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春琴抄 の商品レビュー

4.1

488件のお客様レビュー

  1. 5つ

    165

  2. 4つ

    148

  3. 3つ

    97

  4. 2つ

    17

  5. 1つ

    1

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2023/03/28

盲目の師匠と彼女を献身的に支える弟子の美談、かと思いきや、めっちゃ怖くて気持ち悪い話だった。句読点がかなり少ないのに読みづらさは感じられず、寧ろそのおかげでおおらかに流れるような優美な文章になっていて、さすが谷崎、、、と思った。

Posted byブクログ

2023/03/02
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終盤から一気に怪しい雲行きに…。でもセンセーショナルな事件に不自然さを感じさせないのがさすが!谷崎潤一郎の作品って、主人公が崇拝するヒロインにも痛烈な内面に向けた考察が展開されるのが魅力的。なんかリアル、ってすごく大事な感覚。 いや違くね? 春琴は「どんな姿になってもあなたを愛します」って言って欲しいんじゃね? とか思ってたけどSMの世界は佐助の出した答えで正解らしいですね。性的マジョリティにはわからん。でもそこが面白かった。 終わり方も秀逸。 誰だっけ、佐助の愚行を彼の功績と結びつけて賞賛したおじいさん。フツー読者としては「いやいやマゾヒストの妄想でしょ? 性的倒錯者の異常行為でしょ?」で終わらせたくなるところを分かってて指摘してる。さすが谷崎潤一郎。

Posted byブクログ

2023/03/01
  • ネタバレ

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4.5くらい 顔に火傷を負った春琴が、目を針で突いて春琴同様盲目になった佐助に対して言った「お前にだけは見られたくなかったのだ」的な言葉が、春琴が本当に佐助のことを他の人とは違って特別に思っているのだということが伝わって好きだ。 その後、2人は子供を4人もうけたとのことだが、互いに慰め合った結果にできた子供たちなのかなと思った。エロとは違う気がする。 あんなに春琴のことを想っていたのだから、春琴の死後、佐助は廃人になったり自殺をしたりするのではないかと考えてしまったが、もし彼の目が見えていたらそうであったかもしれないけれど、盲目の佐助の瞼の裏にはずっと美しいままの春琴が焼きついていたことと、真っ暗闇の世界でずっと2人は繋がっているという気持ちがあったから天寿を全うすることができたのかなと思った。もしかすると、春琴が亡くなってからは瞼の裏に見えている美しい春琴のことを仏像とかそういうものを崇拝するような気持ちで見ていたのではないだろうか。

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2023/01/13

4.3くらい 朝読の時間にちまちま 最初はちょっと読みづらいかな?って思ったけどだんだん惹き込まれていった それはほんとうか、のところの文章全部好き 思わずため息をついてしまうくらい美しい小説でした 落ち着いたらまた読み返したい

Posted byブクログ

2023/01/12

LINEのオープンチャット「読書会すみれ」で輪読会の課題本として取り上げられた小説。今更ながら読みました。 本書は、ある極端な愛の形を描いた作品と紹介されるのが一般的。例えば新潮文庫の裏表紙には「被虐趣味を超え繰り広げられる絶対美の世界」と団鬼六さんの特殊なジャンルの小説の紹介み...

LINEのオープンチャット「読書会すみれ」で輪読会の課題本として取り上げられた小説。今更ながら読みました。 本書は、ある極端な愛の形を描いた作品と紹介されるのが一般的。例えば新潮文庫の裏表紙には「被虐趣味を超え繰り広げられる絶対美の世界」と団鬼六さんの特殊なジャンルの小説の紹介みたいなことが書かれています。が、読んでみたら、素直に物語の展開に夢中になり、面白い小説であると思いました。 印象に残ったのは ①春菊の性格描写と弟子に対する非情の扱い②段落の欠如と極端に少ない句読点。ただし、音読すると心地よいリズムを感じる文章 ③佐助の心理描写と覚悟の行動 挫折のアツが強そうな小説ですが、本当に面白い小説です。ブックオフでは110万円コーナーにありますので、思い出したらお買い求めください。

Posted byブクログ

2023/01/04

短めで読みやすかったし痴人の愛よりも表現が婉曲で破滅感がいきすぎてなくて好感を持てた。他を寄せ付けない神秘的で甘美で淋しい2人の間柄に惹きつけられた。自然と光景が目に浮かぶ美しい文章でした。夢見心地みたいな、ほのかに花の匂いのしそうな、人気のない、日陰のイメージがした。 「佐助は...

短めで読みやすかったし痴人の愛よりも表現が婉曲で破滅感がいきすぎてなくて好感を持てた。他を寄せ付けない神秘的で甘美で淋しい2人の間柄に惹きつけられた。自然と光景が目に浮かぶ美しい文章でした。夢見心地みたいな、ほのかに花の匂いのしそうな、人気のない、日陰のイメージがした。 「佐助は現実の春琴を以て観念の春琴を喚び起す媒介としたのであるから対等の関係になることを避けて主従の礼儀を守ったのみならず前よりも一層己を卑下し奉公の誠を尽して少しでも早く春琴が不幸を忘れ去り昔の自信を取り戻すように努め、今も昔の如く薄給に甘んじ下男同様の粗衣粗食を受け収入の全額を挙げて春琴の用に供した」ここが印象に残った、、、、。 途中からこれぞ谷崎という感じのマゾヒズムが出てきてあ〜これこれ!とニンマリした。美しいお話だった。

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2022/12/14

学生時代、文学史で名前を知ってから気になってた本。 愛にもいろんな形があるんだな…よく分からない世界だ。

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2022/12/10

読点と改行が少ないですが、流れるような古典の大阪言葉が声に出しても耳に心地よかったです。 大阪の人間であっても大阪の言葉は半端に文字に起こすと聞き苦しいものがありますが、この作品の言葉は美しく、それを読むだけでも価値があると思います。

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2022/12/05
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琴や三味線の師匠の「春琴」とその丁稚奉公をしている佐助の愛を描いた話。究極のマゾヒスト小説?と言われているらしい。

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2022/10/09

面白かった。やっぱり昔の小説ということもあって読みづらい。句点がなかったり、言葉がやけに古めかしかったり。昔の言葉で更に昔のことを語るのだから尚のことよく分からないところが多かった。楽しんで読めたのは佐助の心理。狂気にも似た心酔が読んでいて面白い。春琴もまた同様。歪な愛が垣間見え...

面白かった。やっぱり昔の小説ということもあって読みづらい。句点がなかったり、言葉がやけに古めかしかったり。昔の言葉で更に昔のことを語るのだから尚のことよく分からないところが多かった。楽しんで読めたのは佐助の心理。狂気にも似た心酔が読んでいて面白い。春琴もまた同様。歪な愛が垣間見えるところがゾクゾクした。すごく客観的だったので余計。

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