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八甲田山死の彷徨 の商品レビュー

4.2

214件のお客様レビュー

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本を置くことが出来ない

一度読みだすと途中で本を置けなくなってしまいます。簡潔明瞭な文章です。今回再読しましたが27年前と同様2日間で読んでしまいました。現在にも通じる大切な事がかかれています。巨大なプロジェクトが成功するか否かの参考になると思います。

岡博文

 実話に基づき、明治…

 実話に基づき、明治陸軍の山岳遭難事件を描いた作品。リーダーの違いによって、一方は遭難、一方は無事帰還と明暗が分かれた。幹部の無責任な言動に憤りを覚える。管理職といわれている者はこの本を読んで、人の上に立つ者の責任の重さを再確認してほしい。

文庫OFF

今も多少はあるのだろ…

今も多少はあるのだろうが、昔のしかも軍隊の上官の命令はそれこそ「死ね」と言われればしななければならなかった。愚かな上官の為に、これだけの犠牲を出してしまったのにこの後の反省はあったのだろうか・・・?いつの世も分別のある良い人間が弱いのはなぜだろうか。可哀想でたまらない本です。しみ...

今も多少はあるのだろうが、昔のしかも軍隊の上官の命令はそれこそ「死ね」と言われればしななければならなかった。愚かな上官の為に、これだけの犠牲を出してしまったのにこの後の反省はあったのだろうか・・・?いつの世も分別のある良い人間が弱いのはなぜだろうか。可哀想でたまらない本です。しみじみと浸ってみませんか?

文庫OFF

雪山サバイバルの実話…

雪山サバイバルの実話に基づく話。2つの部隊のひとつはほぼ全滅、ひとつは生還。リーダーとは何か、マネジメントのテキストにもなります。

文庫OFF

愚かだ。断罪するのは…

愚かだ。断罪するのはたやすい。だが、男たちは懸命に戦ったのだ・・・人間について考えさせられます。

文庫OFF

日露戦争前夜の厳寒の…

日露戦争前夜の厳寒の八甲田山での人体実験。過酷な自然と戦いつつ命を落としていく者、踏破し成功者と呼ばれた者を対比しながら描いた長編。読み応え充分です。

文庫OFF

2024/06/04

極寒の中で飢えや発狂に苦しみ、次々と命を落とす。まさに悲劇だ。状況がどんどん悪化していく中で、次に何が起こるのか、どうすべきか。思わず息を止めて引き込まれてしまう。 この悲劇は組織の失敗によって招かれたものだ。指揮系統の乱れや情報の軽視、諫言を無視する風潮など、様々な組織の欠陥...

極寒の中で飢えや発狂に苦しみ、次々と命を落とす。まさに悲劇だ。状況がどんどん悪化していく中で、次に何が起こるのか、どうすべきか。思わず息を止めて引き込まれてしまう。 この悲劇は組織の失敗によって招かれたものだ。指揮系統の乱れや情報の軽視、諫言を無視する風潮など、様々な組織の欠陥が大きな悲劇を招いた。 自らが悲劇の一端を担わないようにするためにも、歴史上の組織的失敗を学ぶことが必要だと感じた。

Posted byブクログ

2024/05/22

「人の不幸は蜜の味」などというが、まあ読書好きなんて人種は下世話なもので様々なカタチの他人様の不幸を自室でゆったりまったりと楽しんでやろう、なんて連中ばかりである。そういう意味で本書はその不幸の度合いが桁違い。なんせ世界最大レベルの山岳遭難事故なのだから。 弘前歩兵第31連隊と青...

「人の不幸は蜜の味」などというが、まあ読書好きなんて人種は下世話なもので様々なカタチの他人様の不幸を自室でゆったりまったりと楽しんでやろう、なんて連中ばかりである。そういう意味で本書はその不幸の度合いが桁違い。なんせ世界最大レベルの山岳遭難事故なのだから。 弘前歩兵第31連隊と青森歩兵第5連隊の並列構造で進んでいく物語が希望と絶望のグラデーションとなり、ぐいぐいと真冬の地獄のような八甲田山の中に引き込まれる。しかしこの本の最も重要な点は案内人の記述である。雪山行軍を成功させた第31連隊を英雄の如く描写し第5連隊をある種の反面教師化させれば簡単なのだが、本書は第31連隊を率いる徳島大尉の案内人に対する冷酷な扱いをしつこく何度も書いている。そこにははっきりとした批判的意図が見て取れる。生き残った軍人と死んだ軍人、それだけの話ではなく、軍人と民間人、そこにスポットを当てた作品でもあるのだ。私は増沢から田茂木野まで案内人を務めた7人にこそ最も感情移入をしてしまう。

Posted byブクログ

2024/05/21

組織においてやってはいけないことはなにか リーダーにおいて大事なことはなにかを考えさせられました 組織の意識決定はどこにあって、仮に上司であったとしてもその決定は滅多な事では干渉してはいけないんだなと思いました また雪と冷えの恐ろしさの描写は強烈 恐怖を感じました 軍人の民間人に...

組織においてやってはいけないことはなにか リーダーにおいて大事なことはなにかを考えさせられました 組織の意識決定はどこにあって、仮に上司であったとしてもその決定は滅多な事では干渉してはいけないんだなと思いました また雪と冷えの恐ろしさの描写は強烈 恐怖を感じました 軍人の民間人に対する差別意識の描写もなかなかエグい いなければ遭難必至だった案内人も目的地の近くにつくと僅かばかりの金を握らせて最後尾に回すor放置するといった有様 怒りすら覚えました

Posted byブクログ

2024/05/08

「坂の上の雲」を読んだときは明治はチャンスに満ちて明るい時代だったのかなと思ったけど、この本を読むとまた見方が変わる。今と比べて根性論の方が科学よりも優位で階級社会や差別意識が強く残っている世の中の窮屈さみたいなもの感じた。無謀に挑まされることを強いられて途方もなく辛い思いをして...

「坂の上の雲」を読んだときは明治はチャンスに満ちて明るい時代だったのかなと思ったけど、この本を読むとまた見方が変わる。今と比べて根性論の方が科学よりも優位で階級社会や差別意識が強く残っている世の中の窮屈さみたいなもの感じた。無謀に挑まされることを強いられて途方もなく辛い思いをして気が狂って苦しくも無惨に死ぬようなことは、自分はもちろん家族にも絶対に経験させたくないと思った。今の時代でよかったと思った。 それと、寒さとか辛さとか自然の恐怖とか理不尽さとか人間の愚かさとかいろんなものをたった300頁あまりの文庫本でリアルに想像し擬似体験できる読書という行為の奥深さを改めて実感した。

Posted byブクログ