暁の寺 の商品レビュー
今まで転生の観察者であった本多が この巻では主人公となる。 歳を重ねた本多が見出していく死生観めいたものが ただでさえ難解なのに、なかなか時間がとれず 読むのに間をあけてしまったのでほとんど理解できなかった。 清顕や勲の生まれ変わりであるジンジャンの目線が 語られることがないの...
今まで転生の観察者であった本多が この巻では主人公となる。 歳を重ねた本多が見出していく死生観めいたものが ただでさえ難解なのに、なかなか時間がとれず 読むのに間をあけてしまったのでほとんど理解できなかった。 清顕や勲の生まれ変わりであるジンジャンの目線が 語られることがないので、彼女の行動の真意もわかりかねる。 終盤に怒涛のように起る出来事にただ驚くばかりだった。 そもそもなぜみんな本多の身近に生まれ変わってくるのか? たくさんの「?」が頭の中をうごめいているけど、 四巻に進みたいと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
清顕の転成やインドの物語には興味を持つものの、本多ののぞき趣味は最後まで共感できず。。。ただ、三島が何を書こうとしていたのかが知りたくて、読了。うーむ。
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実に難解、流れから行くとヒロインとなるべき月光姫は脇役に過ぎずこれまでのストーリーテラーであった本多が主人公に昇華する。そして綿々と綴られる輪廻転生の仏教思想は安易な考えでページを捲る手をこれでもかと拒絶し幾度となく読み返しを強いる。浅学な私が言えること、それは本多は三島本人であ...
実に難解、流れから行くとヒロインとなるべき月光姫は脇役に過ぎずこれまでのストーリーテラーであった本多が主人公に昇華する。そして綿々と綴られる輪廻転生の仏教思想は安易な考えでページを捲る手をこれでもかと拒絶し幾度となく読み返しを強いる。浅学な私が言えること、それは本多は三島本人であり老いさらばえ凋落して行く焦りと葛藤を、最早死せるしか答えを見出すことが出来ぬことを見事に代弁させることに成功している…これこそが三島のレトリックの集大成だったのではなかろうか。起承転結の転は転句の意になく転落であると確信する
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正直に...ロリコンおやじじゃん。と思うけど。。。。 たぶん、そんなに浅はかではないのだろう。 でも、今の私には理解できない。 金持ちになったらこんなになってしまうのだろうか?それを利用する人もいるはわかる。 この度の物語は、三島の真骨頂なのではないか。とおもうけど私には理解...
正直に...ロリコンおやじじゃん。と思うけど。。。。 たぶん、そんなに浅はかではないのだろう。 でも、今の私には理解できない。 金持ちになったらこんなになってしまうのだろうか?それを利用する人もいるはわかる。 この度の物語は、三島の真骨頂なのではないか。とおもうけど私には理解できない。 いつか、もう一度読み返したい本である。2013.11.13読破
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暁の寺。始まり方が前の2作品とは違った印象を受けた。本多さんが輪廻について色々と考察するのは興味深い。「柘榴の国」について語る今西氏の考えになるほどと思った。ジャン姫が美しい。慶子さんがかっこいい。まさか真面目一筋だと思っていた本多さんにこんな趣味が。覗きのシーンはこちらまで後ろ...
暁の寺。始まり方が前の2作品とは違った印象を受けた。本多さんが輪廻について色々と考察するのは興味深い。「柘榴の国」について語る今西氏の考えになるほどと思った。ジャン姫が美しい。慶子さんがかっこいい。まさか真面目一筋だと思っていた本多さんにこんな趣味が。覗きのシーンはこちらまで後ろめたさが。
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豊饒の海4部作の中でも一番難解と言われている作品。確かに、輪廻転生の世界観について語られる部分は非常に長くなっているし、タイやインドの描写は、訪れたことのないし興味もそれほど持っていない自分にとっては読みやすいわけではなかった。 しかし、年老いた本多とその仲間の描写や、仲間の個性...
豊饒の海4部作の中でも一番難解と言われている作品。確かに、輪廻転生の世界観について語られる部分は非常に長くなっているし、タイやインドの描写は、訪れたことのないし興味もそれほど持っていない自分にとっては読みやすいわけではなかった。 しかし、年老いた本多とその仲間の描写や、仲間の個性が見事に描かれており、ここらへんの描写は他の作家に真似できるものではない。また、作品の中の時間の流れは前2作に比べかなり早くなっているが、これが本多の体感時間が年老いたことによって早くなっていることを表しているようで面白い。 本作は当4部作の「転」の部分にあたるものであるが、社会状況のみならず、話の進め方においても前2作と全く異なった様相を示していて、見事な転じ方をしていると思う。
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『豊饒の海』4部作の第3巻なのだが、壮麗なエンディングは、あたかも完結編ででもあるかのようだ。これまでは「記録者」の位置に徹してきた本多がこの巻の主人公だが、その立ち位置は基本的には同じだ。『春の雪』では清顕ともども若かった本多も今や初老の域にさしかかっていて、その造形は『禁色』...
『豊饒の海』4部作の第3巻なのだが、壮麗なエンディングは、あたかも完結編ででもあるかのようだ。これまでは「記録者」の位置に徹してきた本多がこの巻の主人公だが、その立ち位置は基本的には同じだ。『春の雪』では清顕ともども若かった本多も今や初老の域にさしかかっていて、その造形は『禁色』の檜俊輔を彷彿とさせる。また最後の場面は、『金閣寺』を想起させるなど、三島文学の集大成へと向かっている感が強い。時間的には、戦争末期から戦後にまたがっており、そのスパンの長さも小説にスケール感の大きさとなって反映されているだろう。
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1・2巻から続いて興味深いのは序章あたり、夢と転生。どうしてここで欲望の話になるのか、終わりの巻でどうなってしまうのか分からなくなった。
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『生ける者も死せる者も また醒めたるも眠れるも、 若者も老者も一にして同じ。これら変転するときはあれらのものとなりあれら変転するときはこれらのものとなる。』 47歳になった本多はタイで 自分は日本人の生まれ変わりであると訴える 幼い姫に出逢う。 彼女は勲として本多に先立ったこと...
『生ける者も死せる者も また醒めたるも眠れるも、 若者も老者も一にして同じ。これら変転するときはあれらのものとなりあれら変転するときはこれらのものとなる。』 47歳になった本多はタイで 自分は日本人の生まれ変わりであると訴える 幼い姫に出逢う。 彼女は勲として本多に先立ったことを詫び、 日本に連れ帰ってくれと頼む… この巻から根本的な何かが変化してきている。 本多の年齢があがるにつれあれほど 堅実で冷静で美しい内面を持っていた彼が ひたすら醜く浅ましくなっていく。 それにつれ転生者もどんどん本多からかけ離れ 不明瞭な描かれ方をするようになっていく。 今までと違いジン・ジャンの内面は まったくといっていいほど描かれず、 次の転生の言葉を残すことなく 本多とかかわりない場所で知らぬ間に亡くなってしまう。 清顕に、勲に、影響を与え見守ってきたはずの転生と 本多の関係がゆらぎはじめる巻。 著者の心境になんらかの変化があったのでは、 と想わざるをえない感があった。 当初の構想からずれて走り出した 転換の巻『豊穣の海シリーズ3 暁の寺』
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一巻の清廉さから考えると、二巻以降は主役が本多になっているので、そういう「若さゆえ」の勢いというか、緊張感というか、一種のすがすがしさがなくなってきたように思う。 二巻はまだ、本多が壮年であったことと、勲の青年らしい潔さや理想によって、まだ光があったものの、老年の本多に至り、なん...
一巻の清廉さから考えると、二巻以降は主役が本多になっているので、そういう「若さゆえ」の勢いというか、緊張感というか、一種のすがすがしさがなくなってきたように思う。 二巻はまだ、本多が壮年であったことと、勲の青年らしい潔さや理想によって、まだ光があったものの、老年の本多に至り、なんだか男の嫌な面を見たというか。理知的で冷静なこれまでの本多とは思えない行動が、ちょっ・・・と思った。 そうして、清顕が二度目の転生を果たしたというタイの王女は、前世前々世のような清廉な魂を持っていず、理想や矜持がなかったのが。それは女性であるゆえの描かれ方だったのか分からないけれども。 前半はまだ良かったものの、後半の本多の行動がとにかく読んでいてつらかった
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