小僧の神様・城の崎にて の商品レビュー
『NHK私の1冊日本の100冊 感動がとまらない1冊編』(https://booklog.jp/item/1/4056057419)にて小山薫堂さんが紹介していた『小僧の神様』が読んでみたくて気になって手に取りました。 ついでに『志賀直哉の短編小説を読み直す』(https://...
『NHK私の1冊日本の100冊 感動がとまらない1冊編』(https://booklog.jp/item/1/4056057419)にて小山薫堂さんが紹介していた『小僧の神様』が読んでみたくて気になって手に取りました。 ついでに『志賀直哉の短編小説を読み直す』(https://booklog.jp/users/rebi/archives/1/4780311306)で紹介されている作品も読んでますが、それ以外の作品は特に読んでいないです。 読んだ中で印象に残っている作品を挙げるとすれば『城の崎にて』ですかね。 上述の文学講座とセットで読んでいたからこそ面白かったですが、エンタメを期待するなら世の中にはもっと面白い作品があるよねという感想です。
Posted by
「城の崎にて」でなんで電車に轢かれたのか不明なのがおもしろかった。 追記 なんか最近「なんでそうなったの?」ってことが多い。デジャヴ。志賀直哉パワーか?
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本当に、長い時間をかけて読んだ。もうめっきりと読書量が落ちてしまった。忙しいから仕方がないとも言えるが、僕よりも忙しいのに僕よりも読む人はいるのだろう。別に誰かと比べても仕方がないのだが、そうは言っても、比べてしまう自分が出て来る。頑張れ頑張れ。 志賀直哉は『和解』以来二冊目だが、短編集だと読み易くて好い。 今ペラペラと見返してみて好かったなと思うのは『佐々木の場合』『赤西蠣太』『流行感冒』『焚火』『転生』『冬の往来』だが、それぞれ殆ど記憶に残っていない。唯一残ってると言っていいのは『焚火』を湖に投げて消火する場面。あれはよく残っている。それぐらい。 後半の、男の浮気による夫婦関係の乱れの話はつまらなかった
Posted by
◇ 城の崎にて 死にゆく経過すら不明な不動の蜂と生を体現するように働く蜂 自殺を知らない動物の、死が決まっているのにそれに至るまでの必死の努力(と、それを笑う人間) 偶然死ななかった自分と偶然死なせてしまったヤモリ 生かされていることに喜びを見出せないのは自然なように思える 風...
◇ 城の崎にて 死にゆく経過すら不明な不動の蜂と生を体現するように働く蜂 自殺を知らない動物の、死が決まっているのにそれに至るまでの必死の努力(と、それを笑う人間) 偶然死ななかった自分と偶然死なせてしまったヤモリ 生かされていることに喜びを見出せないのは自然なように思える 風がない中揺れ、風がある中止まる葉の描写が好き
Posted by
◆城の崎にて…事故で死から逃れ、普段当然と傲慢にも思ってる事柄が、急に違って見える。木の葉の揺れの箇所、チャネリングが、ハッキリ違う点である。しかし、その後、呆気ないほどに無常のなんたるかがイモリの死でもたらされる。小津的といえるか? ◆好人物の夫婦…これもハッキリは書かれてい...
◆城の崎にて…事故で死から逃れ、普段当然と傲慢にも思ってる事柄が、急に違って見える。木の葉の揺れの箇所、チャネリングが、ハッキリ違う点である。しかし、その後、呆気ないほどに無常のなんたるかがイモリの死でもたらされる。小津的といえるか? ◆好人物の夫婦…これもハッキリは書かれていないが、子のない妻の嫉妬と必死を夫は気付かずにいる様子を描いているように感じる。主題が隠してあると思われる。 ◆赤西蠣太…これは映画人に創作意欲を掻き立てただけあって、快活でキャラクターは生き生きしている。 日本版シラノドベルジュラックのようだ。志賀直哉が、時代小説をどのように書いたか知らないが、現代小説よりもいいのではないかと思ってしまう。 ◆流行感染…文章力の巧さをあえて差し引くことで、男の一人称の語り部にキャラクターが出る。志賀直哉は、男を馬鹿にしてる感じがある。石はADHDだと思う。 ◆小僧の神様…軽妙、ペーソス、舞台のよう、入れ替わる小僧と議員Aの視点、特権階級と丁稚奉公の階級格差、寓話ではないと照れるラスト。 志賀直哉は、皮肉屋ではない。優しい人で、偽善的ではないだけだ。 偽善的ではない、ということで充分なのだ。 最近のクリエイティブは、あんまりにも斬新さ残忍さを求めすぎる。 ◆ 全編所々フェミニズムを感じる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小僧の神様 小僧にご馳走をしたことで、どこか不安な気持ちになったAに共感した。小心者であるという推察は多分ただしい。末尾に作者が登場するのは舞台裏を見ているようでおもしろいかった。
Posted by
城崎温泉でどうしても読みたくて。 やや古文調というか、現代語とは違うのですんなり入ってこない。 表現は回りくどくないのでそういう意味では読み取りやすい。 そういえば泉鏡花も途中でダウンしたな〜と思い出した。 肝心の中身もそんなに良いとは思わなかった。 城崎温泉を実際に...
城崎温泉でどうしても読みたくて。 やや古文調というか、現代語とは違うのですんなり入ってこない。 表現は回りくどくないのでそういう意味では読み取りやすい。 そういえば泉鏡花も途中でダウンしたな〜と思い出した。 肝心の中身もそんなに良いとは思わなかった。 城崎温泉を実際に目で見て感じながらこの本を読めたのは嬉しかったけど。 湊かなえの『城崎へかえる』も読んで、こちらは気に入った。 4/23追記 好人物の夫婦を読見返して評価が変わった。 この話面白いぞ!旅行について押し問答をするときの細君がかわいい。 星3に上げとく。
Posted by
小僧の神様は、もちろん名作で子供の頃読んでいる。この本は小説と随筆が入り混じっているのでどれが小説かわかりにくいが、どれも短いので通勤には読みやすい。さて、いまさらの小僧の神様なのであるが子供の頃と印象がまるで違う。それは締めの部分がなぜああなのかという点だろう。いまどきならあん...
小僧の神様は、もちろん名作で子供の頃読んでいる。この本は小説と随筆が入り混じっているのでどれが小説かわかりにくいが、どれも短いので通勤には読みやすい。さて、いまさらの小僧の神様なのであるが子供の頃と印象がまるで違う。それは締めの部分がなぜああなのかという点だろう。いまどきならあんな終わりはたぶんないだろうと思う。ということで、また再読の意味も込めて読み終わったにはしないことにする。
Posted by
志賀直哉は表現が直接的でうまい。 『東洋の勝れた墨絵が実にこの印象を確に摑み、それを強い効果で現している事を今更に感嘆した。所謂印象だけではなく、それから起こって来る吾々の精神の勇躍をまで掴んでいる点に驚く。』雪の日より 志賀直哉の作品がまさにこれだと思う。 自分が感じる情動...
志賀直哉は表現が直接的でうまい。 『東洋の勝れた墨絵が実にこの印象を確に摑み、それを強い効果で現している事を今更に感嘆した。所謂印象だけではなく、それから起こって来る吾々の精神の勇躍をまで掴んでいる点に驚く。』雪の日より 志賀直哉の作品がまさにこれだと思う。 自分が感じる情動を自分の認知する以上に、的確らしく、うまく捉えて表現している。 そのおかげで、読後、読中に感じるのは、雪の日にこたつでぬくまるような落ち着いた『静』の心持ちに浸ることができる。 この短編集の巻末では、阿川弘之さんと高田瑞穂さんによって志賀直哉の略歴と作品とが紹介されている。これも面白かった。 いつかは阿川さん推薦の全集(岩波書店)にも向き合ってみたい
Posted by
一つ一つのお話は短いのだけれど、描写がやはり凄い。ちょっとした人の感情なのに、どの作品も感情の描写から、あぁこういう気持ち分かるなぁとか、こういう気持ちってあるんだなぁと逐一思ってしまいます。夫婦に関連した話で2つほど興味深いものがありました。言葉にしにくい心の動きが伝わってくる...
一つ一つのお話は短いのだけれど、描写がやはり凄い。ちょっとした人の感情なのに、どの作品も感情の描写から、あぁこういう気持ち分かるなぁとか、こういう気持ちってあるんだなぁと逐一思ってしまいます。夫婦に関連した話で2つほど興味深いものがありました。言葉にしにくい心の動きが伝わってくる感じがしました。 「城の崎にて」に出てくる虫や爬虫類などの描写は良い意味で独特さを感じました。 志賀直哉と聞くと難しい作品という印象もありますが、短編小説であり、作品に登場する人の心、見ているものの描写に興味を持つことができるので、ためしに読んでみようというときにお勧めかもしれません。
Posted by