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春琴抄 の商品レビュー

4.1

489件のお客様レビュー

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    165

  2. 4つ

    150

  3. 3つ

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美しい純愛、素晴らし…

美しい純愛、素晴らしい作品だと思います。ある意味エロティックな。読んでよかったと思った本でした。

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 文と文の間に句点の…

 文と文の間に句点のない文章で書かれた作品。章の他には段落もなく改行もされていないため、適当なページを開いてみてみると、そのぎっしり書かれた文字に驚く。谷崎は素晴らしい文章読本を書くくらい、その表現対象とそれに適した文体に意識的だった作家だ。『春琴抄』における谷崎の意図を私は知ら...

 文と文の間に句点のない文章で書かれた作品。章の他には段落もなく改行もされていないため、適当なページを開いてみてみると、そのぎっしり書かれた文字に驚く。谷崎は素晴らしい文章読本を書くくらい、その表現対象とそれに適した文体に意識的だった作家だ。『春琴抄』における谷崎の意図を私は知らない。だからこれは私個人の感想だが、琴・三味線の盲目の美人師匠とその奉公人でもあり弟子でもある男との物語を描くこの作品において、その文体は多少の読みずらさはあるものの途切れのない音楽を思わせる。その音楽的文体を感じながら、一気に読

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佐助は春琴に献身して…

佐助は春琴に献身しているようですが、実際は春琴を自分好みのサディスティックな女性に仕立てているのですよね。そういう意味でマゾヒスティックな作品です。

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薄い本なのにとても重…

薄い本なのにとても重い内容を含んだ傑作中の傑作。谷崎の真髄がわかる。

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盲目の少女とその家の…

盲目の少女とその家の書生の恋愛を描いている。とても読みやすいので、読んでみてください。

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目が見えなくても、誇…

目が見えなくても、誇りを失わずことの世界に生きた女性。その女性に尽くし生涯を捧げた男性。二人の物語。

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春琴抄は、視力を失っ…

春琴抄は、視力を失った美貌の女性・春琴さんと、その世話をする男・佐助の話。前半は苛烈すぎる春琴の性格に馴染みきれなかったのですが、視力を失って、更に佐助が彼女のために失明してから少し心を許した感じになりまして、そこから後の主従っぷりは好きです。関西弁の喋りと、日本的な美しさで描か...

春琴抄は、視力を失った美貌の女性・春琴さんと、その世話をする男・佐助の話。前半は苛烈すぎる春琴の性格に馴染みきれなかったのですが、視力を失って、更に佐助が彼女のために失明してから少し心を許した感じになりまして、そこから後の主従っぷりは好きです。関西弁の喋りと、日本的な美しさで描かれる春琴は鮮やかに印象に残ります。

文庫OFF

オススメ!

恋愛。恋慕の情。その想いに型はない……ということを思い知らされる。あらすじを知っていても、ぜひ読んでいただきたい。盲目の麗人「春琴」と彼女に仕える「佐助」の世界に、じわじわと呑み込まれる……。

TKS

2024/11/17

盲目の琴の名人春琴と丁稚の佐助、二人の恋物語。容姿端麗で琴の腕も名人並の春琴だが盲目になったことで性格も意地悪くなるが、そんな春琴の身の回りの世話をしていたのが佐助。彼女の傲慢な要求にも誠実に応える佐助。ある日春琴は何者かによって火傷を負わされ誇っていた綺麗な顔が醜いものへと変貌...

盲目の琴の名人春琴と丁稚の佐助、二人の恋物語。容姿端麗で琴の腕も名人並の春琴だが盲目になったことで性格も意地悪くなるが、そんな春琴の身の回りの世話をしていたのが佐助。彼女の傲慢な要求にも誠実に応える佐助。ある日春琴は何者かによって火傷を負わされ誇っていた綺麗な顔が醜いものへと変貌してしまい、その姿を佐助に見られたくないと言う。それに対して佐助は自らの眼球を針で刺し盲目となることで彼女の綺麗な姿を頭の中に留めることにする。 思ったりよりも読みやすかった。佐助の愛が凄すぎる。自分じゃ到底できない。盲目になってから見える世界があると佐助が言ってるのがまたいい。

Posted byブクログ

2024/11/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

鵙屋琴(春琴)と佐助の生活と生田流の琴、三弦の芸術の話である。春琴は美人で、裕福な商家(薬種商)の娘で、芸事に天稟があった。佐助は商家の丁稚で、九歳の時に失明した春琴の手曳きとなり、ひそかに三味線も始める。それがばれて主人の前で弾かされて、春琴と師弟関係となる。佐助と春琴の間には子ができるが、春琴は佐助を父とみとめず、子供は他所にもらわれていく。春琴は琴の師匠として独立し、佐助も世話でついていく。食事、厠、風呂などの世話に按摩、楽しみである鶯や雲雀の世話など、とにかく介助の人生を送る。春琴は高慢で意地悪で、弟子や同業者などから恨みをかい、三十七歳のある日、家に侵入した謎の賊に鉄瓶の湯を顔に掛けられ、醜い容貌となり、自分の顔を佐助には見てほしくないという。佐助は瞳に縫い針を射し、失明して、春琴につくす(痛みはなかったそう)。春琴の死後、佐助は検校となるが、観念上の春琴を思いながら長寿を得て死亡する。 案外、漢文のような文章だと思った。谷崎は中国にも行っているし、『麒麟』という孔子の話もかいているから当然だろう。盲の人が賢そうに見えるという観察が書いてあるが、これは文中では佐藤春夫の説となっているが、アリストテレスの『感覚と感覚されるもの』にある指摘である。鶯の世話の話など細かくておもしろかった。また、盲となった佐助にとって春琴と別れたのも、正確にはいつかとは言えないということが書いてあって、愛とはそういうものなのかも知れないと思う。

Posted byブクログ