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本陣殺人事件 の商品レビュー

3.8

180件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    75

  3. 3つ

    53

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

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2023/04/19

昔の雰囲気を味わいたい時に横溝正史の小説を読む。金田一耕助が主人公だと思うのだけど、語り手が居てその人によって物語が事件が話されていく。読みづらいわけではなく、むしろ私自身も語り手と一緒になって事件を覗いているような感覚になる。今回の物語は、そこまで怖くなく、むしろその人物たちの...

昔の雰囲気を味わいたい時に横溝正史の小説を読む。金田一耕助が主人公だと思うのだけど、語り手が居てその人によって物語が事件が話されていく。読みづらいわけではなく、むしろ私自身も語り手と一緒になって事件を覗いているような感覚になる。今回の物語は、そこまで怖くなく、むしろその人物たちの人間模様が描かれている。

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2023/04/08

あまりにも有名すぎて読む気が起こらなかった金田一シリーズ。。 個性豊かな人間たちの意味深な関係や、田舎特有の鬱屈とした雰囲気づくりが巧みで物語に没入できた。時々登場する少女のしおらしく可憐な様子が薄暗い感じを助けていて一層よかった。 とにかく作風が好みだった。 この筆者と、「一族...

あまりにも有名すぎて読む気が起こらなかった金田一シリーズ。。 個性豊かな人間たちの意味深な関係や、田舎特有の鬱屈とした雰囲気づくりが巧みで物語に没入できた。時々登場する少女のしおらしく可憐な様子が薄暗い感じを助けていて一層よかった。 とにかく作風が好みだった。 この筆者と、「一族」とか「獄」とか「村」の雰囲気はかなり相性が良さそうなので他の作品も読んでみたい。

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2023/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

記念すべき第一回探偵作家クラブ賞(現日本推理作家協会賞)受賞作品。 再読のはずだが、例によって犯人もトリックも動機も全く覚えてない。ただ、横溝作品に濃密にただよう猟奇的な雰囲気のみをよく覚えていて、再読したのもそれを楽しみたかったから。 改めて再読して動機の部分では、今ではありえないものであるのに驚いた。とは言っても80年くらい前の話であるので、日本のその後の変わりようが凄まじいと言わざるをえないが。 上記のように古臭さはあるが、お話はそのものはよく出来ているし、同時代の事件を描いた併録の二作品も楽しめた。横溝作品は手元に何冊か積読状態であるので、また楽しみたい。

Posted byブクログ

2023/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ガストン・ルルーの『黄色い部屋の秘密』が引き合いに出された時点で、他殺ではない、と予測がついてしまった。横溝先生、それでいいんですか、と読者としてツッコミを入れたくなるけど、、、ミステリーマニアのおこした殺人事件なんだから、あのルルーとかの探偵小説談義に花を咲かす場面はある意味重要な伏線だったんだあ、、、と読み終わったあとに感じた。 とうぜん横溝先生もこれら洋物のミステリーを読み込んでおられたわけだし、それを換骨奪胎して和のミステリーを書き上げようとした横溝先生の気概が伝わる。結果として金田一耕助という魅力的な探偵シリーズものを作り出したのだから、先生大成功ですよと拍手をおくりたい。

Posted byブクログ

2023/02/04

金田一耕助初登場作品。 元々は東西ミステリーベスト100で1位の『獄門島』を読むつもりでしたがまずはシリーズ第1作を読まねばと思った次第です。 『本陣殺人事件』 終戦後間もない1946年に書かれた作品です。 日本家屋に関する言葉の意味が分からなさすぎて、現場の情景が浮かばず、そ...

金田一耕助初登場作品。 元々は東西ミステリーベスト100で1位の『獄門島』を読むつもりでしたがまずはシリーズ第1作を読まねばと思った次第です。 『本陣殺人事件』 終戦後間もない1946年に書かれた作品です。 日本家屋に関する言葉の意味が分からなさすぎて、現場の情景が浮かばず、その都度スマホで画像検索しました。枝折り戸、四つ目垣、格子戸、戸袋、欄間、鴨居…等々。 約200ページの話ですが、金田一耕助が出てくるのは70ページを過ぎたところ。 登場時点(昭和12年の事件)で25、26歳の青年だけど、20歳の頃にアメリカに渡って麻薬常習者になってたという話が出てきて、じっちゃんってそんなファンキーな人だったの!?と驚愕しました。 『金田一少年の事件簿』に漂うおどろおどろしさはじっちゃん譲りなんですね。トリックも思った以上に大掛かりで、これだけの話が戦後間もない時代に既に考えられていたことに驚きました。 (小説を読んだ後に連続ドラマ版(古谷一行主演、1977年)をU-NEXTで観ました。あの大掛かりなトリックが映像だとどう表現されるのかが一番の目的でしたが、見事に原作通りで、家屋等のロケ地もよく見つけたなという感じだし、犯行動機の改変も説得力があり、面白かったです。また、推理小説をそのまま映像化するのは難しく、どう取捨選択するかが大事であることがよく分かりました。映像化する時はトリックの詳細な説明よりも犯行動機などの抒情的な部分を強調した方がドラマとして受け入れやすいのでしょうね。あと70年代の女優さんは本当に美しいですね。) 『車井戸はなぜ軋る』 見事に騙されました。物語冒頭で僕は「事の真相はこうだろうな。ちょっと簡単すぎじゃないかな」と思って、実際そういう方向で進んでいくのですが、終盤の怒涛のどんでん返しに圧倒され、読み終わった後の脱力感が凄かったです。 これ金田一必要ないんじゃない?と思って調べてみたら、元々は1949年に発表された作品で、1955年に改稿して金田一ものにしたという経緯だったそうで、なるほどーと思いました。 『黒猫亭事件』 こちらも見事に騙されました。冒頭で事件の真相に触れていて、途中でなるほど、そういうことかと思ったのですが、終盤でさらにどんでん返しがあり、そのことも最初から堂々と書いてあることに気づいた時の衝撃が凄まじかったです。 金田一耕助は実在の人物で、横溝正史は彼が関わった事件の話を本人から聞いて、それを小説にしているという設定なんですね(『本陣殺人事件』の時は無許可で名前を出してるのはどうかと思いましたが)。次はいよいよ『車井戸はなぜ軋る』『黒猫亭事件』でも名前だけ出てきた『獄門島』を読みます。

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2023/01/29

金田一初登場作品!機械的トリックが凄い、犯行動機もまた凄い!!日本でしか発想できない日本的推理小説!!!

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2022/12/22

#読了 八つ墓村に続いて読んだ。今回は一冊に三編が入っている短編集?なのかな。それでも一編一篇が充実していて満足感がる。この怪しい雰囲気が本当に好き。なぜもっと早く読まなかったのか。 ドラマなんかで見ると金田一耕助の人となりってあんまりよくわからないんだけど、こうして連続して読ん...

#読了 八つ墓村に続いて読んだ。今回は一冊に三編が入っている短編集?なのかな。それでも一編一篇が充実していて満足感がる。この怪しい雰囲気が本当に好き。なぜもっと早く読まなかったのか。 ドラマなんかで見ると金田一耕助の人となりってあんまりよくわからないんだけど、こうして連続して読んでいくとこういう人間なのかーとわかってドラマとか見直したらまた面白そう。

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2022/10/11

『本陣殺人事件』名探偵金田一耕助の推理が光る。旧家の新郎新婦が惨殺死体で発見された。密室トリックの作り方と、犯人の意外性が良かった。ラストの語り手の記述に嵌められた。 『車井戸はなぜ軋る』本位田家という名家の娘が療養中の兄に宛てた手紙で物語が進む。 戦争から復員したもう一人の兄と...

『本陣殺人事件』名探偵金田一耕助の推理が光る。旧家の新郎新婦が惨殺死体で発見された。密室トリックの作り方と、犯人の意外性が良かった。ラストの語り手の記述に嵌められた。 『車井戸はなぜ軋る』本位田家という名家の娘が療養中の兄に宛てた手紙で物語が進む。 戦争から復員したもう一人の兄と、その異母兄弟が入れ替わっているのではないかという疑惑が、サスペンスの雰囲気を醸し出していた。殺人のトリックも井戸を上手く使っていた。 『黒猫亭事件』黒猫という店で相好の分からない死体が見つかった。『顔のない死体』は密室殺人、一人二役に並ぶ探偵小説の大トリックである。警察の捜査は難航するが、金田一耕助は分かっていた。最初の、探偵小説家の「私」と、金田一耕助の会話がラストに効いてくる。一人二役は読者に悟られてはならない、伏せておくトリックである。 金田一耕助は凄い。難事件をいとも簡単に解決する。正に名探偵!

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2022/09/12

表題作では密室殺人、『黒猫亭事件』では顔のない屍体のトリックに挑んでいる。既に作者お得意の、日本の古い伝統、因習の残る社会で起こる殺人事件によって物語に漂う暗く重い、一種独特の雰囲気が出来上がっている。『車井戸はなぜ軋る』は『犬神家の一族』の原型と言っていいだろう。ミステリーファ...

表題作では密室殺人、『黒猫亭事件』では顔のない屍体のトリックに挑んでいる。既に作者お得意の、日本の古い伝統、因習の残る社会で起こる殺人事件によって物語に漂う暗く重い、一種独特の雰囲気が出来上がっている。『車井戸はなぜ軋る』は『犬神家の一族』の原型と言っていいだろう。ミステリーファンならば一度は手に取って欲しい一冊。

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2022/07/27

初横溝正史作品。 表紙復刻に魅せられて買ってしまいました。 字体に古さを感じるけど、練られたトリックと、入り乱れた複雑な人間関係は現代でも通用する傑作でした。 表題作よりも、「車井戸はなぜ軋む」が、面白かったです。文通形式で進むタッチは読んだこと無かったので、意外と新鮮な気持ち...

初横溝正史作品。 表紙復刻に魅せられて買ってしまいました。 字体に古さを感じるけど、練られたトリックと、入り乱れた複雑な人間関係は現代でも通用する傑作でした。 表題作よりも、「車井戸はなぜ軋む」が、面白かったです。文通形式で進むタッチは読んだこと無かったので、意外と新鮮な気持ちで楽しめました。 黒猫亭事件は、人間の汚さ、おどろおどろしさが詰まったくらーい話でした。

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