第三の嘘 の商品レビュー
一作目、二作目が大変面白かったので読み終わってすぐに本屋に買いに行った。 今までの作品に比べると勢いがないなあというのが正直な印象。 静かに収束していく二人の物語はとても悲しかった。 何が本当で何が嘘なのか、途中まではごちゃごちゃにだったけれどあとがきを読んでからは第一、第二と続...
一作目、二作目が大変面白かったので読み終わってすぐに本屋に買いに行った。 今までの作品に比べると勢いがないなあというのが正直な印象。 静かに収束していく二人の物語はとても悲しかった。 何が本当で何が嘘なのか、途中まではごちゃごちゃにだったけれどあとがきを読んでからは第一、第二と続いて第三の嘘という風に捉えている やはり『悪童日記』が一番好き。 一作目は映画も公開されたばかりなようですので明後日にでも見に行こうと思います。
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シリーズ完結作。 第一部と第二部からなり、兄弟それぞれの視点で話が展開する。 結構話が過去と現在なんかを飛んだりするので最初の方は少し読みづらい。 以下はネタバレになるので未読の方は注意!! 結局、『悪童日記』も『ふたりの証拠』も嘘だったってこと…でいいのか…? 悪童日記では双子だということで、ふたりの証拠では実は同一人物と思わせながら、今作ではやはり別々の人間ではあったものの、過去は全く違うものだったという…なんともややこしい。 でも、うまく辻褄をあわせて真実はこうでしたみたいな体裁をとってるが、タイトル通り『第三の嘘』ならこの真実も嘘ということ…? しかしまぁすべての小説(ノンフィクション以外)は嘘のかたまりなのだから、それを嘘っていってるだけで、作品の中の真実はこれなのか? 考え出すともやもやするのでとりあえずあるがまま受け入れておこう。 三作ともどれも悲しくて切ない展開なのでできれば幸せな双子だったならいいなぁという夢を見つつ、読んでよかったなと思えた。 三作の中ではやはり『悪童日記』が面白かったな。 双子のいつも一緒で不気味な感じがたまらなくツボだった。
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さすがに驚いた。というかこれでよかったのか…。「悪童日記」「ふたりの証拠」の内容は結局作中作と解釈するのが妥当かもしれないが、ちょっと受け入れられないので、パラレルワールドのような感じで納得することにした。
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直訳だというタイトル通りこれも嘘であればいい。もう一度悪童日記から読み返したいようなそのままにしておきたいような。
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「ふたりの証拠」の続編。始まりから現実と虚構が入り混じって、今までの話の何が正しくて、何が嘘なのかわからなくなる。 実はこうだったんですよと明かされるたびに、 「おぉ」と思わずつぶやいてしまった。 三部作の構成も素晴らしく、どれもとても面白かった。
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あっちこっち行くから、読みにくかったのは途中まで。リュカとクラウスが、戦争のせいで何度もすれ違っていたのも哀しい。もしも、彼らが自分の幸せだけを願っていたらこんな風にならなかったのかも。最初は多分持っていた愛の幻影を棄てずにいる二人が哀しい。
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「悪童日記」や「ふたりの証拠」に出てくる場面との違いを、照らし合わせながら読むと面白い。リュカが語る通り、現実を美化し、こうであって欲しかったと願う物語なのかもしれないし、本作も含めた全てが嘘なのかもしれない。何が本当で何が嘘なのか。悩んでしまうのだけれども、この小説の中では、真実なんてものは大した意味を持たないのかもしれない。 救いがなく悲しかった。でも、読み応えのある作品だった。
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2013. 10. 15- 16 悪童日記の最終巻。全ての真実が明らかになるが、悲しいストーリーだった。結局、この主人公の本心は?人間性は??と考えさせられる本。 知らなくてよい真実もあるのかなと思わせた最終巻だった。
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クラウス、リュカの物語が完結した。『悪童日記』を書いた当初、おそらく作者には3部作の構想はなかっただろう。あの作品1作で十分に完結性を持っていたからだ。ところが、それに続く2作が書かれることによって、それ自体で完結していたはずのものが、たちまち混沌とした様相を帯びてくる。では、これらの作品を3作を通したメタ・フィクションとして見ればどうか。そこに浮かび上がってくるのは、故郷との断絶であり、自らのアイデンティティの不確かさである。後に残るのは、両親の、兄弟の、サラの愛もすべてを喪失した寂寥感だけだ。
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『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三部作完結編。結局の所、双子の子供は一人であると同時に二人でもあった。物語が進んで行く度にその基盤が振り崩されていくこの三部作において、残されたのは20世紀における不安定な東欧情勢によって切り離され、帰るべき場所を失った家族の姿だったのかもしれな...
『悪童日記』『ふたりの証拠』に続く三部作完結編。結局の所、双子の子供は一人であると同時に二人でもあった。物語が進んで行く度にその基盤が振り崩されていくこの三部作において、残されたのは20世紀における不安定な東欧情勢によって切り離され、帰るべき場所を失った家族の姿だったのかもしれない。どれだけ嘘を重ねようとも喪失の感情からは逃れられず、その悲鳴は痛切なまでに本当であった。「1冊の本は、どんなに悲しい本でも、1つの人生ほど悲しくはありません」そう、だからこそ自分は、悲しい物語に潜む悲しい人生に耳を澄ましたい。
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