細雪(中) の商品レビュー
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幸子の気苦労が伝わってくる中巻 上巻と違い雪子の縁談はほとんどなし 妙子が自由な考えで自分の人生を切り開いていこうとするが、天災・伝統・恋愛・死・外聞・階級・・・ 今作みたいに微妙な立ち位置の人物が死んでしまうことで物語が進展していくのがすっきりしない、結局板倉の本心はどうだったんだろう。。。 下巻を楽しみにしよう
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ラストの板倉の展開で今までの流れが全部うやむやにされてしまった感がある。とはいえ相変わらず読んでいて微笑ましくなります。
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『細雪』は、谷崎潤一郎の長編小説である。 昭和の戦前~戦中にかけての、大阪の名家に生まれた四姉妹を中心とした人間模様が、美しく鮮やかな筆致で描かれている。 谷崎文学はしばしば「悪魔的」だと言われるが、この小説の中にもそういったエッセンスが多分に含まれており、女性の持つ可憐さと狡猾さが絶妙に織り込まれている。 谷崎文学の特徴として、内面描写もさることながら、外面の描写も見事だという点が挙げられる。姉妹が纏う着物などは、その華やかさが文字から浮かび上がってくるかのように描かれ、彼の「美」に対するこだわりが窺える。 会話文で用いられている大阪弁も生き生きとした印象を与える。『陰翳礼讃』で、彼は「大阪弁が日本で最も美しい方言」だと述べていたが、その彼の心意気が十分に発揮された小説となっている、と感じた。
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中巻では、先進的な末っ子の妙子を中心に様々な物語が展開してきい目が離せない。次女の幸子は本家と妙子に挟まれ、いつも悩ませさせていて一番大変そう。三女の雪子はまだお嫁に行けない。続きがめちゃ気になる!
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今回は妙子のお話でした。 姉妹4人の性格がよくわかってくるようになり、ますます面白みがわきました。 板倉との恋の行方に、最後は切なくなりました。
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昔読んだ印象だと、たいした事件はなくて、お花見とかお出かけとかのんびりと華やかで楽しいことばかりのような気がしていたが、水害とか人の死とか、いろいろ事件があってびっくり。それでもなんだか淡々としている感じ。板倉が脱疽になって死ぬところがものすごくこわかった。この時代に病気になるの...
昔読んだ印象だと、たいした事件はなくて、お花見とかお出かけとかのんびりと華やかで楽しいことばかりのような気がしていたが、水害とか人の死とか、いろいろ事件があってびっくり。それでもなんだか淡々としている感じ。板倉が脱疽になって死ぬところがものすごくこわかった。この時代に病気になるのはこわいー、とか思った。
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またおもしろかったな~。 今度は雪子の見合い話ではなく、四女妙子の話がメイン。 水害の話ではドキドキして、板倉の病気のところでもまたドキドキ。 この時代は女性が仕事も持つことは「職業婦人なんて!」といわれるようなことだったんだなぁ。 それとも、上流階級の人たちの間でだけ? 現代の私から見ると、妙子の考えることはとても素敵なことのように思えるけど。 この物語、関西弁なのも手伝って、私の印象では「姉妹の仲がよい、山崎豊子の「女系家族」」。という感じです。 決して姉妹間でいがみあってないのが、この話のよいところ。
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次第に四姉妹の性格も色濃くでてきて、ますます面白くなった中巻。 次女に軸があり、三女を隠れたヒロインにしている気があるが、この巻は末娘の妙子の印象が強い。当時の美徳とされていた様々なことに反発する四女に共感もしつつ、自分はわりにその美徳を美しいと思うことを再確認。ほんの何十年かし...
次第に四姉妹の性格も色濃くでてきて、ますます面白くなった中巻。 次女に軸があり、三女を隠れたヒロインにしている気があるが、この巻は末娘の妙子の印象が強い。当時の美徳とされていた様々なことに反発する四女に共感もしつつ、自分はわりにその美徳を美しいと思うことを再確認。ほんの何十年かしか離れていないのに、世の中の価値観の変化のスピードには改めて驚かされる。 Nov 2010
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つひにゆく道とはかねて聞しかど きのふけふとは思はざりしを 在原業平の和歌です。契沖は「これ人のまことの心にて、をしへにもよき歌也、後々の人は、死なんとするときはにいたりて、ことごとしきうたをよみ、あるは道をさとれるよしなどよめる、まことしからずして、いとにくし」といっています...
つひにゆく道とはかねて聞しかど きのふけふとは思はざりしを 在原業平の和歌です。契沖は「これ人のまことの心にて、をしへにもよき歌也、後々の人は、死なんとするときはにいたりて、ことごとしきうたをよみ、あるは道をさとれるよしなどよめる、まことしからずして、いとにくし」といっています。 (以下、未読の人は…) 板倉なら、業平の歌の素朴さに共感できたでしょう。昨日今日かもしれない、ということを、せめて頭のなかだけでも知っておくことは大切なことです。あっけなく死んでしまいますが、好きな女の命を助け、結婚できるかもしれないという夢をいっときでも見られ、それでこの世を去ったのですから、私はわるくない人生だったと解します。 こいさんの写真をとったという事実も、板倉にとっては偉業を意味したのでしょう。
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2010.03.06. するすると中も読み終わり。水害が出たり、東京へ引っ越さなならんかったり、妙子の男問題が持ち上がったりで、当人たちは大変気を揉むんだけど、なんだか平和な感じが否めない。なんでだろう。特に次女・幸子の心境が多く綴られているんだけど、雪子や妙子に気を揉んで仕方な...
2010.03.06. するすると中も読み終わり。水害が出たり、東京へ引っ越さなならんかったり、妙子の男問題が持ち上がったりで、当人たちは大変気を揉むんだけど、なんだか平和な感じが否めない。なんでだろう。特に次女・幸子の心境が多く綴られているんだけど、雪子や妙子に気を揉んで仕方ない。涙も出るわね、と思う。それにしても、当時は階級というのが思った以上に重要視されていたんだなぁ。
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