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第三の嘘 の商品レビュー

3.9

186件のお客様レビュー

  1. 5つ

    52

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    50

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2015/07/24

く…暗い。 暗さをずーっと保ったまま最後まで進む。 時々「私」がどっちのことを指すのかわからなくてこんがらがった。 あえてそうしてるのだろうとは思うけど、ほんとわかりにくかった。

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2015/04/17

「悪童日記」で強い衝撃を受け、「ふたりの証拠」で胸を打たれ、陶酔を引きずったまま、三部作の完結編「第三の嘘」を読みました。 正直に告白すると、途中、何度か筋を見失いましたが、乾いた文体は健在、感情描写も極力排され、それでいて強い喚起力のある作品でした。 ただ、前2作ほど夢中になれ...

「悪童日記」で強い衝撃を受け、「ふたりの証拠」で胸を打たれ、陶酔を引きずったまま、三部作の完結編「第三の嘘」を読みました。 正直に告白すると、途中、何度か筋を見失いましたが、乾いた文体は健在、感情描写も極力排され、それでいて強い喚起力のある作品でした。 ただ、前2作ほど夢中になれませんでした。 恐らく前2作と比べ淡々と物語が進んでいくためで、山場らしい山場がないからです。 それでも小説を読む楽しさは十分に堪能できます。 山場のあるなしは、作品の善し悪しを判断する尺度のひとつに過ぎないと考えています。 リュカとクラウスは結局、双子なのかそうでないのか。 謎も謎のまま完結します。 でも、池澤夏樹さんも云っていますが、それでいいのだと思います。 「悪童日記」はもう一度、読み返すつもり。 映画も見たい。

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2015/03/20

どんでん返しっていうか、どれが「本当」として書かれててどれが「嘘」として書かれているのかがもうごっちゃで「え?え??」って翻弄される感じ。 結局、根本が救われない話なことには変わりはないですね… 個人的には、2作目、3作目には、ちょっと蛇足感がある気がするんですけど、3部作通して...

どんでん返しっていうか、どれが「本当」として書かれててどれが「嘘」として書かれているのかがもうごっちゃで「え?え??」って翻弄される感じ。 結局、根本が救われない話なことには変わりはないですね… 個人的には、2作目、3作目には、ちょっと蛇足感がある気がするんですけど、3部作通して考えると、悪童日記ラスト時点の「つづきをはやくください!」って(私の中の)読書の醍醐味を味あわせてくれたので、読んでよかったと思いました。

Posted byブクログ

2015/01/12

「悪童日記」「二人の証」に続く三作目。 前作の最終章からの続き。数十年振りに帰国したクラウスは不法滞在で強制退去となる直前に生き別れた兄弟と再会します。そしてまた語り手が変わります。とても悲しい物語でした。 前作で語り手が全く信用できない構成になっていることがわかり、本作もど...

「悪童日記」「二人の証」に続く三作目。 前作の最終章からの続き。数十年振りに帰国したクラウスは不法滞在で強制退去となる直前に生き別れた兄弟と再会します。そしてまた語り手が変わります。とても悲しい物語でした。 前作で語り手が全く信用できない構成になっていることがわかり、本作もどこから真実でどこから作り話の設定なのか気にしつつ読むことになりました。タイトルの「第三の嘘」は、この三作目の話も真実が書かれているわけではないことを示しているのかもしれません。たぶん二人のそれぞれが、こうあればよかったと思ってることと、事実の記憶とがないませになっているのでしょう。

Posted byブクログ

2015/01/11

「悪童日記」、「ふたりの証拠」に続く三作目。の筈が、読み進めると自分が誰の物語を読んでいるのかまるで「ドグラ・マグラ」の如く困惑させられる。タイトルが明示しているように三作を通じて嘘が含まれているから。 しかしどこからどこが誰の嘘なのかなんてことは(恐らく)重要じゃないし、答えも...

「悪童日記」、「ふたりの証拠」に続く三作目。の筈が、読み進めると自分が誰の物語を読んでいるのかまるで「ドグラ・マグラ」の如く困惑させられる。タイトルが明示しているように三作を通じて嘘が含まれているから。 しかしどこからどこが誰の嘘なのかなんてことは(恐らく)重要じゃないし、答えもないかもしれないと途中で気づく。常に底にあり続ける作者の祖国への喪失感と嘆きこそが主題なんだと。 淡々とした文体がそれを引き立てる。 なお、あとがきにあるように亡命したことが作者にとって致命的なミスだったとしても、亡命しなくても救われなかったのだろうという想いが今作のクラウスや前作のリュカの物語に現れているような気がしてならない。

Posted byブクログ

2018/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三部作全て読み終えて、いったいこの物語は何だったのか?と、読み終えても分からない…話の中で書かれた本の話?話の中での事実ではなく、創作された話?混乱するけどそれもまた面白かった。でもどの話にせよ皆悲しくて辛いのは変わらないけど。

Posted byブクログ

2014/11/23

オンラインショップで購入し読了。 混乱の極みともいえる展開。 ぼくらのどちらなのか、リュカなのかクラリスなのか、どちらでも無いのか… 感想は言い難いものがあります。理解には程遠くて。 ただもうここまで来たら本当に誰と言う事も無く、あの時代に生きた人々のいくつかの映し絵なのかな…と...

オンラインショップで購入し読了。 混乱の極みともいえる展開。 ぼくらのどちらなのか、リュカなのかクラリスなのか、どちらでも無いのか… 感想は言い難いものがあります。理解には程遠くて。 ただもうここまで来たら本当に誰と言う事も無く、あの時代に生きた人々のいくつかの映し絵なのかな…と。 悪童日記のふたりの生き方は衝撃でありながらあれはあれで完成されたものであって欲しい気持ちがあったので、続きは読むべきで無かっただろかとも思いましたが、もしかしたらここまでの全てさえ夢物語と言えるような辛い誰かの人生に寄り添った三部作だったのだろかとも思い、読んだこと自体は良かったかな…とも思いました。

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2014/10/26

『悪童日記』を読んでいた時の興奮はどこへやら。 『ふたりの証拠』よりはまし、なのか。 この時代の抑圧された生活だから重いのは仕方がないのか。 それにしても、第一作ではあんなに仲が良さそうだった兄弟に鬱屈したものが溜まっていたとわかったときの行き場のない思いをどう処理したらよいのか...

『悪童日記』を読んでいた時の興奮はどこへやら。 『ふたりの証拠』よりはまし、なのか。 この時代の抑圧された生活だから重いのは仕方がないのか。 それにしても、第一作ではあんなに仲が良さそうだった兄弟に鬱屈したものが溜まっていたとわかったときの行き場のない思いをどう処理したらよいのかわからなかった。 スッキリしない読了感は、何が嘘で何が本当か、最後までわからなかったからか。 --- ベルリンの壁の崩壊後、双子の兄弟の一人が、子どものころの思い出の小さな町に降り立った。彼は少年時代を思い返しながら町をさまよい、何十年も前に別れたままの兄弟をさがし求める。離れた地でそれぞれの人生を歩んできた双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされ鵜真実と嘘とは?抑制された筆致でつづられた衝撃的な傑作『悪童日記』にはじまる三部作、第二作『ふたりの証拠』を経て発表された圧倒的な完結篇

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2014/10/20

出ていった一人が帰ってきた。もう一人を捜す。もう一人は出ていった? 小説の世界で書かれた小説と、さらにその中で書かれた小説?複数の世界があって絡み合っているみたい。その世界を見せてくれる本当の書き手は誰?

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2014/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『二人の証拠』と合わせて一気読み。 『悪童日記』の双子や『二人の証拠』のリュカの強さがフィクションの中のフィクションとなり、真実として語られるエピソードの悲惨さが際立つ。現実は小説より悲惨だ、というような趣旨のことを、『二人の証拠』の中で誰か(クララかペテール?)が言うのだけれど、まさにその「現実は小説より悲惨」ということが小説になっている。

Posted byブクログ