春琴抄 の商品レビュー
愛には違いないのだろうけど、純愛や性愛や、世間一般我々がいう愛とはまるで違う。信仰のようでもあるが、この二人にしかありえないような、唯一無二の関係性。それが歪んで見えてしまうのは、我々が俗な愛しか持ち合わせていないからか。
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伯母の本棚からいただいてきたもの。昭和49年発行。100円。新潮文庫の谷崎作品のカバーはだいぶ昔からこのデザインなんですね。このデザイン好き。 さて、春琴抄。短いのと伝聞調で内面に深く立ち入りすぎないからテンポ良くて良いですね。同じ芸道ということで唄や器楽だけでなく浄瑠璃や歌舞伎...
伯母の本棚からいただいてきたもの。昭和49年発行。100円。新潮文庫の谷崎作品のカバーはだいぶ昔からこのデザインなんですね。このデザイン好き。 さて、春琴抄。短いのと伝聞調で内面に深く立ち入りすぎないからテンポ良くて良いですね。同じ芸道ということで唄や器楽だけでなく浄瑠璃や歌舞伎の例も触れられてましたが、このシンプルだけど強力な引力を持つ話は歌や演劇など別の表現方法でも映えるんでしょう。実際繰り返し映画化もされてますし。手元にあるものの表紙折り返しのそでには1972年『讃歌』の写真が引用されてました。どれか見てみようかな。
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ちゃんと谷崎潤一郎を読んだのははじめてかも。 男女の具体的な描写が無いにもかかわらず、官能的な物語。この二人の物語は、もっと深く濃厚なものであろうことが、短い短編にもかかわらず、想像が展開する。これ以上の表現も説明も不要なのだろうが、まだまだこの二人の物語に身を置きたいという余韻...
ちゃんと谷崎潤一郎を読んだのははじめてかも。 男女の具体的な描写が無いにもかかわらず、官能的な物語。この二人の物語は、もっと深く濃厚なものであろうことが、短い短編にもかかわらず、想像が展開する。これ以上の表現も説明も不要なのだろうが、まだまだこの二人の物語に身を置きたいという余韻を残す。
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私はこの本に今までにないほどの愛を感じた。 谷崎純一郎の作品は歪んだ愛というものが多いが、歪みはあれど純粋な愛である。
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容姿端麗で盲目、三味線師匠の春琴と、奉公人の佐助との重い愛の物語。 教えと称し暴力を振るう春琴に進んで仕え、自らも盲目の世界へと足を踏み入れる佐助には狂気を感じた。 背伸びをして読んでみたが難解な文体で理解度は7割程度。 世界観が好みなので他作品も手に取りたい。
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100ページに満たないに関わらず、読了にかなりの時間を要した.何を語っても現代の価値観を持った人々には語りきれない(咀嚼しきれない)と思う.言葉にできない感情になる. 句読点をあまり使わず、捲し立てるように淡々と伝聞史を叙述しているので、途中文字を追うだけで頭を擦り抜けるを何度も...
100ページに満たないに関わらず、読了にかなりの時間を要した.何を語っても現代の価値観を持った人々には語りきれない(咀嚼しきれない)と思う.言葉にできない感情になる. 句読点をあまり使わず、捲し立てるように淡々と伝聞史を叙述しているので、途中文字を追うだけで頭を擦り抜けるを何度も繰り返すなどした. かなり、純文学に対しての価値観などを捻じ曲げられたので星5にしたいが...まだ噛み締められてない部分が多々あるので再読時にする.(歯痛を冷やす場面は狂おしいくらい好き) 追:これを読んで、本当に世界が変わった(本当に...)
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丁稚の佐助がその師匠春琴への忠と愛の極致に至福を見出す物語。 物語態というのが目新しく、原典の記述に著者があれこれと考察を加えながら進んでいく。句点が意図的に省かれている効果か、非常に読みやすい。 一通り読むと、冒頭の墓の情景がより美しく映じられる。春琴に侍り彼女の生活の一切...
丁稚の佐助がその師匠春琴への忠と愛の極致に至福を見出す物語。 物語態というのが目新しく、原典の記述に著者があれこれと考察を加えながら進んでいく。句点が意図的に省かれている効果か、非常に読みやすい。 一通り読むと、冒頭の墓の情景がより美しく映じられる。春琴に侍り彼女の生活の一切に如才なく気を配る佐助の様が、自ずから墓石に投じられるのである。
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爆笑しながら読むくらいおもろいナオミ最後^_^ ナオミが浮気してるかも?!ってハラハラする場面何回かあったけど毎回おもろいの凄い、にやにやして読むの止まらんなる 譲治の振り回されようが滑稽、男を手玉に取って弄ぶナオミ、それを分かりきってるのに服従せずには済まない譲治の堕落っぷりが...
爆笑しながら読むくらいおもろいナオミ最後^_^ ナオミが浮気してるかも?!ってハラハラする場面何回かあったけど毎回おもろいの凄い、にやにやして読むの止まらんなる 譲治の振り回されようが滑稽、男を手玉に取って弄ぶナオミ、それを分かりきってるのに服従せずには済まない譲治の堕落っぷりが良い 最後に馬乗りになるシーンなんてふたりの関係そのもの、ここを味わうためだけの小説と言っても過言ではないくらい好きな場面
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人を思うこと、愛すること。 愛の形は本当にそれぞれ。 つくづくそう思える本でした。 佐助、春琴。二人の音色を聴いてみたい。
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文体が特徴的ですがだからこそより集中して谷崎ワールドにのめり込めました。特に佐助が災難を与えられた後の二人の掛け合いが凄まじい。 目を突き潰す行動には自分はとても及べないけど、佐助の献身の愛の深さがよくわかったというか、異常なまでに献身的で愛の深い彼にとってはこれも一つの形なん...
文体が特徴的ですがだからこそより集中して谷崎ワールドにのめり込めました。特に佐助が災難を与えられた後の二人の掛け合いが凄まじい。 目を突き潰す行動には自分はとても及べないけど、佐助の献身の愛の深さがよくわかったというか、異常なまでに献身的で愛の深い彼にとってはこれも一つの形なんだなと変に納得した。と思ってしまうくらい、徹底して客観視しているけどとても解像度の高い谷崎の人物描写に驚き。
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