1,800円以上の注文で送料無料

眠れる美女 の商品レビュー

3.8

204件のお客様レビュー

  1. 5つ

    44

  2. 4つ

    69

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    4

レビューを投稿

2012/09/24

若く生命力に溢れるも眠ったままの女と老いにさしかかった男。男としての力をまだ残している、しかし遠からずそれを失うであろう老人と、女としての経験のないままに男の前に身を横たえる少女。対比のバランスが素晴らしい。細部まで描写された、しかし外面しかわからない娘たちの様子も哀しいエロチシ...

若く生命力に溢れるも眠ったままの女と老いにさしかかった男。男としての力をまだ残している、しかし遠からずそれを失うであろう老人と、女としての経験のないままに男の前に身を横たえる少女。対比のバランスが素晴らしい。細部まで描写された、しかし外面しかわからない娘たちの様子も哀しいエロチシズムを感じさせる。 最後の生と死の転換が、より老人の哀しさを際立たせるようだ。

Posted byブクログ

2013/03/27

「こんなのが安心して触れられるいのちなのかもしれない」 目覚めることのない少女と、それを見つめ続ける老人。色々正反対のものが組み合わさって、妖しげな雰囲気出てました。 観念的な、視覚的な美しさに加えて背徳感も出てものすごい発想。 視線の男性が異物感。なんなんだろう、あれ。

Posted byブクログ

2012/08/12

読み終わって迷わず谷崎の隣にしまった。負けず劣らずの変態だな!というのが正直な感想か。しかし三島由紀夫の解説には舌を巻く。中学生の頃には夏休みの宿題に読書感想文を書かされたものだが、そういう時期にこの解説を読んだとしたらきっと感想文など書けなくなったろうな。そんなわけで次は三島を...

読み終わって迷わず谷崎の隣にしまった。負けず劣らずの変態だな!というのが正直な感想か。しかし三島由紀夫の解説には舌を巻く。中学生の頃には夏休みの宿題に読書感想文を書かされたものだが、そういう時期にこの解説を読んだとしたらきっと感想文など書けなくなったろうな。そんなわけで次は三島を読もう。

Posted byブクログ

2012/08/11

瑞々しく萌えるような若さが躍動もなく静かに横たわっている。昏睡にありながらもそれぞれの女は妖しく艶かしい芳香を強烈に漂わせる。しんとした静謐の中の抑圧された不思議なエロスにそそられる。

Posted byブクログ

2013/01/01

『眠れる美女』『片腕』『散りぬるを』の三篇 人生の寂しさを女の生命力で紛らわせようとする男の話、という印象 静かで美しく、 強靭なようであって脆い

Posted byブクログ

2012/07/19

「片腕」の湿気高すぎてむせ返るような、息苦しいほどロマンチックな雰囲気がどうにも好きだ。ラジオから流れてくる非現実的なことばや、タイサンボクの香や…すべてが緻密に、完全を形作っている。 他2編はあんまり…。

Posted byブクログ

2012/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わった気持ちをうまく言葉にすることができない。「寂しい」とか「憐れみ」とか「退廃的」とかいろいろと思い浮かびはするのだが、どれもしっくりとしない。これらの言葉の最大公約数的な言葉が「デカダンス」なのだろうか。勉強不足の自分にはよくわからない。 「眠れる美女」は読んでいて非常に息苦しさ、閉塞感を感じた。それは単純に小説として「動き」の少ないせいなのかもしれない。それに加え執拗なまでの少女たちの身体の描写、艶めかしさ、淫靡、妖艶という言葉だけではとても表せないほどの描写は、甘く妖しげな臭いを放ち、呼吸ができないまま走馬灯のように昔に嗅いだ綺麗な匂いを思い出される、そういった苦しさがあった。 神秘といって片付けてしまいたくはないのだが、僕にはこの作品を表す言葉を知らない。全体を作っている「もの」をひとつひとつ排除していって、最後、「空間」だけが残ったときのその「空間」こそが「核」であるように思うのだが、その作業をするとなるとかなりの時間を要するだろう。言葉でうまく表せない、このもどかしさは久しぶりのものだった。

Posted byブクログ

2012/06/04

眠りの館に紹介された老人。 そこのシステムは、ただスヤスヤと眠っている美女の横で睡眠薬を飲んで眠るものだった。 毎回違う女が用意されているが、どの女も魅力的である。 ある日、そこで老人が死んだという。 惨めだったのか、幸せだったのか。 次は自分かもしれないな、と思う最中、隣で眠っ...

眠りの館に紹介された老人。 そこのシステムは、ただスヤスヤと眠っている美女の横で睡眠薬を飲んで眠るものだった。 毎回違う女が用意されているが、どの女も魅力的である。 ある日、そこで老人が死んだという。 惨めだったのか、幸せだったのか。 次は自分かもしれないな、と思う最中、隣で眠っていた女が死んだ… ミステリーではない。 究極のデカダンス。退廃的で耽美的で、妖しい輝きを放っている。 川端康成の真骨頂という感じ。 この人のエロチックな文章は本当に美しい…ただただ美しい。

Posted byブクログ

2012/06/02

表題の「眠れる美女」を目当てにしていたが、これは僕には合わなかった。 むしろ併録の「片腕」における、主人公の圧倒的な孤独にはなにか感じるものがあった。

Posted byブクログ

2012/05/03

映画「Sleeping beauty」の原作と知って読みました。 映画は少女視点、本作は老人視点でストーリーが展開されるということでどちらも最後まで観て、読んで楽しむことができました。

Posted byブクログ