1,800円以上の注文で送料無料

彼岸過迄 の商品レビュー

3.8

95件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    38

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2009/10/04

去年(2007年度)センター試験問題。前半はだらだらした印象が否めないけれど、後半に入ってぐっと引き込まれる。語り手、聞き手を意識しないとわかりづらく、読むのにちょっと気力体力使いました。「高等遊民」松本の叔父さんや、「恐れる男」須永など、漱石独特の人物設定が凄く良い味を出してる...

去年(2007年度)センター試験問題。前半はだらだらした印象が否めないけれど、後半に入ってぐっと引き込まれる。語り手、聞き手を意識しないとわかりづらく、読むのにちょっと気力体力使いました。「高等遊民」松本の叔父さんや、「恐れる男」須永など、漱石独特の人物設定が凄く良い味を出してると思います。

Posted byブクログ

2009/10/04

2009/1/6(〜p200),7(〜p307終) 夏目漱石の後期三部作の1つです。 「こころ」を読んでおいて読まないというのはなんだか嫌だったので読んでみました。 ストーリー性はないとは言いませんが、一つ一つが独立した話になっているに等しいので、不思議な感じがしました。 主...

2009/1/6(〜p200),7(〜p307終) 夏目漱石の後期三部作の1つです。 「こころ」を読んでおいて読まないというのはなんだか嫌だったので読んでみました。 ストーリー性はないとは言いませんが、一つ一つが独立した話になっているに等しいので、不思議な感じがしました。 主人公が探偵するシーンなどは読んでいるこちらにも緊張感をもたらし、探偵してみたい!という気持ちにもなりました。 須永の恋心はなんだか切なく、千代子と結ばれてほしいなと思いつつも、今の状態のほうがお互いに幸せなのではないかという、現代でもありえる関係性を上手く描いているところがとっても共感でき、読むこちら側も切ない気持ちにされました。 「こころ」を読んでいて思ったのですが、夏目漱石は押し付けがましさがない文体なので、本当に気持ちよく読めるという点で私の中で高評価となりました。 続けて他の代表作もぜひ読んでみたいと思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

須永と千代子の二人がどうなるのか、須永親子の事など、とにかく先が気になってたまらなくて後半は一気に読み進めてしまった。 須永のように、自意識に縛られてしか、物事を考えれないとしたら・・・それは本当に恐ろしく苦しい事だと思う。漱石の物語に出てくる人には、とにかく考えすぎて苦しみ悩...

須永と千代子の二人がどうなるのか、須永親子の事など、とにかく先が気になってたまらなくて後半は一気に読み進めてしまった。 須永のように、自意識に縛られてしか、物事を考えれないとしたら・・・それは本当に恐ろしく苦しい事だと思う。漱石の物語に出てくる人には、とにかく考えすぎて苦しみ悩み続ける人のなんと多い事か。これは漱石の神経衰弱の現れなのだろうか。しかし、須永の気持ちは分かる気もするのだ。母の本当の思い、つまり千代子が生まれてすぐに須永の許嫁にしようとしたこと、そこに隠されているであろう真実・・・。そんなことをいつだって悩み抜いて、千代子との今の関係があるのかもしれない。それは非常につらいことではないだろうか。 正直なところ、後半は須永の話ばかりで、敬太郎の存在を忘れかけてしまい、この物語における敬太郎の存在感はかなり薄れてしまっていた。最後に名前が出てきて「あ、そうだった。この人が主人公だった。」と思い出す始末だった・・・。

Posted byブクログ

2009/10/04

「恐れない女と恐れる男」 「内へとぐろを捲き込む性質」 「自我より外に当初から何も有っていない男」 『行人』へと続く

Posted byブクログ

2009/10/04

漱石が書いた前書きに『彼岸過迄』新聞連載するので、つけたタイトルだと書いてあった。 学校を卒業して社会に出ようという時期の田川敬太郎が友人須永とその一族の周辺で起きる出来事を記していく形の短編連作。 小編をつないで一つのまとまった作品を仕上げるという構想のなかで書かれたと...

漱石が書いた前書きに『彼岸過迄』新聞連載するので、つけたタイトルだと書いてあった。 学校を卒業して社会に出ようという時期の田川敬太郎が友人須永とその一族の周辺で起きる出来事を記していく形の短編連作。 小編をつないで一つのまとまった作品を仕上げるという構想のなかで書かれたというが、これは今の短編集でよく見かける手法だ。元がここにあったとは。(追加:遡ると露伴も意識していたとのこと) 理屈っぽい考察にはさまっている妙になまめいて緊張感のある須永と千代子の会話のやりとり、漱石自身の生い立ちに絡む親子の血のつながりや小さな子どもの死など、最後のページまで集中力が途切れなかった。 いつ読み直しても読み応えがある本が良書だというが、漱石の作品はそれにあたると思う。 作成日時 2008年02月03日 16:29

Posted byブクログ

2009/10/04

漱石は苦手だっためど、これは好き。森本の夢のような話や、須永の色恋話。次は何が起こるんだろうとどきどきさせられます。全編を通して、「夢のような」という言葉が登場する。夢。この世とあの世の間の空間である夢の世界。全ては夢のお話なのかもしれない。有ったかもしれないけれど、無かったのか...

漱石は苦手だっためど、これは好き。森本の夢のような話や、須永の色恋話。次は何が起こるんだろうとどきどきさせられます。全編を通して、「夢のような」という言葉が登場する。夢。この世とあの世の間の空間である夢の世界。全ては夢のお話なのかもしれない。有ったかもしれないけれど、無かったのかもしれない。彼岸過迄いったら、そんな世界に出会えるのかもしれない。終わり方が、いつもの漱石らしくなくてちょっと吃驚。何か思う所が有ったのだろうか。

Posted byブクログ

2009/10/04

有名な「こころ」がそうであるように、漱石は実は三角関係に悩む男女の心理に固執した恋愛小説家なのだ。ロンドン留学中に神経衰弱に陥ったことは知られているが、実は被害妄想など軽度の統合失調症の症状が認められるという。「彼岸過迄」はそんな漱石の資質が顕著に表わされた、人間の心理の深層に迫...

有名な「こころ」がそうであるように、漱石は実は三角関係に悩む男女の心理に固執した恋愛小説家なのだ。ロンドン留学中に神経衰弱に陥ったことは知られているが、実は被害妄想など軽度の統合失調症の症状が認められるという。「彼岸過迄」はそんな漱石の資質が顕著に表わされた、人間の心理の深層に迫った小説なのである。

Posted byブクログ

2009/10/04

 朝日新聞に掲載した漱石の小説はどれでもそうだか、前半は、かなりダラダラと進行する。誰が主人公だかわからない状態で、敬太郎の探偵ごっこの末、「高等遊民」の甥・須永市蔵と「高等淫売」千代子の関係が暴かれる。それ以降がめっちゃ面白い。幼いころからの、許婚同士、トントン拍子に話は進む、...

 朝日新聞に掲載した漱石の小説はどれでもそうだか、前半は、かなりダラダラと進行する。誰が主人公だかわからない状態で、敬太郎の探偵ごっこの末、「高等遊民」の甥・須永市蔵と「高等淫売」千代子の関係が暴かれる。それ以降がめっちゃ面白い。幼いころからの、許婚同士、トントン拍子に話は進む、といいたいところだが、話は全く進まない。市蔵が、小間使いの隠し子であることがわかってから、同じ小間使いの「作」の素直な態度に惹かれる。市蔵の嫉妬の対象となる"男"も出てくるし千代子の妹、百代子(ももよこ)も登場、とにかく、漱石の小説にしては、やたらと登場人物が多い。劇中劇のような話の進行で、一体、前半の主人公敬太郎は、どうしたの、っていうところで、プツリと話は終わる。やはり、いつものように朝日の編集者の一言、「はよ、終わらさんかい!」で、この小説も終わってしまった・・・・。この小説の唯一の収穫は、漱石の造語である「高等遊民」「高等淫売」という言葉を21世紀にまで引きずってきたことぐらいか。やれやれ

Posted byブクログ

2009/10/04

岩波文庫じゃなくて、青空文庫でダウンロードして携帯で読んだ。 非常に読みにくかったけど、文庫本分荷物が減ったのはよかった。

Posted byブクログ

2009/10/04

新聞小説なので区切りが良く、読みやすい。また常に動きがあり、飽きさせない。草枕や虞美人草の風景描写が苦痛に感じる人はこれのほうが良いと思う。 そこで終わるか〜!と思った。もっと書いて欲しかったけど、想像するのも楽しい。 須永と千代子の、近づいたら互いに傷つき、離れてもいられ...

新聞小説なので区切りが良く、読みやすい。また常に動きがあり、飽きさせない。草枕や虞美人草の風景描写が苦痛に感じる人はこれのほうが良いと思う。 そこで終わるか〜!と思った。もっと書いて欲しかったけど、想像するのも楽しい。 須永と千代子の、近づいたら互いに傷つき、離れてもいられない関係・・・せつない。須永しっかり言えよー!と読みながら思ったが、そういう関係は理解できます。 ここまで作中の世界に入れる作品です。お勧めします。

Posted byブクログ