壁 の商品レビュー
自分の中にある壁、そ…
自分の中にある壁、その壁の向こうにある自分でも理解できない世界。それを描写した幻想的な作品です。特に序文として付け加えられた石川淳氏の「壁」に対する認識に私は共感を持てました。安部公房作品としては中級者向けくらいになるでしょうか?抽象的な表現を好んでいる方にお勧めです。
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ある朝起きると自分の…
ある朝起きると自分の名前を喪失してしまった男が主人公のお話です。日常風景を描いているにも関わらず、全く日常では起こりえない出来事が淡々と起こっていきます。読んでいくうちに何が有りで何が無しなのかが分からなくなってくる、不思議なお話しです。個人的には「バベルの塔の狸」がすごく好きで...
ある朝起きると自分の名前を喪失してしまった男が主人公のお話です。日常風景を描いているにも関わらず、全く日常では起こりえない出来事が淡々と起こっていきます。読んでいくうちに何が有りで何が無しなのかが分からなくなってくる、不思議なお話しです。個人的には「バベルの塔の狸」がすごく好きです。
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不条理の連続が次第に…
不条理の連続が次第に読んでいて快感になってきます。シュールな歌に噴出したり、読んでいるうちに現実がぼやけてくる不思議な本です。
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謎掛けの連続のような…
謎掛けの連続のような不思議な小説。夢を見ているような、幻想的さを感じる!
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ずっと途切れることのない不条理の連発に読書の快楽を感じた。 こちらに考える猶予すら与えずに繰り出されると、それは受け入れざるを得ない上に予想もできないのだからひたすらに驚き、それが娯楽性に繋がっていた
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バベルの塔の狸 魔法のチョーク 事業 現実とは事実なのか、改めて考えさせられる。 シュルレアリスムによって非現実を現実化する方法を学んだとされる安部工房。 夢や無意識、偶然と言った意識でコントロール出来ないものが現実を凌駕するような感覚は今だからこそわかる。我々が普段当たり前...
バベルの塔の狸 魔法のチョーク 事業 現実とは事実なのか、改めて考えさせられる。 シュルレアリスムによって非現実を現実化する方法を学んだとされる安部工房。 夢や無意識、偶然と言った意識でコントロール出来ないものが現実を凌駕するような感覚は今だからこそわかる。我々が普段当たり前に区別しているであろう現実⇄非現実の区別が曖昧になる。そればかりか、今の自分には非現実の精神世界の方が不可欠な物のような気がしている。 世界観が好き。文体が海外作家っぽい。
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見たことあるはずが無いのにありありとヴィジョンが浮かぶ圧倒的な描写力と自分でも気が付かなかった心情をピッタリ同値な比喩で表現されて、ヤバババ〜
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1、児童文学を読んでいたなら意外にも、サクサク読めると思います。 何故ならば、物が喋りだすといった非日常的設定を自然に取り込むことができるからです。 2、シュールな出来事のボケだけでなく、掛け合い等のボケもあって、そこが特に面白いと思った。 3、S・カルマ氏の犯罪のあとに続く...
1、児童文学を読んでいたなら意外にも、サクサク読めると思います。 何故ならば、物が喋りだすといった非日常的設定を自然に取り込むことができるからです。 2、シュールな出来事のボケだけでなく、掛け合い等のボケもあって、そこが特に面白いと思った。 3、S・カルマ氏の犯罪のあとに続く短編はもう少しわかりやすく、短いので読みやすい。
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「目を覚ましました」から始まる。何かしら変だと思う。まるでカフカの変身の毒虫のお話のような失われた自分の名前。 自分の中に砂漠を宿して、いや からっぽになった自分もどきをもてあまして悪あがきをする。 不思議な世界を冒険している童話のようであり、かなりシュールな旅をしているような気...
「目を覚ましました」から始まる。何かしら変だと思う。まるでカフカの変身の毒虫のお話のような失われた自分の名前。 自分の中に砂漠を宿して、いや からっぽになった自分もどきをもてあまして悪あがきをする。 不思議な世界を冒険している童話のようであり、かなりシュールな旅をしているような気分を味わう。 「バベルの塔の狸」は、もっと冒険する。 はたして自分の中の葛藤なのか?様々な要素が絡まる。世界にのめり込んでしまった! 楽しすぎるし、ゾワゾワと鳥肌がたつ!あーでもないこーでもないと頭を巡らせる事ができる。 何度でも読めるし、何度でも違う感想を持てそう。そしていろいろな学び直しをしたくなる 壁はさまざま、物質的にも、精神的にも!壁と思えばすべてが壁
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一部はシュールレアリズム文学としてまだついていけたけど、二部はもうダメだった、意味わからんすぎる、不条理の果ての果て。三部の短編集は薄っすら既読感があった(『赤い繭』と『魔法のチョーク』)。星新一を哲学方向に完成させたというような印象。『事業』は面白かった。表現こそ安部公房的な言...
一部はシュールレアリズム文学としてまだついていけたけど、二部はもうダメだった、意味わからんすぎる、不条理の果ての果て。三部の短編集は薄っすら既読感があった(『赤い繭』と『魔法のチョーク』)。星新一を哲学方向に完成させたというような印象。『事業』は面白かった。表現こそ安部公房的な言い回しだらけなんだけど、構成は筒井康隆ぽいし内容は星新一グロ増しといったところか。他の作家の名前出さないとなんか言えないなんて、感想文としては三流も三流だろうけど、物語の枠組み自体が崩壊したようなものばかりで、そのままでは私にはとても受け止めきれない。だから既知の枠に無理矢理にでも収めて安心したくなっちゃうんだろうな。文学を多少かじった人間の逃避本能出てんのかも、知らんけど。
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