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小僧の神様・城の崎にて の商品レビュー

3.9

154件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

    43

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

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2024/09/11

短編集やったんや。昔の小説はあれやねえ。落ちがない。文章に味わいはあるけど、ぶつ切りや。昔はこれでも良かったんや。ま、無理矢理最後にまとめしても、白々しいこともあるからそれでもええやんな。現実の人生もそんなもんやし。 で、僕は「城の崎にて」ってこんな小説やろうなぁって読む前から勝...

短編集やったんや。昔の小説はあれやねえ。落ちがない。文章に味わいはあるけど、ぶつ切りや。昔はこれでも良かったんや。ま、無理矢理最後にまとめしても、白々しいこともあるからそれでもええやんな。現実の人生もそんなもんやし。 で、僕は「城の崎にて」ってこんな小説やろうなぁって読む前から勝手に想像してた。 主人公は城崎温泉で小説を書くつもりできたけれど、そこの芸者と仲良ようなったところへ、作家仲間の友人が押しかけてきて文壇の話しで盛り上がるが、実は金の無心に来てたわけで、芸者との仲を細君にばらされるのが嫌で、高額な万年筆を質屋にいれて金を貸したりなんかして無為な温泉地での出来事なんかが書かれてる小説やろうと勝手に思ってた。 ところがや、「温泉」という単語も一回しか出てけえへんし、友人も芸者も文学の話も出てけえへんかった。 なんと主人公は電車に跳ね飛ばされて怪我をしたので養生に城崎温泉にきたと。はあ?電車に跳ね飛ばされた!?よう生きとったな。 そこで二階の部屋から外を眺めてたら、下の屋根の隙間から蜂が出はいりしてて、一匹蜂が死んだ。でも他の蜂は死んだ蜂のことなど気にもせずせっせせっせと働いてるとか、散歩に出かけたら橋の上や河岸で人がたむろしてるので何かと覗いたら、頭から喉にかけて魚串が刺さったネズミが必死に泳いでて、そのネズミに向かって子供や車夫たちが石を投げて騒いでいたとか、またずんずん先に散歩していくと、半畳ほどの石の上にイモリがいたので、脅かしてやろうと手毬ほどの石を投げたら、イモリに当たってしもうてイモリが死んだとか。 というお話で、ま、電車に跳ねられても生きとった自分と蜂やネズミやイモリを重ね合わせて、生きてることも死んでることもそない変わらんなあちゅうことを描きはったんかな、志賀直哉は。 しかし、後半は自分の浮気癖を題材につらつら書いている。昔はこんな理屈も通ったんやと羨ましい限り。いやいや、これは女性を蔑視しているとしか思えない。あかんなぁ、志賀直哉は。反省せんかい。

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2024/08/24

日本語を読む喜びを実感するなら志賀直哉が一番いい。 立ち止まって景色を眺めるような美しさ。 生き急ぐ必要のないことを実感する。

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2024/07/23

なるほど明瞭。生き生きとした風景の描写。また、生と死についての心の動きを詳細に描いていてこれが心境小説なのかなと。

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2024/06/23

佐々木の場合 場合ってなんなの。ラノベか。自身の後悔の対して、軽薄なようで真摯。いや軽薄かな。事故は事故だが逃げ出したことを棚に上げて救ってやろうと意気込むのは見えて無さすぎる 城の崎にて 生と死は両端ではなく裏表。それをありがたさととらえることは多いが寂しさと捉えることもある...

佐々木の場合 場合ってなんなの。ラノベか。自身の後悔の対して、軽薄なようで真摯。いや軽薄かな。事故は事故だが逃げ出したことを棚に上げて救ってやろうと意気込むのは見えて無さすぎる 城の崎にて 生と死は両端ではなく裏表。それをありがたさととらえることは多いが寂しさと捉えることもある 好人物の夫婦 好人物ってニュアンス今と違うのかな。 赤西蠣太 わかりやすかった。今何が起きているのかどうなりそうなのかが。 十一月三日午後の事 何かのメタファーなのか。どうして往来でそんなにバタバタ兵士が暑がって死ぬのかわからなかった。 流行感冒 石なんか、欠点だけ見れば随分ある方ですけど、又いい方を見ると中々捨てられないところがありますわ。 小僧の神様 親切の押し売りって、後から赤面に至ることもあるけど、こうして相手の心に神様として残ることもちゃんとある 雪の日 なんかあった? 焚火 ホラーというか心霊譚というか。なんか難しくなってきた。大きなテーマを捉えるのが難しい 真鶴 恋とか社会とか兄弟の責任とか、そんなのを感じて帽子を惜しくなくなった。ということ? 雨蛙 話の筋はわかったけど、意図はわからん。寝取られて愛おしさが高まるってこと?そういう癖はあるにしても、裏山で不貞の引き金になった本を燃やすと言うところと噛み合わせられない。 転生 あーなんと分かりやすく読みやすい寓話。落語落ちのところが目立つが、そうは言っても再び添い遂げようという美しさ。 濠端の住まい 猫を懲らしめる、のは筋違いではないかという問題。夫婦の立場からすれば、傍観者からすれば、人間からすれば、野良猫からすれば。かわいそうに思っても何かアクションをおこすには、野良猫の命とはあまり軽い。 冬の往来 読みやすかった。思いを墓まで持っていく方がお互い生きやすいが、持っていく側の葛藤というか矛盾というか 瑣事 ちょっとわからん。カエル化現象? 山科の記憶 すごい、偉そう。前提が違っているからか、夫婦のやり取りにすごい違和感。不純二連発 痴情 三連発だった。時代なのか、あけすけな吐露なのかわからん。旦那に緊迫感はないが、展開や病者には差し迫ったものを感じる。 晩秋 4連発ではなく4部作だった。もう言うことはない。 あとがきも読んだけど、個人的心象が強すぎて、令和の三流読者では真意を掴みにくかった。こういうのが〇〇派ということなのかな

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2024/01/07

志賀直哉、1971年88歳没。長生きし過ぎや。もうチョット早く死んでれば今頃は青空文庫で読み放題になってたのに、腹立つおやぢや。 いくつもある短編、ちょっとずつ読む。文庫本2〜3時間で軽く読み流せる人が羨ましい。…芦田愛菜ちゃんも読むの相当速い、らしい。 太宰、坂口、織田の無頼...

志賀直哉、1971年88歳没。長生きし過ぎや。もうチョット早く死んでれば今頃は青空文庫で読み放題になってたのに、腹立つおやぢや。 いくつもある短編、ちょっとずつ読む。文庫本2〜3時間で軽く読み流せる人が羨ましい。…芦田愛菜ちゃんも読むの相当速い、らしい。 太宰、坂口、織田の無頼派三人があんまりボロクソに書いてるので、代表的短編を読んでおこうか、と。(順次書き加えます。) ⚫小僧の神様 余も鮨が大好物。夜中に読んでた。飯テロや! Aの気まぐれの理由は理解できない。〆はユーモラスで良かった。 ⚫城の崎にて 軽い鬱状態だったのか? 蜂、鼠、イモリの死に方三態を見ながら、もうちょっとでヤバかった我が身を顧みる。 感想は、 「それがどないしてん!?」 天下の名文と、呼ぶほどのものかね? ⚫清兵衛と瓢箪 趣味の瓢箪造り?は今も細々とあるはずだが詳しくは知らない。 12歳の清兵衛が授業中、夢中に瓢箪を磨いてるのを教員に叱責され瓢箪は没収。その後教員が家に訪ねて来て母親に食ってかかる。話を聞いた父親は激怒。 昔の教員は、こんな権柄ずくで通ったのかと、ちょっとした驚き。 没収した瓢箪は家庭訪問の際に親に返すものと思うが。たとえ昔のことでも。 ひょっとして志賀直哉、話のオチを付けるため、デタラメを書いたのではないかと疑惑がわく。 ⚫真鶴 サッサと読もうと軽く流してると、極めて短い作中で 時間が行きつ戻りつしてることの見落としをやらかした。 時間軸の切れ目に目立った符号があるわけでなし。期待してない作家だからと、余り雑に読んでるといけませんね。 解説の最後に「が、真鶴まではまだ一里あった」の「が、」の解釈が京大の入試問題になったとのクダリがあったが、その正解をハッキリ書けよ。解説になってないではないか!

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2023/11/12

志賀直哉の作品は初めて。 森鷗外をずっと読んでいる中で、 三鷹の墓参りをしたら、その前の墓が太宰治。 太宰治が批判した志賀直哉、ということで行きつく。 小説の神様、と形容され、簡潔で独特な文体が美しい、ということだが、そのような実感は得られず。 ただ、その観点か、読みやすい。 ...

志賀直哉の作品は初めて。 森鷗外をずっと読んでいる中で、 三鷹の墓参りをしたら、その前の墓が太宰治。 太宰治が批判した志賀直哉、ということで行きつく。 小説の神様、と形容され、簡潔で独特な文体が美しい、ということだが、そのような実感は得られず。 ただ、その観点か、読みやすい。 (鷗外の文章の方が味があると思うが) 短編なので、一通り読んでも、全てのストーリーが思い出せないのも困る。 とはいいながらも、個人的に好きな短編はあり、それは以下の通り。 「赤西蠣太」、「小僧の神様」、「冬の往来」 夫婦関係を描いた幾つかの短編があるが、ストレートに読むと、時代錯誤。 深く読むと、自らに正直に、それを自我の解放のように書いている志賀直哉の思いが伝わる。それが一貫していることがわかる。 何れにしても、志賀直哉の長編も読んでみたい。

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2023/10/15

収録されている全編読了。 マインドフルネスという言葉がよぎる。人々の日常生活のなかで起こる些細な出来事を繊細に美しく描く。死生観や男女の恋愛心情の描き方が卓越している。繰り返し読みたい。

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2023/09/30

志賀直哉の代表作城崎にてが収録されている短編集です。 このほかにも様々な作品を楽しむことができます。

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2023/09/19

図書館から拝借。「城の崎にて」のみ読了。 事故に遭い九死に一生を得た経験から、療養先の城の崎で考えた死生観を描いた作品。 虫や小動物の死や生が無駄の無い筆致で描かれ、写実の緻密さに凄味を感じた。また、自身が生きている事への感慨深さが文章に滲み出ている。 自分はそれ(生きている事...

図書館から拝借。「城の崎にて」のみ読了。 事故に遭い九死に一生を得た経験から、療養先の城の崎で考えた死生観を描いた作品。 虫や小動物の死や生が無駄の無い筆致で描かれ、写実の緻密さに凄味を感じた。また、自身が生きている事への感慨深さが文章に滲み出ている。 自分はそれ(生きている事)に対し、感謝しなければ済まぬような気もした。然し実際喜びの感じは湧き上がっては来なかった。 志賀の死生観と私の死生観、通ずるものがある様に思う。 その他収録の短編は何れ拝読させて頂く。

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2023/07/31

情景描写の天才。表現の一つ一つをリアルにイメージすることができる。それでいて、一切の無駄もない。 著者の死生観を基に描かれる「3つの死と1つの生」或いは「4つの死」。その中で、変動する男の死に対する感覚がこの作品のポイント。 後養生のために訪れた「城崎温泉」、それがこの話のメイン...

情景描写の天才。表現の一つ一つをリアルにイメージすることができる。それでいて、一切の無駄もない。 著者の死生観を基に描かれる「3つの死と1つの生」或いは「4つの死」。その中で、変動する男の死に対する感覚がこの作品のポイント。 後養生のために訪れた「城崎温泉」、それがこの話のメインかと思いきや、入湯シーンが一切描かれていないのも、良い意味での裏切りだった。

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