蟹工船・党生活者 の商品レビュー
夏休みに読んだ。 ワーキングプアの惨状を描いた小説というよりは、共産主義者の闘争史ではないだろうか。 どうして今この小説が若者に支持されているのか理解しかねる部分があった。 結局、「蟹工船」も「党生活者」も労働者階級は資本家たちに搾取され続けるっていう終わり方だったが、...
夏休みに読んだ。 ワーキングプアの惨状を描いた小説というよりは、共産主義者の闘争史ではないだろうか。 どうして今この小説が若者に支持されているのか理解しかねる部分があった。 結局、「蟹工船」も「党生活者」も労働者階級は資本家たちに搾取され続けるっていう終わり方だったが、どうも実感が湧かなかった。
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会社の利益と帝国の「国策」のために虐使される労働者が権利意識に目覚めて、ストライキ闘争に踏み切るお話。 船酔いする人にはおすすめしない。 「党生活者」は母親のシーンが心憂い。
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プロレタリア文学の代表的な一冊。 プロレタリア文学に目覚め、労働運動に関わる。 非合法下の共産党に入党し、左翼文学に注力するが、逮捕され29歳という若さで築地署で特高警察の拷問により殺された小林多喜二。 時代という言葉で片付けてしまっては何だけども。 帝国主義の辺境における...
プロレタリア文学の代表的な一冊。 プロレタリア文学に目覚め、労働運動に関わる。 非合法下の共産党に入党し、左翼文学に注力するが、逮捕され29歳という若さで築地署で特高警察の拷問により殺された小林多喜二。 時代という言葉で片付けてしまっては何だけども。 帝国主義の辺境における植民地的な搾取、未組織労働者の団結、国家と財閥と軍隊との関係、天皇制の問題を示そうとしたわけだ。 現代だとブラック企業みたいなものかな。 しかしまぁ、非常に読み疲れる一冊でした。 赤だシンパだ、マルクス、レーニンだ、と。
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最近、ちっとも読書が進みません。 というのも電車に乗る機会が滅法減ってしまったため。 電車に乗らなきゃ本を読まないってのは、ダメ人間になりつつありますなぁ。 なもんだから、今更ながらの「蟹工船」であります。 なんで今頃、こんなプロレタリア文学がもて囃されてるのか。 当時の封建...
最近、ちっとも読書が進みません。 というのも電車に乗る機会が滅法減ってしまったため。 電車に乗らなきゃ本を読まないってのは、ダメ人間になりつつありますなぁ。 なもんだから、今更ながらの「蟹工船」であります。 なんで今頃、こんなプロレタリア文学がもて囃されてるのか。 当時の封建的社会(帝国主義国家)の中での労働者階級の立場と、現代の派遣社員問題が似ているとでも言うのか。 アホ抜かせ、である。 オマケに映画まで作ってやがる。 まあそれは良い。 教科書では教えてくれない、今から70~80年前の日本の社会の一部を知るためには良いと思うが、たんなる娯楽の為の映画なんかになって欲しくはない。 ただ、悲惨な労働条件で働く人々を映画にして、「昔は凄かったんだな。偉いなぁ。」と、そういう映画になる事は目に見えてるが。 まあ、私も当時を知るわけではないが、こういう時代があったという事を、もっと知るべきであると思う。 プロレタリア文学と言っても、何が「文学」なのか? 当時の左翼運動や共産主義運動の為の小説ではないか。 まあ、その辺、ちっとも解らないので勉強が足りんのだろうな。 やはり私は、教科書では教えてくれなかった日本の近代史は、山崎豊子の一連の小説から学ぶことが大きかったんだと思う。 どうしても比較してしまう。 面白いとか面白くないとかじゃなくて、知らなきゃ行けない日本の歴史として読んでおくべきかと思う。 ただし、書かれている思想(具体的にはまったく書いてないけど)については冷静にならなきゃいけません。
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これは教科書だ…と思った。事業が成り立たないレベル=全員で戦う、これがとても大事なんだな。5000回読みたい。走れメロスより蟹工船を教科書に載せた方が良いのでは。
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20年前新入社員として会社に入った頃、1人ビラをまく人がいた。それは会社の搾取を批判した内容で先輩からは「あれは赤や。」と言われ、なんのことかわかったような、わからんような気になったのを思い出す。 この本を読んでいると、その人のビラを撒いている姿を思い出し、何か人の目をはばかる...
20年前新入社員として会社に入った頃、1人ビラをまく人がいた。それは会社の搾取を批判した内容で先輩からは「あれは赤や。」と言われ、なんのことかわかったような、わからんような気になったのを思い出す。 この本を読んでいると、その人のビラを撒いている姿を思い出し、何か人の目をはばかるようにうつむきながら会社の入り口でビラを一人一人にわたし、誰も受け取ってくれずにやり過ごされるのになぜそんなことをしているのか何となくわかったような気がする。 彼は階級的闘争を1990年代というこの作品の舞台となった時代から60年もたったその時も続けてたのかと・・・
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初めて手に取ったのは高校生の時. 苦しい…ひたすら苦しいので,挫折した作品. 漸くもう一回読んでみる気になった. そして…苦しい,ひたすら. しかし,コレ,現代の日本そのものじゃん. それでも,物語の中では最終的に階級闘争は「成功」するのだけど,はてさて日本の現実は? 蟹工船より...
初めて手に取ったのは高校生の時. 苦しい…ひたすら苦しいので,挫折した作品. 漸くもう一回読んでみる気になった. そして…苦しい,ひたすら. しかし,コレ,現代の日本そのものじゃん. それでも,物語の中では最終的に階級闘争は「成功」するのだけど,はてさて日本の現実は? 蟹工船より絶望的かも,なんて思ってしまった.
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『蟹工船』と『党生活者』はある意味で対照的な小説だったが、どちらも興味深く読んだ。理解が間違っているかもしれないが前者は社会主義的・共産主義的運動が組織化する前の原初的な労働争議の発生段階を描写したとも言えるような小説で、後者は、ずっと後になって工場内のストを策動させる為に潜伏している共産党員たちの物語であった。 私個人的には共産主義的思想自体にはあまり共感はしないしこれらの小説を読んだからといってそれは変わらなかったが、「蟹工船」は、労働争議というよりもむしろ人間の最低限守られないといけない部分が危機に瀕した時に、弱い立場にある者がいわば自然発生的に反抗する、反抗すべくして反抗する様を具体的に描いていて面白かった(全く、立場を背景にいうことをひたすら聞かないといけないというのは不快なものである)。 「党生活者」は、もっと時代が後になって、共産党の党員である「私」が、官憲の手から逃れながら、ある軍需工場内に秘密裏に潜入し思想的扇動を図ろうという話であった。これもリアルな小説で面白かったが、この時点ではすでにあるイデオロギーが確立(先行)されていて行動が後になっているので、例えばもしかするとこれが新興宗教の勧誘員の話であっても、また全く逆の立場の右翼団体の構成員であってもやはりおおよその筋書きは同じようなものになるような気がした。 また主人公が心配する母を捨ててでも、あるいはヒモのようになってでも活動に邁進しようとする様は冷静に描かれているだけに狂気じみていると思った。作者自身の辿った運命を考えた時、作者自身が家族のことあるいは恋人のことなどと、社会全体を救いたいという信念とで、もっと深く懊悩することがあったのではないかとは思う。それをおそらく、寓意的な意味で小説に盛り込んだのではないかと思った。
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プロレタリア文学の傑作、と評されるイメージとだいぶ違った。なんかマガジンとかに連載されてそうな漫画っぽい印象(ただしスプラッタ系)。海の波の描写が多いが、表現が独特でそこは面白かった。
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1930年くらいに書かれた小説。 筆者は共産党員ということで、資本主義批判と当時非合法な共産党員活動が綴られている。 資本主義における上位層(裕福層)が長期的な利益を得るために、短期的に生きる事に困っている貧困層をうまく惑わして、都合の良い労働に従事させている(そして、用済みとな...
1930年くらいに書かれた小説。 筆者は共産党員ということで、資本主義批判と当時非合法な共産党員活動が綴られている。 資本主義における上位層(裕福層)が長期的な利益を得るために、短期的に生きる事に困っている貧困層をうまく惑わして、都合の良い労働に従事させている(そして、用済みとなれば解雇する)背景が共通している。 この類の本は、教養が無いと話の4割くらいは損すると思ってる。共産主義の理念とか、問題点とか。 そして教養がないと、共産主義のほうが資本主義より優っている様に錯覚しがち(当たり前だが、筆者は共産主義なので) こーゆー話を小中学校の国語の教科書に載せてほしい。 【蟹工船】 極貧層で地元に働き口が無く、最後の手段で蟹工船に乗った人達の話。 主人公はいなくて、劣悪な環境で働くことを強いられる雑夫達。彼らは自分勝手に気ままに共同生活をしていたが、過酷かつ残酷な現場監督のやりかたに不満と憤りを募らせ最後に一致団結する。 勝手な想像で、“蟹工船=命のリスクを伴う代わりに稼げる"話かと思ってたら全く違ってた。稼げるのは現場では無く経営陣。 【党生活者】 非合法に政治活動を行う共産党員の主人公と仲間の話。 蟹工船より読みやすいかも。主人公がいるし。 資本主義の体現となった工場の野望を挫き、共産主義を大衆に根差すかがテーマ。 1930年代の日本の事情、生活水準とか文化とかを知らないので、彼らの行動に対して良いも悪いも言えない所が辛い。
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