星々の舟 の商品レビュー
6つに分けた短編小説と思いきや、すべてが繋がっている。家族一人一人が主人公になり切なく、それでいて、たくましくも感じる。戦争体験のない私に、衝撃的な部分があり、読んでよかったと思う。直木賞受賞作で手元に寝かせてしまっていた一冊。もっと早く読むべきだった。
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愛してないわけじゃないけれど屈託なく接することができるわけでもない家族。その機微な感情が波のように押し寄せてきて、途中で気分が悪くなるほどだった。しかしこの物語が多くの人の心を揺さぶったというのだから、案外そういう想いを共有できる人は多いのかもしれない。それとも、あくまで自分とは...
愛してないわけじゃないけれど屈託なく接することができるわけでもない家族。その機微な感情が波のように押し寄せてきて、途中で気分が悪くなるほどだった。しかしこの物語が多くの人の心を揺さぶったというのだから、案外そういう想いを共有できる人は多いのかもしれない。それとも、あくまで自分とは関係のない、虚構として楽しんでいるのだろうか?わからないなぁ。最後に重幸の戦争体験を持ってきたのはすべての責任を戦争になすりつけようとした印象も受ける。筆者の狙いがどうだったかに関係なく。タイトルを船ではなくて船としたところが秀逸
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秀麗な文章で淡々と、重い。 苦しくて、辛くて、気がつくと涙がぼろぼろ零れてる。感動したのか、可哀想なのか、訳のわからない涙にまみれて、やがてただ泣きたかっただけなんじゃないかと思えてくる。 人は、孤独。誰とも完璧には解り合えない。 でも。ひとり、でもない。 切なくて、愚かな、煌めくような人生。
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家族一人一人の過去を 心の傷も含めて回想する。 全体からするとメインといえる章は、 異母兄妹の一言で言えば禁忌の愛だが、 村山由佳さんらしく一切もやらしくなく 清らかで水々しく描写されている。 厳格な父、重之の戦争中の回想 この最終章がすごく心に刺さる。 現代の私たちが到底理解...
家族一人一人の過去を 心の傷も含めて回想する。 全体からするとメインといえる章は、 異母兄妹の一言で言えば禁忌の愛だが、 村山由佳さんらしく一切もやらしくなく 清らかで水々しく描写されている。 厳格な父、重之の戦争中の回想 この最終章がすごく心に刺さる。 現代の私たちが到底理解できない、 しかし確かに存在した 慰安婦との心の交流。 故郷に帰れず、辱めを受ける女性。 そんな彼女を心で大切に思う重之。 この時代に許されなかった交流。。。 目を背けたくなる兵隊たちの言動。 こんなに残酷な描写も見事。 涙なしには 読み進められません!
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昔馴染んだ作家だけに、読みやすく、するすると読み進めた。思い出したくなかった過去の記憶が湧いてきた時に、そんな本は読むなと言われた時に、やめるべきだった。最後の幾つかは読んだことがあった内容で、しかも、忘れたくても忘れられない心がえぐられるような恐ろしさで。あぁ。この本は、確実に...
昔馴染んだ作家だけに、読みやすく、するすると読み進めた。思い出したくなかった過去の記憶が湧いてきた時に、そんな本は読むなと言われた時に、やめるべきだった。最後の幾つかは読んだことがあった内容で、しかも、忘れたくても忘れられない心がえぐられるような恐ろしさで。あぁ。この本は、確実に手放すべきだ。
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禁忌と戦争をテーマにしたストーリー。愛してはいけない人を愛してしまった女性と、戦争での体験を頑なに口にすることを拒む祖父。それぞれが乗る船は、どこへ行きつくのか?
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連作短編集だからと言って侮ってははいけない。 全体的に重苦しく、読み進めるのがしんどかった。因みに村山由佳の小説はこれが初めて。 報われない恋の話で構成された今作は、どの話も印象的だったが、沙恵の話が妙に頭に残っている。生々しい描写が苦手なのだが、ラストの沙恵が自分の気持ちを押し...
連作短編集だからと言って侮ってははいけない。 全体的に重苦しく、読み進めるのがしんどかった。因みに村山由佳の小説はこれが初めて。 報われない恋の話で構成された今作は、どの話も印象的だったが、沙恵の話が妙に頭に残っている。生々しい描写が苦手なのだが、ラストの沙恵が自分の気持ちを押し通そうと決めた場面が恐ろしく思うと同時に凄く良いな、と思った。 また、重之の話が最後にあったせいか、辛い想いを抱えてきたこの家族に少しだけ光が射し込んだ気がした。 幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。そんな重之の言葉が心に強く印象残る。幸福の形は一つじゃない。人の数だけ、幸福の形があるんだな。
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家族のそれぞれを描いた小説、なのかな? それぞれに色んなことがあって それがどう表面に現れているか、が面白かったかな。 正直この作者さんを好きだと思っていなかったのですが 少し好きになりましたw また違う作品を読んでみようと思います
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あまりにも単純な言葉だけど、本当によかった、いい本に出会った。 最後が重之さんだったのが、きっとよかったんだと思う。 今日、たまたま映画『杉原千畝』を観てきた。当たり前のことだけど、あの戦争って一人一人みんな違うんだと改めて感じた。90を超えた義父が笑いながら(苦笑?失笑?わから...
あまりにも単純な言葉だけど、本当によかった、いい本に出会った。 最後が重之さんだったのが、きっとよかったんだと思う。 今日、たまたま映画『杉原千畝』を観てきた。当たり前のことだけど、あの戦争って一人一人みんな違うんだと改めて感じた。90を超えた義父が笑いながら(苦笑?失笑?わからない…)戦争に行った話をする時がある。永遠の0は映画を観てから本を読んだ。そういえばラストエンペラーも観た。全部真実なんだろうけど、一人一人はみんな違う。 重之さんはこれまでの人とかなり違った。なぜかひどく気にかかる。正直な気がした。ほかの人たちはこの苦しさを心の奥深くにしまい込んでいる強い人なのかしら… 暁も、沙恵も、志津子も、貢も、聡美や美希も…みんななんか悲しくて、でもみんな生きていて、亡くなった志津子でさえみんなの胸にちゃんと生きていて、現実の中で自分の居場所を自分で整えようとする姿がとにかくよかった。 直木賞を受賞されたことを全く知らなかった。 今になって出会えて本当によかった。
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すごく良かった。妹しか愛せない男とかのアオリ読んでもっと際物を想像して読んだんだけど、とても静かで哀しくて力強い家族の物語だった。直前に読んだ「すべての雲は銀の…」となんだか重なるモチーフがあるなって気がする。
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