彼岸過迄 の商品レビュー
恐れる男と恐れない女。 須永と千代子の関係は、皮肉だとしか言いようがない。決して行動はしないのに嫉妬はする須永と、彼を卑怯だと思いながら時に弄ぶ千代子。うーん。 須永が恐れているものは千代子や周りからの期待なのでしょうか。彼が愛に一目散になれないのは他にも理由があるような…? ...
恐れる男と恐れない女。 須永と千代子の関係は、皮肉だとしか言いようがない。決して行動はしないのに嫉妬はする須永と、彼を卑怯だと思いながら時に弄ぶ千代子。うーん。 須永が恐れているものは千代子や周りからの期待なのでしょうか。彼が愛に一目散になれないのは他にも理由があるような…? 敬太郎の存在感の変化が面白かったです。彼はあくまで聞き役ということですね。
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「恐れる男と恐れない女」という一文が印象的だった。 漱石文学の世界観を端的に表してると思う。 近代以降、いつになっても男は女を恐れるものなのです‥
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新聞小説なので区切りが良く、読みやすい。また常に動きがあり、飽きさせない。草枕や虞美人草の風景描写が苦痛に感じる人はこれのほうが良いと思う。 そこで終わるか~!と思った。もっと書いて欲しかったけど、想像するのも楽しい。 須永と千代子の、近づいたら互いに傷つき、離れてもいられない...
新聞小説なので区切りが良く、読みやすい。また常に動きがあり、飽きさせない。草枕や虞美人草の風景描写が苦痛に感じる人はこれのほうが良いと思う。 そこで終わるか~!と思った。もっと書いて欲しかったけど、想像するのも楽しい。 須永と千代子の、近づいたら互いに傷つき、離れてもいられない関係・・・せつない。須永しっかり言えよー!と読みながら思ったが、そういう関係は理解できます。 ここまで作中の世界に入れる作品です。お勧めします。
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再読。 夏目漱石が読みたくなって手に取った一冊。 漱石で想い深いのは、訳も分からず中一で手に取ったこころ。その後N先生に読めともう一度言われて読んだら、深くわかるようになってて成長を感じました。 この作品である文章。 「彼の太陽は生まれた時から曇っていた」 これは漱石自身の...
再読。 夏目漱石が読みたくなって手に取った一冊。 漱石で想い深いのは、訳も分からず中一で手に取ったこころ。その後N先生に読めともう一度言われて読んだら、深くわかるようになってて成長を感じました。 この作品である文章。 「彼の太陽は生まれた時から曇っていた」 これは漱石自身の過去から来ているけど、とても切なかった。 心の感情を細かく書いた作品で、漱石らしい文章で古典文学の素晴らしさに触れられました。 ぶ厚めだけど読みやすいし、何より読み終わった後の世界観がいいです。
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敬太郎が主人公かと思って読んでいたら、いつの間にか須永と千代子の話が中心になっているという不思議な構成。短編小説をつなぎあわせて一つの長編小説を書こうとした漱石の意欲は伝わってきたけど、作品として面白いかと言われると微妙だなあ。千代子の「卑怯だ」発言のところは盛り上がったけど。「...
敬太郎が主人公かと思って読んでいたら、いつの間にか須永と千代子の話が中心になっているという不思議な構成。短編小説をつなぎあわせて一つの長編小説を書こうとした漱石の意欲は伝わってきたけど、作品として面白いかと言われると微妙だなあ。千代子の「卑怯だ」発言のところは盛り上がったけど。「国語教師なんだし漱石くらいだいたい読んどこプロジェクト」を地味に進めてるんだけど、漱石の、男のほうだけ妙にねちっこい心理描写がちょっと苦手な私です。
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生死の境をさまよったいわゆる「修善寺の大患」後の作品。後期3部作のひとつ。 構成的にはこの後の「行人」、「こころ」にも通ずるけど、ある人物の独白形式部分が主体となっている。 その独白部分に夏目漱石自身の内面世界があらわれていてるような気がする。外交的人間に対するコンプレックスや...
生死の境をさまよったいわゆる「修善寺の大患」後の作品。後期3部作のひとつ。 構成的にはこの後の「行人」、「こころ」にも通ずるけど、ある人物の独白形式部分が主体となっている。 その独白部分に夏目漱石自身の内面世界があらわれていてるような気がする。外交的人間に対するコンプレックスや思考型な人間の陥る狂気的なところなどね。 夏目漱石というと日本を代表する大作家としてある種神格化(お札になるくらいだし)されたイメージがあるけど、本質はやはりここなのかな? もっとほかの作品も読んでみよ。次は未完ということで避けていた「明暗」かな。それともさかのぼって前期三部作あたりいこうかしら。
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授業で使うから読みました。敬太郎は結局部外者か・・・オカルトを否定できないロマンチストというところに親しみを感じていたが。須永の気持ちはわかるところもありわからないところもあり。千代子さん素敵です。「貴方は卑怯だ」って。ドキ、グサっときます。
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センター過去問で興味を持って買った一冊。 現代っぽい小説とは違って、はらはらどきどきしたりはしないから淡々と読んでしまう。 だから読むのは結構時間かかった。 漱石さんの小説はいつもこれくらい時間かかります。 でもその分じっくり読めた。 誰かに強く感情移入はしなかったけど、何とな...
センター過去問で興味を持って買った一冊。 現代っぽい小説とは違って、はらはらどきどきしたりはしないから淡々と読んでしまう。 だから読むのは結構時間かかった。 漱石さんの小説はいつもこれくらい時間かかります。 でもその分じっくり読めた。 誰かに強く感情移入はしなかったけど、何となく虚しさとか悲しさとか感じた気がする。 普通の小説みたいな強い感情は抱かなかった。 それが逆にすんなり自分の生活に入り込んできたと思う。 日常の一部みたいに読み終えた。 後書きまできっちり読めた。 振り返ると、細かく感情を揺り動かされたなーと思う。
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夏目漱石の有名な後期三部作の一つ。 読んでいて悲しくなってくるような暗い話ばかりの後期三部作。 その中でもやたらどんより。 嫌い。笑
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「彼岸過迄」は 謎有り 恋愛有り 探偵有り 三角関係有り そして 「雨の降る日」有り と 漱石のモチ-フの ほとんどを備えた傑作と 僕だけかな(笑) 思っています
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