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細雪(中) の商品レビュー

4.1

75件のお客様レビュー

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2015/04/12

挑戦と挫折を繰り返し、ようやく中巻読了……。 世界情勢に関係なく姉妹の暮らしは優雅で呑気。 人の死が関わってる局面でも悠長だし、考え方も上流階級的で何か嫌だなあ、と思った。

Posted byブクログ

2015/03/31

登場人物たちと同目線にて物語を読み進められ、その臨場感が面白い小説。昭和初期の日本人の人間関係や心理描写が面白い。

Posted byブクログ

2015/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妙子はこれも名家の奥畑と付き合っている。勿論この時代であるから、結婚が前提である。しかしこの男は只の金持ちのぼんくらであり、自由奔放で職業婦人となり自活したい妙子には耐えられない男であった。しかも結婚が延び延びになっていることを言い訳に、花柳界やカフェで遊んでいるのである。そこに発生した大水害により、妙子は写真館の板倉に助けられて九死に一生を得る。板倉は奥畑の家で丁稚だった男で身分は高くないが、単身アメリカに渡り写真の技術を身に付け写真館を経営しているという、当時としてはかなり先進的な男であった。その奥畑の許婚である妙子は、板倉にしても主従的な関係であったわけだが、お互い好ましく思っていたこともあり急速に接近し遂には結婚を誓い合う。しかしそんなことを認めるわけにはいかない幸子・雪子・本家や奥畑らは翻意を迫る。そして泥沼化しそうなところに、残念ながら板倉は病により帰らぬ人となってしまうのであった。最終刊でこの姉妹はどのような運命となるのであろうか…

Posted byブクログ

2014/10/25

さすがに板倉が逝去する展開には驚き。妙子との関係を反対していた人々が内心ほっとしていたのも、わかってしまうのが切なかった……芝居や外食、現代のようにせかせかしたご時世と違いゆったりと文化を楽しむ姉妹が羨ましくてなりません……(笑)今でも上級階級の生活はこんな感じかな。

Posted byブクログ

2014/10/03

中巻も読みやすく上巻よりも妙子の三角関係など色々と問題が起こり読むペースは一気にあっぷ。 まさかあんな形で妙子の恋に終止符が打たれるなんて。下巻はどうなるのだろうか

Posted byブクログ

2014/08/19

細雪を読むのならせせこましい日々の中ではなく、長期休暇や旅行中の様なゆったりと時が流れる空間が望ましい。戦前の芦屋上流階層という地場でしか生まれ得なかった、この四姉妹の優雅な物語を日々の喧騒に埋れさてしまうなんてそいつは野暮ってもんだろう。洪水や震災の余波、病気といった問題が立て...

細雪を読むのならせせこましい日々の中ではなく、長期休暇や旅行中の様なゆったりと時が流れる空間が望ましい。戦前の芦屋上流階層という地場でしか生まれ得なかった、この四姉妹の優雅な物語を日々の喧騒に埋れさてしまうなんてそいつは野暮ってもんだろう。洪水や震災の余波、病気といった問題が立て続けに起ころうとも姉妹の美しさは一向に目減りすることなく、暑さに耐えかね浴衣をはだけさせるその描写は蠱惑的とすら言える。また本巻では関東と関西の比較が鮮明に描かれ、震災を機に関東の食文化が関西に伝搬してきた話は興味深かった。

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2014/08/19

大した事件も起きず、三女・雪子の縁談→破談を淡々と繰り返していた上巻とは打って変わって、四女・妙子が主役となった中巻は、大水害被災に始まる妙子・奥畑・板倉の三角関係を中心にストーリーは緊張感を伴って展開。「事件」というべき出来事が数多く起こる。実際に発生した阪神大水害に取材した描...

大した事件も起きず、三女・雪子の縁談→破談を淡々と繰り返していた上巻とは打って変わって、四女・妙子が主役となった中巻は、大水害被災に始まる妙子・奥畑・板倉の三角関係を中心にストーリーは緊張感を伴って展開。「事件」というべき出来事が数多く起こる。実際に発生した阪神大水害に取材した描写も生々しい。 他の作品に比べ、絢爛な文章や谷崎独特のフェチシズムよりも、ストーリー展開や繊細な心理描写に重きを置いているように感じた。 本作には多くの人物が登場するが、真の悪人は出てこない。それでいて複雑に交錯する各人の思惑・利害がストーリーに厚みを増している。 四姉妹(+女中のお春)それぞれの性格の違いが上巻よりもいっそう露わになっておもしろい!二女・幸子は谷崎の夫人がモデルだそう。谷崎も結婚する相手は意外と真っ当な常識人だったのね。幸子の「常識人ぶり」というか旧弊な考え方には多少イラつきを覚えたりもする。

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2014/07/28

雪子の縁談が決まらないまま、妙子に新たな恋愛事件が勃発。 しかしこれ、恋愛だったのだろうか? 結局周りに反対されたから気持ちが高まったというか、好意は持ったのかもしれないけれど、しょせん下流な人間相手に対等な気持ちの交流があったとは思えないのである。 だって、向こうはお嬢様とし...

雪子の縁談が決まらないまま、妙子に新たな恋愛事件が勃発。 しかしこれ、恋愛だったのだろうか? 結局周りに反対されたから気持ちが高まったというか、好意は持ったのかもしれないけれど、しょせん下流な人間相手に対等な気持ちの交流があったとは思えないのである。 だって、向こうはお嬢様として下にも置かないもてなしをしているのに、こちらは向こうの名字を呼び捨てだよ。 平成の高校生じゃあるまいし、女子は男子を呼び捨てるけど男子は女子をさんづけだなんて、当時は身分の差がなければありえないでしょ。男尊女卑の時代なんだから。 常に自分より下の人間と見下している相手と、長きに渡って結婚生活なんておくれるだろうか? 同じ上流階級の幼馴染を、つまらない人間だと見切ったから、結婚の約束を反故にしようと思ったんじゃないのかい? 妙子があれだけ自由奔放(自分勝手?)に生きているのを見ると、いつかどこかで自分の行動によるしっぺ返しを食らわされそうで、読んでいてちょっと怖いのだが、だからといって自己主張をしない雪子も一向に幸せを掴まないので、なんとなく中途半端なところでこの巻は終わり。 とはいえ、昭和13年夏の関西の大水害と、同年秋の東京直撃の台風など、自然災害に遭いながら、旧家のお嬢様たちは結構すばやく立ち直ったりして、意外にしたたかだったりもするのである。 次の巻が楽しみ。 そうそう、入浴しながら音読してみたらやっぱり気持ちがよくて、言葉がするすると流れていきます。 関西弁はよくわからないなりに話し言葉もリズムがよく、柔かく美しい日本語は、目にするよりも口にするのがいいのかもね、なんて思ったり。

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2014/06/30

妙子を自分の中でどう受け止めたらいいのか分からない。 応援した方がいいのか、批判した方がいいのか。。。 曖昧になってしまうのはこの話が一昔前のお話だからなのかな。

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2014/03/30

上巻に続いて、今も蒔岡家の人々は世間とは半ば遊離したような生活を送っている。しかし、この巻の最初では芦屋川、住吉川の氾濫で、妙子が危険な目にあったり、板倉との一連のことがあったりはするのだが。小説の相変わらずの退嬰ムードは、ある意味で心地よくもある。四姉妹のうち、長女の鶴子は東京...

上巻に続いて、今も蒔岡家の人々は世間とは半ば遊離したような生活を送っている。しかし、この巻の最初では芦屋川、住吉川の氾濫で、妙子が危険な目にあったり、板倉との一連のことがあったりはするのだが。小説の相変わらずの退嬰ムードは、ある意味で心地よくもある。四姉妹のうち、長女の鶴子は東京にいて、やや影が薄いが、幸子、雪子、妙子の造型は実に鮮やかだ。読者にもよるだろうが、私はやはり現代的な妙子に魅かれる。もっとも雪子の風情も捨てがたいのだが。ちなみに「こいさん」のイントネーションは、こ(低)―い(高)―さん(低)。

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