。 かつてはフィクションと割り切れたけれど、自分の嘘に酔えて、人を自分の都合で振り回せる、そんな人を身近で見ていた経験があると、改めて読み始めたものの、時々彼女と被って、読み進めるのがつらくなる。 けど、絶妙なタイミングで、公子を崇めるような人が登場する。それで、ふっと気持ちが楽になってついつい読んでしまった。 夜学で簿記一級を取るような努力に、人を動かす行動力。凛として素敵な女性である一面と、人を欺いて笑顔でごっそりと奪っていく強欲さに冷淡さ。 公子は鏡のよう。 彼女を見下したり不遜な態度を見せた人間と、彼女に誠実に対応した人々で、悪女にも女神にもなる。 彼女なりの正義なのかもしれない。 烏丸さまの利用の仕方、テレビの愛犬対談のエピソードは痛快だし、銀座のマダムの宝石にはニヤリとした。 これだけ壮絶な生き方をした彼女は幸せだったのか。富と名声は得たけども。それも謎のまま。

Posted byブクログ

2022/02/01

一人一人の主観で語られるある一人の人物について、十人十色とは言うけれど、ここまで感じ方が違い、見栄や嫉妬が含まれることにより、真実はねじまがる。 人の口から語られる人物像を鵜呑みにしてはいけないなと改めて。案外、近くにいた人ほど、自分の保身のために嘘や偽りを容易く混ぜるんだな、と...

一人一人の主観で語られるある一人の人物について、十人十色とは言うけれど、ここまで感じ方が違い、見栄や嫉妬が含まれることにより、真実はねじまがる。 人の口から語られる人物像を鵜呑みにしてはいけないなと改めて。案外、近くにいた人ほど、自分の保身のために嘘や偽りを容易く混ぜるんだな、と思うと寂しくも感じる。 彼女の死が幸せなものであったことを祈る。

Posted byブクログ