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八甲田山死の彷徨 の商品レビュー

4.2

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    80

  2. 4つ

    85

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

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2021/07/14

 もう40年以上経ちますが映画化もされた有名な作品で、私も以前から気にはなっていたのですが、ようやく手に取ってみました。  壮絶です。まさに、「失敗の本質」で取り上げられた太平洋戦争時の日本陸軍の救いようのない思考スタイルが、このころにすでに軍幹部・将校はもとより下士官から兵卒に...

 もう40年以上経ちますが映画化もされた有名な作品で、私も以前から気にはなっていたのですが、ようやく手に取ってみました。  壮絶です。まさに、「失敗の本質」で取り上げられた太平洋戦争時の日本陸軍の救いようのない思考スタイルが、このころにすでに軍幹部・将校はもとより下士官から兵卒に至るまで軍隊という特殊集団の根底に巣食っていました。  機会があれば映画も観てみたいです。

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2021/07/08

二つの隊の壮絶な雪の軍事訓練の話しだが、序章でのやんわりとした話しが終わって第一章の雪地獄からが凄い。ニ隊の対比で話しは進むが容赦のない自然の猛威が恐ろしい。 リーダーとしてどういう行動が正解かとか村人や上官との人間関係等も当時の状況が詳しく書かれているので、こういう状況では人は...

二つの隊の壮絶な雪の軍事訓練の話しだが、序章でのやんわりとした話しが終わって第一章の雪地獄からが凄い。ニ隊の対比で話しは進むが容赦のない自然の猛威が恐ろしい。 リーダーとしてどういう行動が正解かとか村人や上官との人間関係等も当時の状況が詳しく書かれているので、こういう状況では人はこうなるのか、と思うことができる。

Posted byブクログ

2021/06/01

こんな小説を読んだ後に、なんと感想を書いていいのかわからない。思ったことが上手く文章で表せる自信なく、もどかしい…でもレッツトライ↓ 八甲田はBCで数回訪れたことがあって、その土地を舞台にした小説に興味はありながら、私の中の楽しい思い出とは真逆の、「雪中行軍」(字面ですでに恐ろ...

こんな小説を読んだ後に、なんと感想を書いていいのかわからない。思ったことが上手く文章で表せる自信なく、もどかしい…でもレッツトライ↓ 八甲田はBCで数回訪れたことがあって、その土地を舞台にした小説に興味はありながら、私の中の楽しい思い出とは真逆の、「雪中行軍」(字面ですでに恐ろしい!)の厳しい印象、プラス、「八甲田山死の彷徨」という題名の厳しさに恐れ慄いて、なかなか手が出ず、こちらもまた長ーい積ん読状態の本を、先日の剱岳の点の記の波に乗って、読んでみた。今新田次郎きてます! 八甲田山の雪中行軍ね、と事件についてなんとなく知ってる気でいたけど、読み終わって思うのは1%も知ってはなかった。日露戦争に向かう事件当時明治35年の気風や、日本陸軍の階級制度、指揮官の統率、各個人の性質、、とても複雑に事象が絡んでいて一口に誰々が悪いとか単純な話じゃない。色んな気持ちから読み解ける小説はやっぱり良書ですねぇ。 決して明るい話ではないです、結論見えてるし。でも久しぶりに本の中に入ったし、読んでよかった。 よく練られたであろうタイトルに、一口言うのはおこがましいけど、やっぱり「死の彷徨」なんて(しかも明朝体で!)ついてなかったら、もう少し早く手に取ってたかもなぁ。 2021.6.1

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2021/04/25

著者がまるで従軍記者として同行したかのようなリアリティ。著者の取材力に加え、登山に対する見識の深さが窺われる。 第五聯隊と第三一聯隊何がその明暗を分けたのか。 必ずしも第三一聯隊を美化しすぎないところがよい。例えば、この聯隊にも階級意識があったり、案内人に対する敬意を欠いていた...

著者がまるで従軍記者として同行したかのようなリアリティ。著者の取材力に加え、登山に対する見識の深さが窺われる。 第五聯隊と第三一聯隊何がその明暗を分けたのか。 必ずしも第三一聯隊を美化しすぎないところがよい。例えば、この聯隊にも階級意識があったり、案内人に対する敬意を欠いていたり、慎重さを欠いた判断があったり、そういう描写がいくつもある。 軍内部での不毛な権力闘争、将校たちの理不尽な指揮権の発動、非科学的な精神論、、、その後の太平洋戦争での日本軍の失敗の兆候がこの頃からあったのだとわかる。 教養として読んで損はない一冊。

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2021/04/11

雪中行軍の生死を分けた2つの聯隊の物語。雪の八甲田の描写がすごい。 組織マネジメントの話としても読み応えあり。 そして、なぜそんな過酷な雪中行軍を敢行しなければならなかったのか、その辺りも興味深い。

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2021/03/13

新田次郎が1971年に発表した山岳小説。1902年の八甲田雪中行軍遭難事件を題材としており、1977年に「八甲田山」として映画化され、翌1978年にテレビドラマ化されました。踏破に失敗する第5連隊と踏破に成功する第31連隊の姿が交互に描かれており、明暗を分けた原因が分かりやすくあ...

新田次郎が1971年に発表した山岳小説。1902年の八甲田雪中行軍遭難事件を題材としており、1977年に「八甲田山」として映画化され、翌1978年にテレビドラマ化されました。踏破に失敗する第5連隊と踏破に成功する第31連隊の姿が交互に描かれており、明暗を分けた原因が分かりやすくあらわされています。そんな辺りが、最近では組織のリスク管理などの教科書として脚光を浴びているんだろうなと感じます。ただ、本作はノンフィクションではなく、実際の事件について知りたい場合は、他の書籍などを読んだ方が良いと思います。

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2021/02/20

古い作品なので私に読めるのかと不安でしたが、そんな心配は無用でした。 一人、引きずられるようにまた一人と人間が雪の中に沈んでいく。あまりにも呆気なく亡くなってしまい、山の知識も雪の知識も無い私には信じられなかった。 家に帰りたかったでしょうね。今でも八甲田山には、兵隊さんの霊が...

古い作品なので私に読めるのかと不安でしたが、そんな心配は無用でした。 一人、引きずられるようにまた一人と人間が雪の中に沈んでいく。あまりにも呆気なく亡くなってしまい、山の知識も雪の知識も無い私には信じられなかった。 家に帰りたかったでしょうね。今でも八甲田山には、兵隊さんの霊が彷徨っていらっしゃるとか。

Posted byブクログ

2020/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おもしろいと言っていいのか解らないけど久しぶりに夜更かししても読みたくなった本。 地図がついていたので想像しやすかったし、文章が読みやすかった。 とにかく悲惨だ。 映画も見てみたいな。やっぱりわたしはこういうノンフィクションに惹かれるんだな。

Posted byブクログ

2020/07/16

歴史ある作品だから読みにくいかと思っていたが、とても面白かった。行軍中の厳しさ、組織の面倒な関係や、案内人に対する態度等、とてもリアル。弘前藩は犠牲者を出さずに生還したが、大尉が善人だったかというとそういうわけでもなく。多くの人に読んでもらいたい本。

Posted byブクログ

2020/07/15

映画は何となく知っていたが、昔の日本映画ということで、ちゃんと見たいという思いはあまりなかった。 今回小説を読んで、いかに悲惨な演習であったかを知ることができた。個人が優秀なだけでは限界があり、組織として統制がきちんと取れていないとダメだということがよくわかった。 今の会社の...

映画は何となく知っていたが、昔の日本映画ということで、ちゃんと見たいという思いはあまりなかった。 今回小説を読んで、いかに悲惨な演習であったかを知ることができた。個人が優秀なだけでは限界があり、組織として統制がきちんと取れていないとダメだということがよくわかった。 今の会社の状況とよく似ている。やはりリーダーが占める役割は大きく、さらにリーダーに任せるということも重要な要素であることがわかる。 能力のないリーダーの下にいる部下は不幸である。無責任な指示が199名もの死者を出すことになるのだ。 決断と責任。リーダーとしてしっかりとしなければならないと改めて思う。 映画見てみたくなった。

Posted byブクログ