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蟹工船・党生活者 の商品レビュー

3.5

311件のお客様レビュー

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プロレタリア文学の代…

プロレタリア文学の代表的作品。勉強になる内容でもあります。

文庫OFF

2024/10/07

わかりにくい部分もあったものの、引き込まれる内容のプロレタリア文学。 構成が秀逸。 方言や時代の前提(川崎船など)が一部わからない部分もあったものの、徐々に労働者の状況が説明され、自然と共産思想に近づいていく様が段階的に描写されていた。 人を使う側/使われる側という構造は今の時代...

わかりにくい部分もあったものの、引き込まれる内容のプロレタリア文学。 構成が秀逸。 方言や時代の前提(川崎船など)が一部わからない部分もあったものの、徐々に労働者の状況が説明され、自然と共産思想に近づいていく様が段階的に描写されていた。 人を使う側/使われる側という構造は今の時代にも通じるものを感じた。 また、当時の情勢でこの本を発した小林多喜二が凄惨な最期を遂げたのもわかるなと思ってしまうような(この本を書いた時点で資本家ひいては国家権力に疎まれる構造かと思うが)秀逸な作品だった。

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2024/08/28

プロレタリア文学というものを初めて読んで、当時の日本に生まれなくて本当に良かったと感じた。今では考えられないほど、労働者に対する扱いがひどく、正当な賃金を貰えないばかりか、暴力を受けることまであり、これが今と同じ日本という国であるとは想像がつかない。当時の日本の状況や労働者の扱い...

プロレタリア文学というものを初めて読んで、当時の日本に生まれなくて本当に良かったと感じた。今では考えられないほど、労働者に対する扱いがひどく、正当な賃金を貰えないばかりか、暴力を受けることまであり、これが今と同じ日本という国であるとは想像がつかない。当時の日本の状況や労働者の扱いを知るきっかけにもなり勉強になりました。

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2024/08/13

その時代を生きていない私でも時代逆行なことがわかる、命を懸けて書かれた文学。 命懸けなのに希望に満ち溢れていて「いつか日本はこうなれる」と信じて疑わない小林多喜二の思い。 希望を持つことで殺されたことに心痛く感じる。

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2024/07/15

本当に読んでいくたびに地獄とはこの事かとおもった。ここまで時代に逆行した小説を当時描いていたのは本当に凄いと思う。

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2024/06/02

プロレタリア文学というものを初めて読んだ。文学というものの存在意義、文学の持つ力、芸術性、それら全てを感じられる作品であった。文学とは、芸術とはこうあるべきであると思う。

Posted byブクログ

2024/04/27

多分中学生のときに読んだ。確か徳永直の「太陽のない街」と合本になった新潮文庫。半世紀以上経って読み直してみると、小説としてはやや生硬でプロパガンダ臭が強い。しかし大正デモクラシーの余韻があるとはいえ、大正15年に制定された治安維持法が改正・強化された昭和3年の直後、昭和4年に発表...

多分中学生のときに読んだ。確か徳永直の「太陽のない街」と合本になった新潮文庫。半世紀以上経って読み直してみると、小説としてはやや生硬でプロパガンダ臭が強い。しかし大正デモクラシーの余韻があるとはいえ、大正15年に制定された治安維持法が改正・強化された昭和3年の直後、昭和4年に発表されたという時代背景を考えれば、やはり意義深い。帝国海軍の駆逐艦が密猟の手助けをするあたりは生々しい。ベーリング海での蟹漁の過酷さは、ディスカバリー・チャンネルのドキュメンタリーと重なる。

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2024/01/21

プロレタリア文学の代表作。 行き過ぎた資本主義への抑制、という観点では、現代社会においても、共感できるところ、学ぶべきところはあるのだろう。 最後に監督が解雇され、自分もまた大きな社会構造の歯車でしかないことに気づかされる。 厳しい労働環境を具体的に描く一方、この終わり方を以っ...

プロレタリア文学の代表作。 行き過ぎた資本主義への抑制、という観点では、現代社会においても、共感できるところ、学ぶべきところはあるのだろう。 最後に監督が解雇され、自分もまた大きな社会構造の歯車でしかないことに気づかされる。 厳しい労働環境を具体的に描く一方、この終わり方を以って社会構造全体の問題として提起することの効果はあるのだと思う。(文中にも、そのようなことは触れられているが) 小林多喜二自身は、国家権力に抹殺されたわけでが、この作品が今なお読み続けられているということは、イエスキリストではないが、殉教者として将来への影響を却って大きくしているのだろう。

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2024/01/23

ー蟹工船ー マルクスは労働力の商品化を唱えたが、蟹工船では、労働者(人間) が器と化している。その器とは、「労働」という機能を果たすための器である。家畜ならば、働けなくなっても、 その肉を食らうことができるが、壊れた器は捨てるしかない。なので、蟹工船の労働者たちは、家畜にも劣る扱...

ー蟹工船ー マルクスは労働力の商品化を唱えたが、蟹工船では、労働者(人間) が器と化している。その器とは、「労働」という機能を果たすための器である。家畜ならば、働けなくなっても、 その肉を食らうことができるが、壊れた器は捨てるしかない。なので、蟹工船の労働者たちは、家畜にも劣る扱いを受けている。作者はこれを、ぼかすことなく明確な言葉で、寒々と した海や船を背景に描いている。虐げられた労働者は、少しずつ、抵抗の方法を模索し、こわごわと実行しいく。その中で、大金持ちがその手下を従え、その手下が労働者を絞り上げるという図式に「国」 が加担していることが見えてしまう。手下はここでの労働を「お国の ため」と労働者に刷り込んできたが、「国」は大金持ちやその手下と一蓮托生だ。しかし、 蟹工船の労働者の抵抗は、資本家 VS 労働者という構図よりももっと根源的な、労働者が生き延びて故郷に帰るための行為として捉えられる。当時の労働者の扱われ方の現実、主義、 思想などに絡む重たいテーマを取り上げながら、情景をまざまざと思い浮かべさせる描写の妙、登場人物が語る方言に人間味とユーモアをも含む、質の高い文学作品だと感じた。 ー党生活者ー 題名からイメージされる、活動家たるが故にさらされる緊迫感や、潜伏生活での不自由さやストレスなどはあまり伝わってこなかった。どちらかと言えば、自分たちの活動に懐疑的なところからの自虐的なおかしみや虚しさを感じる。 気になるのは、所々に使われる意味の分からない活動家用語。登場人物たちは、もちろん、言葉の意味は分かっているのだろうけど、その活動がどういう意味を持つのか、最終目的の具体的なイメージは何なのか、その活動はそのイメージに近づくためにどのような位置づけなのか、分かっていないような気がする。その言葉や、その言葉で表わされるアクションに酔って踊っているだけではないのか。更に、彼らは、安全なところでぬくぬくとしている誰かに酔わされ踊らされているだけなのではないか。そんなことすら考えてしまった。

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2024/01/04

『蟹工船』も『党生活者』も、労働者や党員の置かれていた惨状があまりにも詳細に記されていて、本当にこんな世界が存在するんだとひしひしと実感して辛い。 「戦争は資本家が自分たちの利益のためだけに始めた」というような記述があって、自分が今まで習ってきた歴史がひっくり返るような気持ちがし...

『蟹工船』も『党生活者』も、労働者や党員の置かれていた惨状があまりにも詳細に記されていて、本当にこんな世界が存在するんだとひしひしと実感して辛い。 「戦争は資本家が自分たちの利益のためだけに始めた」というような記述があって、自分が今まで習ってきた歴史がひっくり返るような気持ちがした。わたしは命の重さが人によって違うような世界に生きているのかもしれない。 わたしは共産主義者ではないけど、それは共産主義について何も知らないからであって、この本で小林多喜二が言っていることは間違っていないように感じる。もっときちんと勉強したい。

Posted byブクログ