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星々の舟 の商品レビュー

3.8

332件のお客様レビュー

  1. 5つ

    80

  2. 4つ

    124

  3. 3つ

    85

  4. 2つ

    20

  5. 1つ

    3

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2022/02/26

久々に村山由佳の本を手に取った。 直木賞受賞作の本作は、とても読み応えのある作品だった。 腑に落ちなかったのは、兄妹4人の話と父の話があり、母の話が無かったこと。孫の話じゃなくて、母の話がいるだろうと思った。 母こそがとても大変な人生を歩んだように思う。 愛人として生き、後妻...

久々に村山由佳の本を手に取った。 直木賞受賞作の本作は、とても読み応えのある作品だった。 腑に落ちなかったのは、兄妹4人の話と父の話があり、母の話が無かったこと。孫の話じゃなくて、母の話がいるだろうと思った。 母こそがとても大変な人生を歩んだように思う。 愛人として生き、後妻となり、子の秘密をもち、その子が禁断の恋におち、身体に傷を負う。 彼女がどう思いながら生きたのか、それこそが気になるところで、最後を飾るにふさわしいのではないかと思った。 父の戦争の話も強烈で、大切なことを、後世に残す重要なお話だったと思う。 それまでの話のなかで、苛立ちさえ覚えた重之がどういう体験をしてしたのか、納得するような気もしたし、それはやはり、彼の性格がそうさせたのだろうとも思った。 どんな時代においても、子に手を挙げる父に、どうしても相容れないものを感じる。 そんな家に生まれたことは、やはり不幸だったんじゃないかって、全体的に思ってしまう。 暁が家を飛び出したのも、だからこそだと思う。 叶わぬ恋も、不倫も、いじめの問題も、戦争も、人間を描いた作品だと思う。 直木賞をとっただけある、深い作品だと思う。 でもなんだか、そこに感動は覚えることができず、なんだか心にわだかまりが残る作品だった。

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2021/12/19

色々と事情を抱えた家族が紡ぐ短編集。 読後の感想は、すべてが最後の一編に帰結していくような気がする。 あと書きまで読み、なんとなく作者が書きたかったことがわかるような気がする。 さすが直木賞

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2021/12/08

久しぶりに どっしりと心に響いた。 「星々の舟」の響きと表紙から恋愛ものかと思ったの全然違った。4人兄妹と先妻、後妻、孫娘、父親。各々精一杯生きたんだなと思う。 家族に大きな影響を与えた重之は戦争の傷痕を抱えていて、最終章、そうだったのかと納得しつつ、振り返れば、重之がこんな感...

久しぶりに どっしりと心に響いた。 「星々の舟」の響きと表紙から恋愛ものかと思ったの全然違った。4人兄妹と先妻、後妻、孫娘、父親。各々精一杯生きたんだなと思う。 家族に大きな影響を与えた重之は戦争の傷痕を抱えていて、最終章、そうだったのかと納得しつつ、振り返れば、重之がこんな感じでなかったら4人兄妹は?とも思う。 やっぱり戦争はいけない。

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2021/10/25
  • ネタバレ

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家族それぞれの、人に言えない恋愛の話。 たまに母親には元彼がいたのだろうかとか、どんな人だったのだろうかとかを考えることがある。でも、家族のそういう話はゾクゾクするから、考えることをすぐ放棄する。 この本は、そういうのの全容を明らかにしたような、人生覗き見感が強かった。 聡美パートのおじいちゃんとのシーンが涙を誘った。 私は、母親が命をかけて腹を痛めて産んでくれたことをすぐ忘れてしまうが、おじいちゃんの熱いセリフによって思い出され、ドワっと日頃の感謝が湧き出てきた。

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2021/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連作小説ということで、一気に読んでしまいました。家族それぞれの物語、それも、ダークな部分。 なかなか、重い小説でした。 兄妹の近親相姦、当初、実の兄妹って、知らなかった。これは、親が一番悪いって思ってる。そんなことにならないように、何でできなかったのか、親も後ろめたい気持ちがあったにせよ、妹(沙恵)の章は切なかった。 孫娘の章も、いじめのような、理不尽な描写は 辛かった。 そして、最後に、戦争での慰安婦の話は、初めて読んだので、かなり衝撃的でした。 家族がかかえるそれぞれの影、うまくつなげて、さすが直木賞作品、とは思いましたが、 あまりに重すぎて、2回は読まないな、と思った。

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2021/06/23

フォローしているshintak5555さんが 教えてくれたので、読んでみました。 最初は、私自身が「恋愛小説かぁー」と思いながら ダラダラ読んでいたけど、だんだんと 「あれ?なにこれ?ヤバイ…泣ける」ってなっちゃったー。 雪虫 (妹の沙恵が好きな暁) 子どもの神様 (末っ子...

フォローしているshintak5555さんが 教えてくれたので、読んでみました。 最初は、私自身が「恋愛小説かぁー」と思いながら ダラダラ読んでいたけど、だんだんと 「あれ?なにこれ?ヤバイ…泣ける」ってなっちゃったー。 雪虫 (妹の沙恵が好きな暁) 子どもの神様 (末っ子の美希は、不倫中) ひとりしずか (沙恵は兄の暁が好き) 青葉闇 (一番お兄ちゃんの貢は畑好き) 雲の澪 (貢の娘の聡美は友達を売ってしまった) 名の木散る (彼らの父の重之は戦争を生きた) の短編で話が進んでいく。 最初は重之じぃじのことが苦手で、あんまり 現実世界にいたら合わないタイプだぁーなんて 思っていたけど、 最後の章に近づくにつれて、 「じぃじー!!!!!!!!!!」と号泣してしまった…笑 この話は、恋愛とかそんなくくりではなく、 もっと大きなテーマだなって感じだよ。 一人ひとりが主人公で、同じ人でも、 見る人によっては、違う別人のように感じる。 (↑うまく言えないー。伝わって!!!!) ものすごく読みごたえを感じる本だったよー。 読んでよかったー(*´艸`*)

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2021/05/23

家族それぞれの視点から描いた話。クイズノックの記事で読もうと思った。 恋とは、人生とは、幸せとは、年を重ねるとは、色々考えさせられた

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2021/03/28

短編集ですが一つの家族の物語なので全てが繋がっています。 苦しい恋愛をする兄妹たち。 救われない気持ちで読んでたけど、最終話でストンと落ち着いた。 男と女とは。 恋愛とは。 考えさせられた一冊。

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2021/02/24

村山由佳さんの直木賞受賞作。6章からなり、それぞれ、戦争に行き激動の時代を潜り抜けてきた重之と、その4人の子供達(異母兄妹)+孫(長兄の娘)の視点から語られている(順不同)。 戦争、慰安婦、禁断の兄妹愛、血の繋がり、不倫、いじめ、女性消費、、、など沢山のことが盛り込まれていて考え...

村山由佳さんの直木賞受賞作。6章からなり、それぞれ、戦争に行き激動の時代を潜り抜けてきた重之と、その4人の子供達(異母兄妹)+孫(長兄の娘)の視点から語られている(順不同)。 戦争、慰安婦、禁断の兄妹愛、血の繋がり、不倫、いじめ、女性消費、、、など沢山のことが盛り込まれていて考えさせられる物語だった。3世代の視点から描かれているからこそ、いろんな世代の読者が読んで共感する部分も、他の世代の立場に立って考えるきっかけにもなる部分もあると思う。戦争に対する認識の世代間の違いは読んでいて興味深かった。 沙恵が過去に名も知らぬ男性から受けた数々の行為の羅列を読んでいたら、自分も思い起こすことが多々あり、不快感と、今更ふつふつ怒りが湧いてきた。あまり思い出さないようにしていたけれど、こういう体験が女性にとってありふれているなんて、本当にこの国はおかしい。 慰安婦についてはこの本を読んで初めて知った知識もあった。 不勉強すぎて恥ずかしいので他の本でも読んでみたい。 「自由=孤独」というのは激しく同意。

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2021/02/05

短編集でした。 が、ある一家のメンバーそれぞれのお話だったのて短編が苦手な私でも面白く読めました。 妹も姉もどちらにも共感ができて切なくなりました。 強がって我慢して一人で泣いてみたり、泣いていいと言われるのが羨ましかったり。 <幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない> ...

短編集でした。 が、ある一家のメンバーそれぞれのお話だったのて短編が苦手な私でも面白く読めました。 妹も姉もどちらにも共感ができて切なくなりました。 強がって我慢して一人で泣いてみたり、泣いていいと言われるのが羨ましかったり。 <幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない> なんとも言えない寂しさがありますが現実はそうなのかもしれません。

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