眠れる美女 の商品レビュー
主観の性別が違うだけで、外殻だけの観賞用にできたら素晴らしいと思うのは多分一緒。 ならいっそパーツにしちゃえばいい、という飛躍は非常に好ましく思う所。
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「眠れる美女」 男と「女性」、若さと死を描いた物語。 老人が少女の横でまどろみながら見る幻想、少女の姿形の描写、五感に訴えかけるような美しくて妖しい文章が魅力的。
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波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女―その傍らで一夜を過す老人の眠は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。熟れすぎた果実の腐臭に似た芳...
波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女―その傍らで一夜を過す老人の眠は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作『眠れる美女』のほか『片腕』『散りぬるを』。 (裏表紙紹介文より) *** 教科書以外では初川端作品。 古い文章で読みづらいかな、と覚悟していたんですが、思っていたよりもずっと読みやすい文章でした。 ただ、頭にすんなりとは入ってきてくれない、そんな感じ。 「片腕」とかは乙一作品にありそうな設定な気がしました。 全体的にちょっと壊れているような、そんな雰囲気の話たちでした。 読んでいると正気と狂気の間にいるような。 そもそも正気と狂気の違いってなんだっけ、って思ってしまうような。 そんな感じ。
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三島の代筆疑惑がある作品ですが どうなんだろなあ 話の内容はすごく惹かれたけど 江口がネチネチしつこい印象を受けたので 読んでてちょっと疲れたというのが率直な感想 『片腕』はすき これはお気に入りです
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表題作『眠れる美女』と、『片腕』、『散りぬるを』の3篇収録。 『眠れる美女』・・・ガルシア・マルケスの『わが哀しき娼婦たちの思い出』のもとになっているので読んでみました。 暗いエロス炸裂。眠っている女の子に注がれるおじいさんの舐めるような視線、粘着質な描写が変態ぽくてすごくいい...
表題作『眠れる美女』と、『片腕』、『散りぬるを』の3篇収録。 『眠れる美女』・・・ガルシア・マルケスの『わが哀しき娼婦たちの思い出』のもとになっているので読んでみました。 暗いエロス炸裂。眠っている女の子に注がれるおじいさんの舐めるような視線、粘着質な描写が変態ぽくてすごくいい。
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この本は今まで読んだ中で一番謎に包まれた感がある。設定といい、状況といい、正直意味がわからないと思った不思議な本。 またこの本に含まれている短編の「片腕」と、ゴーゴリの「鼻」が非常に似ている内容に感じた。
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近代日本文学のデカダンスをたっぷり味わえる本。 不能ではないギラギラした老人と、若く美しい眠れる美女の悲劇的な物語。 こんな妄想をよくします←。
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読み始めた時、これはもっと歳を重ねてから読むべきものではないかと思ったが、杞憂だった。 延々続く様々な若くうつくしい女への悲哀に裏打ちされた讃歌、老人だからこそ感じるのだろうそのかけがえのない輝き。 表題作が一番好きかな。片腕からは妙なモダンを感じた。 しかし川端さんは人間大嫌い...
読み始めた時、これはもっと歳を重ねてから読むべきものではないかと思ったが、杞憂だった。 延々続く様々な若くうつくしい女への悲哀に裏打ちされた讃歌、老人だからこそ感じるのだろうそのかけがえのない輝き。 表題作が一番好きかな。片腕からは妙なモダンを感じた。 しかし川端さんは人間大嫌いだねw 解説が三島で興奮した。人間讃歌と人間厭世、対照的な二人が同じ本に入っているのが不思議な感覚。
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閉鎖的な空間での老人と美少女の限りなく退廃的な性を綴っている作品。 厭世的な心境での若い娘との対峙や、いつか訪れる死を感じ、あくまでも美しく書かれており、厭世家なのが感じられる作品。 解説の三島由紀夫と二度美味しいです。
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もやのように漂う死の気配。 死と官能は隣り合わせ。 女への屈折した想い、憧憬、悲しみが淡々と美しくも恐ろしく綴られている。
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