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暁の寺 の商品レビュー

3.8

126件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2013/01/16

二巻までは気持ちよく読んだものの、本作はイマイチでした。本多が変態オヤジになっただけのような(´・_・`)

Posted byブクログ

2012/12/09

1、2巻で唯一自覚的に輪廻転生を見守ってきた本多が主人公となった1作。1巻で松枝清顕として登場した『生』が、勲を経て、今回はタイのプリンセス ジン・ジャンとなって本多の前に現れる。 仕事の報酬として大金を手にいれ、余裕ある生活を送るようになった初老の本多の、理性というのか、それま...

1、2巻で唯一自覚的に輪廻転生を見守ってきた本多が主人公となった1作。1巻で松枝清顕として登場した『生』が、勲を経て、今回はタイのプリンセス ジン・ジャンとなって本多の前に現れる。 仕事の報酬として大金を手にいれ、余裕ある生活を送るようになった初老の本多の、理性というのか、それまで自身の核であった意思の壁のようなものが崩壊した姿が無惨で、哀れに感じた。露悪趣味と思えてしまうほど、どんなに些細な醜い心のうちや弱さ、慾望まで光を当てて曝け出していて、この作者のように美学が強い人ほど、醜いものにも強く感応してしまうのかなと思った。 長く挿入されている仏教哲学も内容もあまりに深くて難解で、私はきちんと理解出来ていないと思う…。ただ、読み終わって、何か大きな力(阿頼耶識というものだろうか?)の中にいて無力な人間の儚さを感じた。 それと、この小説を書き終わった後で割腹自殺をした三島が、何かひどく壮大なことを考えながら執筆していたのだろうことは、ヒシヒシと感じられた。

Posted byブクログ

2012/10/25

豊饒の海四部作の第三巻。起承転結でいうところの転にあたる部分だけに春の雪、奔馬とはひと味違った面白さがあった。 これまで清顕や勲を見守ってきた本多が主人公となり、輪廻転生についても深く解説がある。 本多の老いと、清顕や勲の生まれ変わりである月光姫の美しさが対象的で、本多のキャラク...

豊饒の海四部作の第三巻。起承転結でいうところの転にあたる部分だけに春の雪、奔馬とはひと味違った面白さがあった。 これまで清顕や勲を見守ってきた本多が主人公となり、輪廻転生についても深く解説がある。 本多の老いと、清顕や勲の生まれ変わりである月光姫の美しさが対象的で、本多のキャラクターの変わりようが面白かった。 最終巻への期待も高まる。

Posted byブクログ

2012/05/10

『豊饒の海』シリーズの「転」。前作までは脇役であった「本多」を軸に物語が進んだり、「清顕」-「勲」という系譜に「月光姫」という女性が出てきたりと、『春の雪』『奔馬』とは違った展開を見せる異色の作。

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2012/02/22

春の雪の松枝、奔馬の勲の生まれ変わりである月光姫ジン・ジャンに恋をした本多。 さきの二つの作品に比べて、いっそう魂を揺さぶる物語の力強さがありました。 燃え上がる焔の中に煌めく世界の本質。 すごい、です。

Posted byブクログ

2012/02/21

豊穣の海シリーズ第3作。 起承転結の転に相応しく,また難解でもありました。 ここでこうリンクしてくるかと,天才だなー言葉奇麗だなーとか思いながら読了。 とりあえず文学者は猥褻なシーンを猥褻じゃなく書くのがウマいですな。

Posted byブクログ

2012/01/19

読むうちに何が主題だかわからなくなる。手に入らなくなった途端生まれる欲望を現した清顕から時を経て、その清顕が転生した王女が今度は本多の欲望の対象となる。しかし本多の求めるものは一体何なのだろう。清顕の転生の意味するものは何なのだろう。

Posted byブクログ

2019/04/28

『春の雪』『奔馬』に比べると、 時代が下ったせいか、 急に下世話な雰囲気になっていますが、 こちらの方が読みやすくて面白いです。 清廉潔白を絵に描いたようだった本多繁邦が、 年を取り、しかも莫大な富を得た結果、 薄汚れた変態さん(爆)になっちゃってて ビックリしますけど(笑)。

Posted byブクログ

2021/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

豊饒の海第3巻。 輪廻転生の思想が今までで一番綿密に描写されております。 タイは行った事がないけれど、あちらの熱気や 夕日に染まる寺院が目に浮かぶような情景描写に圧倒されました。 勲の生まれ変わりであるジン・ジャンの内面描写は皆無で、 本多が主体となってお話は進んでゆきます。 しかし本多が少女の寝床を漁って縮れ毛を拾うような男になるとは。 それほどまでにジン・ジャンへの肉体への執着が凄まじかったです。 けだるくて熱っぽくて甘い彼女の肉体の描写はタイのイメージそもののような気がします。 ラストは少し?が残りましたが、ここから最終巻にどう繋がるのか楽しみです。 あと今西という男が強烈でしばらく忘れられません・・・。 「石榴の国」のお話が読みたい。

Posted byブクログ

2011/10/23

 前に途中で断念した本。読了出来たのは、僕の根性がアップしたから!?  久しぶりに三島由紀夫の小説を読むと、その華麗で装飾的な文体にくらくらしてしまう。読む感覚を取り戻すのに少し時間がかかる。  『豊饒の海』の第三部、人生を達観してしまった主人公はタイで美しい幼い姫に出会う。その...

 前に途中で断念した本。読了出来たのは、僕の根性がアップしたから!?  久しぶりに三島由紀夫の小説を読むと、その華麗で装飾的な文体にくらくらしてしまう。読む感覚を取り戻すのに少し時間がかかる。  『豊饒の海』の第三部、人生を達観してしまった主人公はタイで美しい幼い姫に出会う。その姫が主人公の退屈な人生を侵食していく。熱帯のようにうなされそうなストーリー。

Posted byブクログ