細雪(中) の商品レビュー
「上からダラダラ名家の生活読まされてつまらないなァ」と思ったけど中の後半から一気に面白くなった。 時代の移ろいを妙子という自立した女で激しく書いている。 それぞれの姉妹が、それぞれの強さを持っていて好きになってきた。 「運」という言葉は、科学や医療が未発達だからこそある言葉な...
「上からダラダラ名家の生活読まされてつまらないなァ」と思ったけど中の後半から一気に面白くなった。 時代の移ろいを妙子という自立した女で激しく書いている。 それぞれの姉妹が、それぞれの強さを持っていて好きになってきた。 「運」という言葉は、科学や医療が未発達だからこそある言葉なのかもしれない。
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風邪をひいたので、あまり事件が起こらない「細雪」を少しずつ読むのはちょうどよい。 大人になって読む「細雪」は妙子への印象が違う。家父長制の犠牲者だなあと思う。 谷崎は松子賛歌として「幸子」を描いているのね、というのもよくわかる。自慢なのね。
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2024.1.4 読了。 蒔岡家の4姉妹を中心に物語が進んでいく。個性の違う4姉妹が描かれる。 中巻はやはり次女・幸子の視点で語られることが多く、物語の中心は四女の妙子という感じ。 雪子とは対照的な新進的感覚と奔放さを持ち冷静でクレバーな女性というイメージが強かった。 上巻同...
2024.1.4 読了。 蒔岡家の4姉妹を中心に物語が進んでいく。個性の違う4姉妹が描かれる。 中巻はやはり次女・幸子の視点で語られることが多く、物語の中心は四女の妙子という感じ。 雪子とは対照的な新進的感覚と奔放さを持ち冷静でクレバーな女性というイメージが強かった。 上巻同様本家は少し影が薄いように思えた。 4姉妹はそれぞれの考えを持っていて、けして仲が悪いわけではないが考え方の違いによって行動が微妙にズレてしまう感じの表現が巧いと感じられたし、寧ろふとした時間ができて姉妹が集まった時などはお互い思いやりを持って過ごしている感じだった。 フィクション作品ではあるけれど当時の時制を描き、それによって登場人物たちも変化していく。 歴史に疎いので注解で詳しく説明してくれているのも有難かった。
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板倉死んでしまった…!!雪子を応援していたので、雪子の出番が少なくて寂しかったが、妙子もなかなか面白いところがあり、読んでいて爽快だった。妙子のお嬢さんなのに、職業婦人として色々自立しようとしているところが良いなと思った。下巻楽しみ。
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戦争の足音が忍び寄り、時代の流れには抗えない様相になる中でも、日本の文化的行事や生活様式を変わらぬ価値観で貫いて生きる四姉妹とその家族。我々が生きる現代の日本を思うと、歴史的に見ればほんの数年の第二次世界大戦を経て日本の文化や価値観が劇的に変わったのだと実感する。敗戦とはこう言う...
戦争の足音が忍び寄り、時代の流れには抗えない様相になる中でも、日本の文化的行事や生活様式を変わらぬ価値観で貫いて生きる四姉妹とその家族。我々が生きる現代の日本を思うと、歴史的に見ればほんの数年の第二次世界大戦を経て日本の文化や価値観が劇的に変わったのだと実感する。敗戦とはこう言う事なのかと。。 結婚一つ決めるのも本家の許可が必要とか、戦後仕事も結婚も自由に選べる今を思えば生きづらい世の中だったとも思いますが、引き換えにならない程の今はなき良き日本もたくさんある。 神戸の大水害が実際にあった事とは初めて知りましたが、家のしきたりに逆らい奔放に生きる四女妙子がこの大水害にも巻き込まれて九死に一生を得るなど益々波瀾万丈な人生となる一方、相変わらず結婚が決まらず前に進まない三女雪子の人生がより対照的となってくる様から目が離せない。
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人の死に直面しても、社会的体裁を気にしてしまうこと。これもまた当時の文化なのかと。家柄、前年踏襲の傾向など、今の日本で『それってどうなの?』といった考え方が普通であった時代を今一度見つめ直すいい作品だと感じた。今が良くて、昔が悪いのではなく、昔を知った上で、今をどうするべきかを考える良いきっかけになった。
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上・中・下、三巻本の中巻。 戦争の影の忍び寄る中、四季折々の暮らしを営む姉妹。 大水害に遭うといった苦難もありながら、彼女たちの日々は続いてゆく。
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上巻がまったりとした雰囲気なので、このまま続くのかと思いきや、事件勃発しすぎでした。 大洪水に縁談、隔離、手術と目まぐるしい。 幸子・妙子・本家とのやりとりで、人の描き方がまあうまいこと。 幸子の、腹は立つけど義理を通さないといけない等、心と頭の乖離がよく分かるし、情に熱いのかと...
上巻がまったりとした雰囲気なので、このまま続くのかと思いきや、事件勃発しすぎでした。 大洪水に縁談、隔離、手術と目まぐるしい。 幸子・妙子・本家とのやりとりで、人の描き方がまあうまいこと。 幸子の、腹は立つけど義理を通さないといけない等、心と頭の乖離がよく分かるし、情に熱いのかと思ったら、身分違いだ、とばっさり切り捨てたり、そこら辺の匙加減が絶妙。 下巻はどういう結末になるのか楽しみ
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久しぶりに手に取り、一気に引き込まれた。戦前の芦屋の有産階級の日常が、芦屋の言葉で語られるさまがとても魅力的。
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中巻は妙子の恋愛事情を中心に、舞の会、阪神の大水害と写真師板倉の救出劇、隣に住むドイツ人シュトルツ一家の帰国、東京での台風、奥畑と板倉の確執、板倉の手術と死など。 上流社会は世間体を非常に気にして少しでも悪い噂が立つのを恐れること、何事も本家、夫、両親の了解を得ないと事が進まないことなどがうかがえる。 つらつらと人物の心情や事情が綴られるので、国語の授業的な解釈の必要がない。
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