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蟹工船・党生活者 の商品レビュー

3.5

311件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/10/25

正に近年の日本。 もうすぐ衆院選だが、選挙の大切さを身に染みた。 国や周りを変えるのは己とその組織。 資本主義が世界で崩壊されつつある今こそ読んで良かったと思った。 一時期に確かこの本はかなり売れ行きが尋常ではない時期があり、これは「ブラック企業」が出始めた頃だったように記憶して...

正に近年の日本。 もうすぐ衆院選だが、選挙の大切さを身に染みた。 国や周りを変えるのは己とその組織。 資本主義が世界で崩壊されつつある今こそ読んで良かったと思った。 一時期に確かこの本はかなり売れ行きが尋常ではない時期があり、これは「ブラック企業」が出始めた頃だったように記憶している。 声を上げることの大切さ。 その資格は選挙にあると考えている。

Posted byブクログ

2021/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

はずかしながらブーム(2008年)にのってしまい、読みました!  わかいころ、求めてプロレタリア文学を読んだ時期がありました。そのときに挫折した本です。あまりにもリアルで、でもかけ離れているようで嫌でありました。  まあ、『チボー家の人々』で洗礼を受けただけのやわなオトメだったわけでありました。  さて、甲羅も厚くなった今読んでみて、なるほどこれは優れた文学だと思いました。筋の通った思想と、表現が平明な言葉・描写で完璧です。  荒々しい北の海に浮かべたぼろ船上での、極限搾取にあえぐ季節労働者。  現代のワーキングプアと言われているひとたちの状況と似通っていて、これは自分達の事だと思うのも、このいきいきした文章にあると思います。  しいたげられているよわいものたちが集まって自分達の立場をすこしでもよくする、いまでは常識になっていますが、渦中にいるとこれがなかなか気がつかないのですよね。  まして状況、立場が違っていると、まったく気にも留めずにうかうかと過ごしてしまいます。それは「知らないということは罪」と同じです。  読めてよかった本です。

Posted byブクログ

2021/08/21

いつの世も、搾取する側とされる側がいるのは変わらんなぁ…と。 読んだの学生の頃なのですが、あまり「おもしろかった!」という印象はないものの、今でも結構鮮明に内容思い出せる。 当時の経済学の教師がゴリゴリの左傾だったのでそれともマッチして記憶されてるのかな。

Posted byブクログ

2021/08/09

昔は働くも命がけだったんだな。今じゃ信じられない。 人間はお金で良くも悪くもなる。人間はみんな同じなのに身分や役割が違うだけで態度が変わるのか。 働くとかお金とか人間の弱さを考えさせられる本でした。

Posted byブクログ

2021/06/02

過酷な労働環境もさることながら、弱者同士でも格付けが行われるのが人間的だと思いました。 人間は平等だと言いながらも、動物の部分は消せないのですね。今も昔も変わらない。 地名や方言が強いせいか、読みにくい方もいらっしゃるかと思います。

Posted byブクログ

2021/04/04

実際には青空文庫にて2冊読了。「蟹工船」の労働者の苦しみは、普遍的な問題だからこそ今なお古びない。「党生活者」については、こんな時代があったことを今まで知らなかった自分の無知を恥じるばかり。やはり特定の思想を持っただけで弾圧される社会というのは恐ろしい。そして何より、そのような時...

実際には青空文庫にて2冊読了。「蟹工船」の労働者の苦しみは、普遍的な問題だからこそ今なお古びない。「党生活者」については、こんな時代があったことを今まで知らなかった自分の無知を恥じるばかり。やはり特定の思想を持っただけで弾圧される社会というのは恐ろしい。そして何より、そのような時代にこの作品を書き上げた小林多喜二には敬服する。警察により虐殺されたというその最後が、更にこの作品の重さを増している。

Posted byブクログ

2021/03/30

全体的に、言葉遣いとか言い回しが分かりにくく、とても読みにくかった。 実際に蟹工船というのがあったんだろうか。資本主義の中の富裕層と貧困層の対比を描いたんだろうけど、当時はこれが普通だったのか? 「党生活者」は、主人公たちが何をしたいのかよく理解できず。

Posted byブクログ

2021/03/15

蟹工船・・船での生活が生々しく描かれており目をそむけたくなった。 党生活者・・党のためにこのような生活をしていた人がいたことを初めて知った。時代背景について知りたくなった。

Posted byブクログ

2021/03/08

この作品は。10年前のブームの時に読んだときはあまり好まなかった。再読でもあまり変わらない。いろいろ理由がある。私事ながら南北海道方言の労働者がトラウマになっているのもあるがやはり蟹工船とは何かが分かりづらかった。当時は冷凍技術が未発達だからなのだが、母船が缶詰工場を兼ねている必...

この作品は。10年前のブームの時に読んだときはあまり好まなかった。再読でもあまり変わらない。いろいろ理由がある。私事ながら南北海道方言の労働者がトラウマになっているのもあるがやはり蟹工船とは何かが分かりづらかった。当時は冷凍技術が未発達だからなのだが、母船が缶詰工場を兼ねている必然性がピンとこなかったのがまずある。そしてなぜ海軍が民間漁業に関与しているのか? その理由が、北海漁業が繊維産業に次ぐ外貨獲得手段である事、ソ連と国境付近での経済活動を既成事実にしようという国策企業である事が今一つ伝わらなかったのもある。 なにより大事なテーマである、この船の労働者がどのような労働をやっているのかがほとんど描写されないので彼らの何が大変なのかイメージがわかない。 蟹工船の労働者は大きく分けて、母船の運転水夫、川崎船で漁をする漁夫と捕った蟹を加工する作業者たちの3グループになるはずだ。どうやって誰が蟹を捕っているのか? 川崎船とは何なのかもこの本を読むだけは理解できなかった(これらはネット調べて理解した)。 物語のほとんどは、蟹加工労働者を中心に進むが、 彼らは蟹を踏んづけている意外に何をやっているのかがやはり文字を追っただけでは理解できない。 汚いボロ船であることばかりが強調されるが、そんなドロドロした異臭漂う船で食品加工業ができるのか?カニ缶は欧米に輸出して外貨を稼ぐ貴重品であり、食中毒を出したら終わりではないのか? 普通に考えたら、蟹を捕るのも大変だが、毟って、茹でて、蟹肉を取り出す歩留まりをあげたり、缶詰め巻締機の稼働率をあげたり、衛生品質面を重視した掃除洗濯を効率よく実施する配員計画が大切なはずだがその辺はまったく描写がない。 嫌になるほど捕鯨と鯨学を講釈するメルヴィル「白鯨」の10分の一でも蟹加工の労働内容を書いてほしいものだ。写実的に労働者を描いたというより、文体のリズムと修辞的表現で読ませるプロレタリア文学なのだと思う。 六角棒を振るう浅川だが、ガレー船の船漕ぎ奴隷でもあるまいし、集中力と繊細さを要する食品加工業職場で、この異常な暴力は現実味がないと思う。戦前とはいえこんな監督者が本当にいたのだろうか? 本来だったら圧倒的多数である海の荒くれ男に囲まれた浅川の方がはるかに命の危険が大きい。雇われ管理者でありながらあれだけ会社の利益に尽力するマネジメントを行う浅川は(善悪はともかく)傑出しているようにすら思えた。わたしは、かって北の工場で船長タイプの新米腰抜けマネージャーだったので特にそう思った。  モデルとなった事件“漁夫雑役夫虐待事件”に関する当時の新聞記事も読んだが、本作の虐待事件はほとんどこれらの記事に拠っている。実際の裁判の結果、浅川のモデルは数カ月の懲役刑になっているので程度の差こそあれ虐待があったのは確かだろう。 しかし、この物語の問題は日本帝国の資本主義帝国主義の病理というよりも浅川と現場の確執に収斂されるように思えた。 一方併録された『党生活者』だが、プロレタリア文学と言うより普通の小説として読んでも非常に面白いと思った。 秘密工作員として特高に追われて地下に潜伏し、女性のヒモのような暮らしをすることになっても暗さや卑屈さを感じさせない主人公。労働者の地位向上を目指して、ひたすら邁進する一途な単純さというか、やはり理想をもってぶれずに行動する人間の生き方は明るい。 ちなみに彼らの手段は暴力革命やテロ行為ではなく、あくまで労働者への団結の呼びかけと啓蒙活動である。 美貌と信念とユーモアをもった女闘志の伊藤もこの話を明るくした。 活動の為に、老母とも最後の別れの場面は感動的であり、わたしも肉親を思い出し感情移入したところだ。 近代日本の闇である活動家への激しい拷問に関してかなりリアルに言及されているが、後に拷問虐殺された作者自身の運命を予言していたことは残念である。 作品そのものは、共産主義アレルギーいわゆるアカ嫌いな人が読んでも面白いと思う。

Posted byブクログ

2021/02/21

ひたすらにえげつない。監督にボコボコにされた漁夫が恨みを晴らすため監督の部屋に殴り込んで部屋をめちゃくちゃに壊したが、監督だけはどういうわけか居なくて監督だけは壊せなかったという場面が特に印象的だった。いつの時代も損をするのは末端の人間で、上の人間は何かあったら尻切れトンボのよう...

ひたすらにえげつない。監督にボコボコにされた漁夫が恨みを晴らすため監督の部屋に殴り込んで部屋をめちゃくちゃに壊したが、監督だけはどういうわけか居なくて監督だけは壊せなかったという場面が特に印象的だった。いつの時代も損をするのは末端の人間で、上の人間は何かあったら尻切れトンボのように逃げていく。この時代の労働者が共産主義に憧れたことは必然だったのだなと思った。

Posted byブクログ