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星々の舟 の商品レビュー

3.8

334件のお客様レビュー

  1. 5つ

    79

  2. 4つ

    125

  3. 3つ

    87

  4. 2つ

    20

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2023/06/25

2007年09月20日 19:18 直木賞受賞作。 一つの家族のそれぞれの人物の視点が6つの章に分けて書いてある。 ただ、話が過去に行ったり現在に行ったり、過去の過去に行ったりして最初のうちは戸惑ったが括弧の工夫がなされていたので助かった。 有り触れた内容と言えば有り触れた...

2007年09月20日 19:18 直木賞受賞作。 一つの家族のそれぞれの人物の視点が6つの章に分けて書いてある。 ただ、話が過去に行ったり現在に行ったり、過去の過去に行ったりして最初のうちは戸惑ったが括弧の工夫がなされていたので助かった。 有り触れた内容と言えば有り触れた内容かもしれないが、 文章力・表現力で読ませると思う。 最後の父親の章は、実際に話を聞いて書いただけあってリアルだと思う。 戦争体験について、あまり知らない人は読んだ方が良い。 しかしながら、帯にもある「こころふるえる感動の物語」とまではいかなかった。

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2023/06/25

兄妹は禁じられた恋にはまり、末の妹は不倫にはまり、初登場の時は常識人と思っていた長兄も実は不倫にはまり、そんな兄弟達の父は妻がいるのにお手伝いさんとの不倫にはまり。 家族として成立しそうもない状況なのに、家族であることを取り繕っているように思えて、正直不快な作品だと思っていまし...

兄妹は禁じられた恋にはまり、末の妹は不倫にはまり、初登場の時は常識人と思っていた長兄も実は不倫にはまり、そんな兄弟達の父は妻がいるのにお手伝いさんとの不倫にはまり。 家族として成立しそうもない状況なのに、家族であることを取り繕っているように思えて、正直不快な作品だと思っていました。 しかし、最終章を読むうちに評価は反転。一人一人の事情や想いが掴めた途端に、一気に作品に色彩を感じました。 最終章までの鬱展開が辛かったので星4つですが、その不快感を綺麗に洗い流してくれるラストに感動させて貰いました。

Posted byブクログ

2023/03/29

雪虫 子どもの神様 ひとりしずか 青葉闇 雲の澪 名の木散る の6章立て。 家族6人それぞれのお話になってます。 「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。」 両想いなのに決して報われぬ恋もある。 人から見たら、幸福ではないかもしれない、不毛な恋かもしれない。 その恋で自分...

雪虫 子どもの神様 ひとりしずか 青葉闇 雲の澪 名の木散る の6章立て。 家族6人それぞれのお話になってます。 「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。」 両想いなのに決して報われぬ恋もある。 人から見たら、幸福ではないかもしれない、不毛な恋かもしれない。 その恋で自分は、苦しんで苦しんで苦しんだ。 でもどうしても、そこから進めない、そこからどこにもいけない、その恋から逃げられない… だから、せめて好きでいることだけは、自分で認めてあげたい。許してあげたい。 決して報われなくても。その恋を否定したら、その恋を適当に扱ってしまったら自分ではなくなってしまうのだから。 自分の宿命は自分で背負い、河を舟で流れていこう。 夜空に輝く星々のように。 第129回直木賞受賞作。 とても良い作品です。

Posted byブクログ

2023/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「幸福とは呼べぬ幸せもあるのかもしれない」 衝撃。 人に幸せねって言ってもらえる人生でなくていいし だからって幸せじゃないわけじゃない。 言葉にすると強がって見えるし心もとないけど 読めばストンと落ちてくる。 好きで好きでやめられない、仕方ない人がいる。 その人が生きている同じ世界で自分も生きていて、 だからこそ心を通わせ合い、なんなら触れ合い、 添い遂げられなくてもいつも心を満たす。 その人にも自分だけ。そうお互いになんとなくわかっている。 それだけでそこに存在する価値がある。生きる価値がある。 片割れだからお互いに。生きないと。 そりゃそんな二人が一緒にいられるともっと幸せに違いない。 でも、一緒にいられなくても、触れられなくてもいい。 だから私を消さないで。私からその人を消さないで。 それ以上何も望まないから。 ところで、私は人生において結婚や子育ては情熱を、命を燃やすための必要アイテムなのではないかと思うときがある。 妬みやひがみなのかもしれないけど、「結婚」や「子育て」は、「暇な人生」への解決策、「人生を全うできないような手持無沙汰感」を紛らわすための手っ取り早い方法にすぎないのではないかと。 人は生まれたときからライフポイントを持っていて、生きることにともなう精力の使用量でそれは減り、使い切ることが使命なのだとすると、打ち込む仕事や趣味がない多くの一般的な人はなかなかそのライフポイントが減らない。だからどうしたって神経や精神力、体力をすり減らす結婚や子育てをしようとする。それはライフポイントの半分以上を稼ぐとこができるボーナスタイムだから。 恋愛においてひとりの人を愛すると決めて貫くことは、同じくらいのポイントになると私は思う。自らをひとり孤独に耐え、守り、大事にするということ、そして愛す一人をどんな形であれ守り抜くということがどれだけライフポイントを削るか。 そんな相手に出会えた幸運は奇跡で尊く、辛く、幸せだ。 どちらかと言えばむしろそういう唯一無二の人に出会うということはむしろ、「人生の全う」を約束された勝ち組の人生なのかもしれない。そうであればいいと思う。

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2022/12/14

読み応えあり。 不器用な生き様が人間らしさやねんな。 戦時中の理不尽で悲惨な日々、終戦後もそれは連綿と続いて周りをも不幸にしてしまう。つらい。

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2022/11/27

全体を通じて終わった出来事への物悲しさが漂っている。タイトルにある「舟」は最後に唐突に出てきた感が否めない。全体的に登場人物は不快。愛について書いているのだろうが、愛についての一体何を語りたかったのか自分にはよくわからなかった。暇つぶしにはいいかもしれないが、他に読みたいものがあ...

全体を通じて終わった出来事への物悲しさが漂っている。タイトルにある「舟」は最後に唐突に出てきた感が否めない。全体的に登場人物は不快。愛について書いているのだろうが、愛についての一体何を語りたかったのか自分にはよくわからなかった。暇つぶしにはいいかもしれないが、他に読みたいものがあればわざわざ読む必要はないと感じた。

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2022/10/14

p258迄は、活字をひたすら追うだけに 終わった。他作品に多く見られる 家族、個人の描写に思えた。 あとがきにあったが いっそうのこと 戦争小説にしてしまった方がよかったかも知れない。

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2022/09/09

どうにもならないことが世の中には数多くある。 人間関係も、仕事も。だが、そういったものを呑み込んで、人は今を、未来を生きていく。その結果がどうなろうと、それは意味のある人生だったのではないか。 少なくとも、当人にとっては。 憤りと癒やしを得られる一冊だと思う。

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2022/05/02

『普通って、なんだろう? 幸せって、なんだろう?』 直木賞受賞作品。複雑な生い立ちを持つ家族を主人公にした連作短編集。近親相姦、不倫、性暴力、いじめ、戦争。暗闇の中から、自分らしい幸せを探し求め、苦しみながらも歩み続ける家族を描く。

Posted byブクログ

2022/04/06

近親相姦、レイプ、いじめ…と過激な出来事ばかり起こるストーリーに90年代の野島伸司のドラマ(というか、ひとつ屋根の下)みたいだなーと思っていたけど、最後の戦争の話はちょっと良かった。 ただ、一番魅力的キャラクターである後妻の話がなくて残念。

Posted byブクログ