星々の舟 の商品レビュー
どうしても忘れたくない文章が沢山あるので、 感想ではなく本文より抜粋します。 p132~133にかけて美希の気持ち。 つかまるものなんか、もう、いらない… 誰と分かち合うこともできない、消せない痛み… p169暁の言葉 いいか。お前は、どっこも変わってない… p197 けれ...
どうしても忘れたくない文章が沢山あるので、 感想ではなく本文より抜粋します。 p132~133にかけて美希の気持ち。 つかまるものなんか、もう、いらない… 誰と分かち合うこともできない、消せない痛み… p169暁の言葉 いいか。お前は、どっこも変わってない… p197 けれど、15年の歳月は互いの上を等しく流れ… p235貢の気持ち 唯一憎むべき相手がいるとすれば、ぬるい自分である… p337重之の言葉 謝ることで気が済んでしまって… p406 赦されるのを前提に謝ることを詫びとはいわない… p426 叶う恋ばかりが恋ではないように… あとがきより 幸せとは自由であること 幸福とは呼べぬ幸せもあるのかもしれない あとは、ヒトリシズカと言う花の名前を教えてくれた事。 春になったら探してみたいです。 そして、戦争とともに生きた方たちや慰安婦の事。 戦争のことを話したくない方の気持ち。 今まで聞き流してきたことを、自分の頭でちゃんと考えてみたいと思いました。 とても辛い内容でしたが、心に刺さる作品でした。
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ひとつの家族に起きる出来事を綴った短編集。 それぞれ無くもない話だけどそれが全部ひとつの家族に起きる?って思うほどだった。 それぞれの話は面白くてそれなりに引き込まれたし色々考えさせられるところもあった。 でも最後の締めの重之の物語はなんだかなぁ。 戦争という出来事を真実も明らか...
ひとつの家族に起きる出来事を綴った短編集。 それぞれ無くもない話だけどそれが全部ひとつの家族に起きる?って思うほどだった。 それぞれの話は面白くてそれなりに引き込まれたし色々考えさせられるところもあった。 でも最後の締めの重之の物語はなんだかなぁ。 戦争という出来事を真実も明らかになっていない慰安婦を中心に語るのもどうかと思うけど重之自身の性格も昔ながらの父親を描いたのかもしれないけどあまりにも自己中で散々周りに迷惑かけてきたのに年取ってちょっと丸くなって重之自身も戦争を体験して色々あったんだからって勝手にいい話っぽくまとめちゃうのはなんか納得いかなかった。
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どの話も重たいな。 お母さんの腰を痛めたエピソードがキツイ。それを皆黙っていたのとかも辛い。 重い雰囲気の中、最後の最後にまた出会った2人が少し明るく見えたのが救いです。
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それぞれに重みがある連作。読ませるのだが、どうしても星5個目を付けられない。なぜだろう。ほぼ全員、どうしようもない。そういう小説もあるが、これは何かキレイにまとまって、いや、何もなく雰囲気だけだったように終わってしまった印象であった。
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2003年(平成15年)の直木賞受賞作です。 1つの家族のそれぞれの立場からの短編連作で 当たり前ですがそれぞれの思いや人生が描かれています。 最後のお父さんの立場からのお話で、戦争に関する記述、描写に胸打たれました。 読み終わって、登場人物の誰もの心の中の多くを占めている...
2003年(平成15年)の直木賞受賞作です。 1つの家族のそれぞれの立場からの短編連作で 当たり前ですがそれぞれの思いや人生が描かれています。 最後のお父さんの立場からのお話で、戦争に関する記述、描写に胸打たれました。 読み終わって、登場人物の誰もの心の中の多くを占めている『お母さん』の立場のお話がないことに気づき、そこは想像しろってことね、、、と納得。
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面白くて一晩で読み切った 機能不全とも言える家族は、時間の経過とともに表面上は収まるところに収まったかのように見える。けれども実際には、家族の構成員は満たされない想いや未解決の問題を抱えている。そんな各々の視点で描かれる短編集。 ありがちな家族モノの短編集かと思いきや、良い意味で期待を裏切られた。同じ過去を共有する家族のそれぞれのそれぞれに対する見方は、まるで自分が垣間見ているように没入できた。 この小説では、各々が孤独な傷を抱えているんだけど、過去や人生の意味を見出そうと悩みもがく様は共感したし、とても力をもらえたような気がする。そんなポジティブなメッセージがこの小説の根底には流れている。だから、引き込まれるし、読めてしまう。 だけど、凄惨なDVを受けて息子にも出ていかれた母が早死したことが、まるで美談のように語られるのが腑に落ちなかった。短編集の中に母視点の話は無くて、まるで一人だけ聖人化されてしまって、心の内は知る由もなかったんだけども。 作者のあとがきも良かった。幸せについて自由が大切であると作者は語る。そして同時に、孤独と向き合う必要性も説く。もっとこの人の本を読んでみたいと思わされた。
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胸が締め付けられて残酷で痛々しい家族の愛の物語。 色んな家族を通して自分の人としての弱さをまざまざと見せつけられて消化していく度に吐きそうになる。 兄と妹の関係。両親との関係。祖父母。孫。 この重過ぎる内容から自分と家族の過去の傷だけがほじくりかえされるようで読んでてとても辛い。...
胸が締め付けられて残酷で痛々しい家族の愛の物語。 色んな家族を通して自分の人としての弱さをまざまざと見せつけられて消化していく度に吐きそうになる。 兄と妹の関係。両親との関係。祖父母。孫。 この重過ぎる内容から自分と家族の過去の傷だけがほじくりかえされるようで読んでてとても辛い。 呼吸が痛く感じるよく出来た作品。キツイけど。
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随分前のものですが、直木賞受賞作品です。 やっぱりこの人の表現力はすごいです。 心の葛藤も、季節の流れも、美しくて切ない。 いくら文章が上手でも、情景描写過多でうっとおしくなる作家さんもいるのに、そうはならない。私の好みなんだろうなあ。。 さて内容ですが、うっとりする...
随分前のものですが、直木賞受賞作品です。 やっぱりこの人の表現力はすごいです。 心の葛藤も、季節の流れも、美しくて切ない。 いくら文章が上手でも、情景描写過多でうっとおしくなる作家さんもいるのに、そうはならない。私の好みなんだろうなあ。。 さて内容ですが、うっとりする文章とは裏腹に、各章ごとに、次男・次女・長女・長男・長男の娘・父親目線で描かれた連作短編集で、かなりヘビーです。 近親相姦、不倫、レイプ、いじめ、幼児虐待、戦争体験など・・・辛い話ばかりでちょっと読むのがしんどいほど。 しかもそれが(家族であっても)人によって微妙に違って受け止められ、その捉え方の違いが憎みあったり諦めたりに繋がってゆくという…なんとも切ない気持ちになりました。 そして、お互いが知り得ない事情を密かに抱えあいながら、最終的には皆ひとりで生きていかなければならない、という当たり前の事実に戻っていきます・・・ 生き続けていくには忘れていくしかないのかなあ、なんて思ったりして。皆忘れられないから苦しんでいるのです。。 それにしても、母の死がきっかけで物語が始まるのですが、一番知りたい母目線の章がないのは作者の意図、でしょうねえ。
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ひとつの家族のなかでこれだけの物語が書けるってすごいなと改めて思います。 頭の中だけで仕上げられる物語ではないからきっと取材も相当されただろうし、短編集とは思えない厚みのある作品です。 ひとつの方向から見ただけではわからないことが世の中にはたくさんある。っていうテーマを受け取った...
ひとつの家族のなかでこれだけの物語が書けるってすごいなと改めて思います。 頭の中だけで仕上げられる物語ではないからきっと取材も相当されただろうし、短編集とは思えない厚みのある作品です。 ひとつの方向から見ただけではわからないことが世の中にはたくさんある。っていうテーマを受け取った気がします。
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表紙とタイトルからしてまず綺麗な夜みたいな美しい印象だったが、内容はそれとは対照的だった。禁断の恋や不倫、戦争など登場人物たちはなにか不幸を背負っている。ただ、著者があとがきで述べているように、どの話にも一条の光が差しているような終わり方をしている。読了後は煮え切らない思いより、...
表紙とタイトルからしてまず綺麗な夜みたいな美しい印象だったが、内容はそれとは対照的だった。禁断の恋や不倫、戦争など登場人物たちはなにか不幸を背負っている。ただ、著者があとがきで述べているように、どの話にも一条の光が差しているような終わり方をしている。読了後は煮え切らない思いより、むしろキレイな終わり方をしたと思う。
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